【広報ことはじめ】数値化できない広報だからこそ、旗を掲げよう
おはようございます。
プライバシーテックスタートアップAcompany広報のはまだ🐧です。もと経済記者です。好きなものは廃墟です。
さて、先月執筆したnote、たくさんの「スキ」ありがとうございます。X(Twitter)の反応を通じて、自分同様、多くの広報さんが広報KPIについて悩んでいることを知り、「ああこれは避けては通れない、広報という職種の最大課題なのだな」と、再認識しました。
またnoteをフックに、さまざまな広報さんが広報KPIについて議論する様子がX(Twitter)上で見られました。
そこで今回は、さまざまな広報さんのお力を借り、広報KPI設定や広報の定義、そして広報目線で今抱えている課題について10人近くの方に取材しました(ちゃんとしたインタビュー回したの記者辞めて以来、2年ぶり!!!)。
今回インタビューにご協力いただいたみきほ氏さん、𝗳𝘂𝗸𝘂𝗱𝗮 | 広報さん、Martin | Gaudiy PRさん、エンジニア採用したいココロちゃんさん、江口綾/新潟→築地のデザインコンサル会社にフルリモートさん、とぐちゆうこ|リブランの歌う広報宣伝さん、高実子実奈子@広報もCSもどんとこいさん、いのうえ しほ@ものづくりのワクワクを届けたい✨さん、木村 彰秀 | LayerX | PRさん、そしてこのnote執筆のきっかけをくれたゆめみの福ちゃん⭐️会えばわかる広報ありがとうございます🙏(全員Twitterリンクで失礼します)
このnoteは #PRFunho Advent Calendar 2023の12月10日の記事です。
おさらい:広報の定義は
再度おさらいします。広報の定義は、日本広報学会によると下記のように定義されています。
では、広報が向き合うステークホルダーとは誰なのか。
よく6個のステークホルダーがいるとされており、「顧客」、「取引先」、「株主・投資家」、「地域社会」、「行政機関」、そして「従業員」とされています。
これら6つのステークホルダーに対してコミュニケーションをすることが広報という機能です。
顧客に対しては、プロダクトリリースやオウンドメディア、メルマガを通じた情報発信が考えられますし、従業員に対しては社長の発言を編集して伝えたり、さまざまな部署の出来事を吸い上げて編集し伝える、必要に応じた全社会の運営も仕事になってくるかもしれません。
と、広報は向く方向により相対するヒトだったりコトだったりが異なるため、「サービス広報」だったり「コーポレート広報」だったり「採用広報」「社内広報」「IR」「危機管理広報」などとカテゴライズして話しています。
エンジニアがフロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、QAエンジニアなどと分類できるように、広報もさまざまいるのです。
スタートアップならば広報は3種類
ではスタートアップにいる広報さんは、実際どのような仕事をしているのでしょうか。今回ヒアリングにご協力いただいた広報さんたち9人についてはまだ側でカテゴライズしたところ、下記のような区分となりました。
図らずもがな、ヒアリングした広報さんたちいい感じに分かれてますね👀
ここからは各々広報がどのような目的・ミッションを持っており、どのようなチームに所属しているのかまとめます。
マーケやビジネスサイドと協働し、リード獲得・お問合せ獲得を狙う「サービス広報」
プロダクトをよりグロースさせ、オーガニックのお問合せを通じて新規顧客獲得を狙うことミッションに掲げることが多いサービス広報。メガベンチャーとかになると、プロダクト部門ごとにいます。
今回インタビューした中で印象的だったエピソードは、とぐちゆうこ|リブランの歌う広報宣伝さんの「(自社サービスの)ファンコミュニケーションの場づくりと、認知獲得のためのメディア露出戦略」でした。リブランは24時間演奏可能な防音賃貸マンション『ミュージション』など、個が抱えている課題を解消する「住まい」を通じて社会へ貢献している会社。家でも楽器を奏でたい人たちをファンにすると共に、物件オーナーを探す2軸で広報を展開しているとのこと。テレビや新聞、マスメディアを通じて取り上げられることにより、オーガニックのお問い合わせ獲得に貢献しているとのことでした。
今回取材した中で回答いただいた過去に設定したことのあるKPIは、「主要メディア掲載数」、「マスメディアやオウンドメディアを通じて獲得した(であろう)オーガニックお問合せ数」、「リード獲得数、HP流入数」など。
そのほか、一定期間ごとの報告の中に定性的な成果として、SNSのポジティブネガティブ反応だったり、記事公開による顧客からの声だったりを共有していました。
採用候補者の目にいかに止まるか、カジュアル面談以降の離脱率を下げる「採用広報」
スタートアップ初期フェーズで、この採用広報に力を入れる会社は多いと思います。Wantedlyのストーリー作成やnoteの執筆、採用ページの作成などを通じ、採用候補者と企業のギャップを埋めていきます。
ココロザシのエンジニア採用したいココロちゃんの場合、「採用のチャネルのいちツールとして広報を社内で立ち上げた」とのこと。転職サイトやエージェント以外の一手段として広報をとらえ、Wantedlyのストーリー作成や、SNS運用を実施。「転職する時に、まずココロザシ知ってもらう情報発信必要だよねと広報に注力している」といいます。
KPIは「Wantedlyやnote発信数」「SNSフォロワー数」など。採用広報が軌道に乗ると「採用離脱率」「オーガニック採用数」などが定量的な指標として考えられます。
ブランドをつくり、認知→認識を狙う「コーポレート広報」
ベン図にすると、サービス広報と採用広報の重なる部分に位置するコーポレート広報です。発信のベクトルを定め会社らしさを作ったり、空気を作ったりすることをミッションとしています。
企業ごとにこのコーポレート広報を置く目的はさまざまと思いますが、基本は採用。ブランドを作ることで最終的に採用へ還元する。Martin | Gaudiy PRさんはコーポレート・ブランディングを言語化することで「どう言う発信がガウ社ぽいのか定義し、ブランドパーソナリティを作成した」とのこと。
ブランド再定義に紐づくHOWは下のnoteにまとまっています👇
このコーポレート広報こそ、なかなか成果を経営陣や社内に伝えることが難しいのも事実。今回ヒアリングした広報さんは、定量的な目標は掲げておらず、一定期間でどのような姿となりたいか、状態目標を掲げているとのこと。
広報課題は
冒頭にこそっと書いていましたが、今回のインタビューを通じて広報課題は大きく2つに集約できました。
①広報のミッション・役割が社内でふわっとしており、何でも屋になりがち
②会社(経営陣)が広報に求める一定期間の成果と、広報側が貢献可能な成果にギャップが発生している
これ以外にも、「広報まで経営の方針が落ちてこない」、「今やったことを今期の成果に計上することができない」、「メディア掲載を獲得したからといっても、何か評価されるとかはない」、「一度一定の掲載数を獲得してしまうと掲載数追うことが現実的ではなくなる」、「わかりやすい広報成果指標がない」、「(事業の)概念が難しくて説明コストが高い」、「広報チーム発足・育成ができていない」、「危機管理広報を導入しなければ」などなど、ぶわっと課題が出てきました。
課題、多いですよね😅(めっちゃわかる)
①広報のミッション・役割が社内でふわっとしており、何でも屋になりがち
ひとり広報さんの場合、会社のフェーズにより広報の役割を「採用広報」から「社内広報」、「サービス広報」へと変身していっているケースもあります。まさにキャディの浅野さんがひとり広報の鏡なのではと、こっそり尊敬しております🙏
現にはまだ自身も、この1年間を振り返ると「採用広報」に始まり、5周年イベントをリードした「社内広報」、一瞬マーケティングと共に「サービス広報」になったと思えば、今はAcompanyのブランディングの確立のため「コーポレート広報」を名乗っています。
その時々で会社が抱える最大イシューは変わっていきます。この変わりまくるイシューに対して、「広報」という軸を持って挑むべきです(懺悔しつつ)。
②会社(経営陣)が広報に求める一定期間の成果と、広報側が貢献可能な成果にギャップが発生している
広報は種まきしてから芽が出るまで早くて半年、1年なんてざらです。実体験ですが、1年も前に採用広報で書いた弊社R&Dメンバーを紹介した記事が良い味を出し、採用に繋がったとか繋がっていないとかいう話を聞きました。
やはり、広報が定められた期間で、かつ定量的な目標を追ってしまうことは、ドーハの悲劇よりも悲惨です。数字を追うのではなく、広報と経営が歩み寄り「どこまで行ってもアラインが取れている、すり合わせし続ける」(木村 彰秀 | LayerX | PR)ことがマストです。
広報は「広報は漢方薬」と表現されるように、じわじわと効果をもたらすもの(マーケティングは「西洋医学」らしい)。立ち上げ期にアクション指標としてnote本数だったり、主要メディアの掲載数を一定期間追うのは大事だなと思いつつ、なる早で脱するべきです(大事なことなので繰り返す)。
"Raise your flag."🚩
…冗談はさておき、ではどうするべきか。課題ばかりつらつら書いていると意味がないので解についても言語化を。
ひとつ解があるとすれば、旗を掲げることです。
「まずは広報としてどう会社に貢献するのか旗を立てた」。
実際に今回主事していて、𝗳𝘂𝗸𝘂𝗱𝗮 | 広報さんが旗について言及していました。事業部と採用、双方の責任者と認識をすり合わせつつ、広報としてどう貢献するのかを言語化したとのこと。
実際にもとメルカリの矢嶋さんもXで広報KPIの課題について下記のように言及されており、広報側から経営に資する旗を言語化し、擦り合わせるのが大事なんじゃないのかなあと思います。
3ヶ月後、半年後、1年後…広報機能を介してどのような状態になっていたいのか、言語化し、社長や経営陣、上長を巻き込んで旗を立てる。言語化するプロセスで、社内を巻き込むことで、少なからず広報を担っていない人も広報について意識せざるを得なくなりますし、広報担当者自身にとっても、「広報とは何か」を言語化するきっかけとなります。
弊社の宣伝になってしまいますが、Acompanyでも「2035年までに世界No.1の偉大なプライバシーテックカンパニーになる(1,000億規模の売り上げを目指す)」と旗を掲げています。
Acompanyがなぜ旗を掲げたのか気になった方は、高橋さんが自身のPodcastで語っているのでぜひ聴いてみてください!
まだまだ50人規模のスタートアップですが、共に荒波に揉まれたい方はぜひ、Acompany採用サイト覗いてみてください〜🚢
ではでは🖐️
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