東京より愛を込めて
東京に来て、5年が経ちました。
人の多さ、電車が来る間隔の早さ、家賃の高さ、、、何もかも地元とは違って、自分で選んだ場所なのに急に寂しくなって、ホームシックになったこともありました。
目的の駅に着いたのにぎゅうぎゅうの満員電車から降りることができなくて、泣きたくなった日も、地元の友達がみんなで集まって飲んでいるストーリーを見てなんでここにいるんだろうと虚しくなった日も、今ではもう笑い話になります。
今でも人混みは苦手だし、歓楽街の情報量には圧倒されるし、馴染めているかは分かりませんが、
良い意味で他人を気にせず1人でなんでもしやすいところや、その気になれば電車で海を見に行けるところ、色んなライブハウスで音楽を楽しめるところなど、好きなところもたくさんあります。
美術館や1人ホテルステイなど、自分なりの楽しみを見つけられたこともとても大きいです。
地元の友達とも定期的に会えていること、離れていても繋がっているなと感じること(オレンジレンジかな)わたしのメンタルを強くしてくれました。
東京に来なかったら今の恋人とも出会えていなかったと思うと、必然だったのかなとも思います。
そんな5年間を、帰省する電車の中でぼんやりと思い返していました。
ビルばかりの場所から、川、田んぼ、と自然豊かになっていく風景を見ていると、小さい頃はよく川遊びをしたなあとか、お父さんと釣りに行ったなあとかどんどん思い出が蘇り、
ふと気がつくと、まるでおもひでぽろぽろのタエコちゃんのように、今のわたしの隣に小さい頃のわたしが座っているような感覚になりました。
久しぶりに会う家族と近況報告をして、珍しく過去の思い出話をして、わたしの生まれた時の話にもなり、なんでか涙が出てきそうになり、堪えるのに変な顔になったのを知ってか知らずか笑われました。
今まで知らなかった話を聞いて、小さなわたしが納得したり、知ったりして、少しずつ重たかった心がふっと軽くなるような感じがしました。
過去のわたしを受け止め、慰め、安心させてあげることが、今のわたしにとって必要でした。
ずっと実家が苦手で、あまり長くいたくなかったのですが、今回は帰るギリギリまでなんだかんだ長居してしまい、少しずつ落ち着ける場所になってきているようで、ほっとしました。
東京に戻ってきて、自分の部屋で一息つき、同じく帰省している恋人と連絡をとり、家事をこなしていく。これが今のわたしの日常だと実感しました。
何年ここにいるかわからないけれど、1年後には別の場所にいるかもしれないけれど、今の家で過ごす時間を大切にしていきたい。
日々のことに追われてついつい後回しになってしまうけれど、自分の時間を大切に。
出して、整えて、また頑張りましょう。