「学びを学ぶ探究の1日」イベントレポート
7月の暑い夏の日、伊那市防災コミュニティセンター多目的ホールにて開催された「学びを学ぶ探究の1日」イベントに多くの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。
遅くなりましたがレポートをお届けしていきます。
そもそもイベントを行った理由:
VUCAの時代と呼ばれる今日、「総合的な探究の時間」を軸とした新しい学びの実践や方法に注目が集まっています。本イベントでは、多様で実践的な「探究」に携わる4名の講師をお招きし、これからの時代に求められる学びと探究について、様々な視点からお話しいただきました。
講師陣と講演内容:
1. 唐澤 博氏、 難波 俊樹氏
テーマ:「子どもが目覚める "ゆるふわ探究"学習について〜心理的安全性〜」
芝国際中学校・高等学校の唐澤氏に、長年のICT教育の経験を活かし、子どもたちが安心して探究に取り組める環境づくりについて語っていただきました。
東京富士大学准教授の難波氏は、探究学習の専門家としての知見を活かし、参加型のワークショップを通じて、探究の本質に迫っていただきました。
2. 川地 尚武氏
テーマ:「地域課題を解決する人材を育成するこれからの大学の学びとは?」
信州大学特任准教授の川地氏は、産学官連携の実践者としての経験から、地域に根ざした探究学習の可能性について講演していただきました。
3. 藤原 さと氏
テーマ:「子どもの誇りに灯をともす〜誰もが探究して学びあうクラフトマンシップの文化をつくる〜」
(一社)こたえのない学校代表理事の藤原氏は、探究学習カリキュラムの開発者として、子どもたちの自尊心を育む探究の方法について探究学習の歴史を踏まえてお話いただきました。
「余白の時間」という試み
このイベントでは、各講演の間に「余白の時間」を設け、参加者同士の交流や講師との質疑応答の時間を十分に確保してみました。
この時間を通じて、参加者の皆様が学びをより深め、新たな気づきを得たり、知り合いを作っていただけたらと思い、長い休憩時間のような時間 、それぞれがそれぞれの思い思いの時間を過ごせるようにと「余白の時間」用意しました。
が、、参加していただいた皆さん、、いかがだったでしょうか? それはまた聞いてみないとわかりませんね。 地域の皆さんと広げていきたいと思ってるのでぜひまたご意見どこかで伺わせていただけたら嬉しく思います。
参加者のみなさまの声
このイベントで最も印象に残ったことをアンケートで共有いただいたので少しシェアしますね。
唐沢先生,難波先生の講座に参加しました。刺激を受けました。探究。新しい基礎学力、学校が変わらないといけませんね。
平等→公正 大人も探求者であること
もやもやをすっきり
倫理観=美しいこと
先生、大人の役割
デューイの整理
美しい仕事という言葉が印象的でした。
みんなそれぞれの思いがあるんだなって実感しました。モヤモヤするのはあたり前。(中学先生)
どんな分野にも美しい仕事には美学的なコアがあるということ、社会改造主義では知識は社会変革を促すものだということ (高校先生)
もやもやでも良いんだ!って思いました。探求は問題解決するための行為ではない。探求は無限であるっていう言葉が印象的でした。
学びに向き合おうと自主的に参加した人が多かったことが印象的でした。
一緒に楽しく学ぶことの大切さを感じました。塀をこえた学習空間が大切だって気づきました。
公正性が担保されているかっていう視点が大事にしたいです。
「プールを例にして、探究だからといって初めから児童生徒に任せるのではない、ということや「技」ではなく「生き方」という話、それから、「インクルーシブと探究」について言葉と映像で伝えていただいて共感しました。
「技」ではなく「生き方」っていう話に共感しました。
信大の立志学で「初めて自分の考えを言える場だった」と言った学生さんがいたというエピソード。なんだか心が痛みました
藤原さとさんの回に参加しました。50歳、高1・中2の親ですが、自分の頃の学校教育のイメージに対して今の指導要領の考え方が転換されていること、そして、それに対する自分の認識のなさに改めて驚きました。
少し内容が抽象的で、難しく感じました。もう少し、実践例を知った方がより具体的に理解できると思いました。
余白の時間でみんなが交流してるのを見て、本来の学びができる空間だなって感じました。
午後のみの参加でしたが、講話が終了したあとの余白の時間で多くの人が、今回登壇された先生方とお話をされていたり、参加者同士でコミュニケーションを取っている姿を見て、ただ先生方の話を聞くだけのセミナーではなくて、本来の学びができる空間だなと感じました。私自身も先生方とゆっくり話せて嬉しかったです。
藤原さとさんの講演の中で出てきたリース遠征隊のドキュメンタリーが印象に残りました。このフォルケホイスコーレに行っていた知り合いがいたので話は聞いてましたが、ここまでの挑戦をしていたとは知りませんでした。 また、探究のサイクルとしてジャンデューイの問題的状況の前に不確定状況があるというのはとてもしっくりきて興味深いお話でした。
探求とは学校での授業の一コマの他に日常の中にPDCAやその他の形として存在しているものだということがわかった。
「探究」は学び続けること、学ぶを楽しみ続けることだと改めて感じました。 「学ぶ」にはたったひとつの正解はないため、誰もが探究し続けているし、(それは、学校を卒業したあとも)学ぶことや探究することを面白がり続けることが豊かに生きていくことにつながるのかな、と思いました。
最後に
「学びを学ぶ探究の1日」夏の日のイベントは、参加者の皆様のおかげで大変充実したものとなったと、まずのスタートにはよくできた!!と思っていますが、いかがだったでしょうか?
まだまだできたこともある反省点も含みつつも、次回に活かしていきたいと思っています。ここで得られた知見や気づきが、皆様の日々の実践に活かされ、
私たちも共に学びながら、さらにより良い世界に一歩でも近づいていけたらと思っています。
今後も、より良い学びと地域と人をつなぐ 力となれるように模索しながら進めていければと思っています。引き続き、皆様のご参加をお待ちしております。
文責:増田千華