子どもたちの感想から「キャリア教育授業」を振り返る
先月、キャリア教育の授業を小学校で実施する機会をいただきました。
一昨年前にも、こちらの小学校で授業をしたことがあります。
当時参加してくれていた先生が、また6年の担任となり、
「今年度の6年生にもぜひお願いします。」
と、声をかけていただきました(めっちゃ嬉しかったです♡)。
一生懸命準備して実施した授業の感想が、手元に届きました!
子どもたちの感想文を見返しながら、授業を振り返りたいと思います。
授業づくりで心がけていること
私が、ゲストティーチャーとして授業をつくる際、心がけていることが3つあります。
①私の授業の目的を先生に確認する
だいたいの授業の型はできているのですが、目的を明確にすることによって、コンテンツの重みづけを考え、ストーリーを組み立てます。
また、問いかけの内容や、印象に残したいメッセージを目的に応じて微調整します。
私の担当する授業の目的を、きちんと言語化してもらうことで、安心して授業づくりに没頭することができます。
②授業の前後の流れを先生に確認する
学習指導要領では、キャリア教育は特別活動に位置づけられていますが、教育活動全体としての目標があるわけで、まずは全体像を把握しておきたいです。
そのうえで、一連の流れを大事にしたいという想いがあります。
「レディネス」という言葉がありますが(試験の時勉強した)、どういう状態の子どもたちに対して授業を行うのか・・・
を想定して授業をつくることが重要だと思うのです。
前提知識は? 関心度は? どんなところに興味が向いてる?
ということを考えながら、授業の導入を考えます。
これまでの活動を振り返る時間を入れることもあります。
授業の後の流れを確認する意図は、ワークのアウトプットを考えるためです。
次の授業につながる、アウトプットを意図的につくります。
今回は、5年生に学んだことを伝える会があるとのことだったので、その時のネタになるようワークを設計しました。
③子どもの学び(気持ち)を想像する
当たり前ですが、私の授業を受けたことにより、どんなことを学んで欲しいのか、どんな気持ちになって欲しいのかを想像します。
具体的には、感想文にこんな風に書いて欲しいということを考えます。
伝えたいことがいっぱいあって、盛沢山になってしまうんですけどね(笑)。
7つの習慣でいう第2の習慣「終わりを思い描くことからはじめる」。
大事なことだと思います。
私のキャリア教育授業
キャリア教育ってなんでしょう・・・?
・働く意欲を持たせること
・職業について学ばせること
・いろんな仕事をしている人の話を聞かせること
・進路を決めさせること
・夢を見つけさせること
・
・
・
まぁ、いろいろ言われますがちょっと違うんだなぁ・・・
❝ 未来にむけての生き方についてのお話 ❞
私の授業を受けてオファーしてくれた先生は、こう表現してくださいました(ナイス!)。
私のキャリア教育授業では、未来へのワクワク感や、自分の成長への期待感を味わってもらうことを重視しています。
なぜなら、未来への希望が、今を生きる原動力になるから。
▼キャリア教育授業に対する想いは、過去に詳しく書いています。
▼今回の授業のコンテンツ構成はこんな感じ。
3つの視点でのインプットで、これから必要となるいろんな力について触れ、最後に、自分にとって必要な力は何か、自分が伸ばしていきたいと思う力について考えをまとめるという流れです。
ポイントは、自分で決めるということです。
大人は、こんな力も、あんな力も、身に付けた方がいいと言うけれど、今の自分に必要な力は何か、そこのところを考えてもらいました。
▼ワークシートに書いて自分の考えをアウトプットしてもらいました。
これから身に付けたい力ではなく、伸ばしていきたい力としたのには、わけがあります。
キャリアは日々の積み重ねだから、今の自分も全くのゼロではなく、すでに自分の中に芽が出ている可能性があるという想いを反映しています。
小さなこだわりです(笑)。
子どもたちの感想がご褒美
▼6年生88名の感想文と、お手紙を冊子にして、届けていただきました。
これを1枚1枚読ませていただくのが本当に楽しみです!
いただいた感想を少しだけ紹介させてください。
今回、キャリア教育として、学び、自分のしょうらいがたのしみになってきました。前は、不安の気持ちのほうが大きかったのですが、「自分らしさをきわめることで武器になる」という言葉や「未来は予測されるものではなく、自分でつくるもの」という言葉にとてもせなかをおされた感じがしました。
AIにはない自分らしさをみがいていきたいと思いました。
そして、自分で決めた「あきらめずがんばる力」もがんばっていきたいと思いました。
本当に話を聞けて、よかったと思いました。
AIのことや未来のことなどをしることができました。
そして、どんな「力」をつけたいなんて思ってもいなかったので、このきかいに、考えることができました。
とても、たのしかった。
働くのに必要な力は最初は学力が一位だと思っていたけど、7位だったことにびっくりしました。
今日の話をきいたことにより、しょう来私はより働くことが楽しみになりました。
考えたことがなかったけど、伸ばしたいことを書いて自分の必要な力を見つけることができました。
私が心に残ったことは、日々の積み重ねが未来の自分を作る、自分の道は自分で決めるということです。人間だからこそ自分の歩みたい道を決められる。いい人間になるため、1日1% 約15分でも積み重ねれば1年で38倍も成長できる。ということで、じんせいなりたい事をあきらめず、自分の想いにふたをせずに歩んでいこうと思いました。
先生の話すペースや話し方がすごくわかりやすかったです!!
私達がつまらなくないように、話題を振ってくれたりしたのが嬉しかったです!
ぜひまた学校へ来てほしいと思いました!!
授業の中で、いろんなメッセージを贈りましたが、それぞれ響いた言葉や心に残った事柄が違うのがまたいいなと思います。
みんなそれぞれ、しっかり受けとめてくれているのを感じました。
他にも、楽しい授業にするためにいくつかネタを仕込んでおくのですが、そこをピンポイントでほめてくれる子がいたり、「先生になるのがんばってください」と応援メッセージを書いてくれる子がいたり、嬉しくてニヤニヤが止まりません。
もし担任だったら
感想を読みながら、ふと思うことがありました。
自分が担任だったらどうだろう・・・
どんなふうに、子どもたち一人ひとりと関われるかなと。
忘れないように3つ記しておきます。
①文章を書く力について
これまで何校も実施して、たくさん感想文をいただきましたが、文章力について差を感じています。
普段からどれくらいトレーニングされているかですよね。
ちゃんと書き方の指導がされていれば、6年生ともなれば、それなりに書けるようになると思うのですが...(自分も得意ではなかったけどね)
句読点や段落が使えてなかったり、漢字で書けなかったり、言葉が抜けたり、主語と述語がかみ合っていなかったり・・・
ん?と思う文章もけっこうあります。
一方で、私が伝えた言葉の羅列ではなく、自分の考えを踏まえた表現ができる子もいます。
どこでどう差がつくのかなぁ?
文章力は上げることができるよねぇ?
私が担任をする時が来たら、確かめることができるのでしょうか・・・?
②能力の差がある中での一斉授業
文章力ひとつとってもこれだけ差がある中で、一斉授業が成り立つのだろうかという疑問...
高学年ともなれば、学力にかなりの個人差があるだろう。
学力は上下の二極化状態にあるといいます。
でも先生は、真ん中の層に向けた授業を行っていると聞いたことがあります(なるほどなと思いました)。
最近、「個別最適な学び」という言葉をよく耳にしますが、実態はどうなのでしょうか・・・?
個々への配慮、個別の支援など、先生の力量が問われますよね。
「個別最適な学び」を取り入れた授業ができたらいいなぁ。
まだまだ勉強します!
③その子の背景を含めどんな声をかけるか
感想を読みながら、この子と直接話してみたいなぁと思う子が何人かいました。
ゲストティーチャーとして伺う授業では、普段の子どもたちの様子はわかりません。。
担任のみぞ知る発見があるんだろうなと。
これは、私が教員を目指そうと思った動機でもあります。
感想に書いたこの一言が、その子にとってどんなに意味のあるものなのか、普段から子どもたちを見ている担任の先生だからこそわかるのだと思います。
そして、その子の背景を含め声をかけることで、その子にとっての気づきや成長を促す関わりができるのだろうと、想いを馳せております。
◎最後までお読みいただき、ありがとうございます。
私も小学校の先生が書いたnoteを読んで、疑似体験させていただいてます。
もし、こんなキャリア教育授業に興味がわきましたら、コメント等いただけると嬉しいです。