自分を抱き締める夜も必要
とにかく心が荒んでいた1週間があった。
職場で、いつもなら気にしないことにも無性に腹が立って、つい言い返したり、嫌な言葉を使いそうになったりしたので、なんとかぐっと飲み込んでやり過ごした。
こうなるともう誰の言葉もすんなり入ってこない。
気分転換にと行ったジムでもモヤモヤが止まらず、どれだけ走ってもスッキリせず、疲労感を持ち帰っただけだった。
こういう時の対処法はいくつか持っているけれど、それすらも実行できないくらいなんだか色々ときてしまったようで、見事に体調を崩してしまった。
その時は勤務中だったけれど、このまま職場にいても使いものにならないし、定時までもたないなと判断し、引き継ぎをして早退をさせてもらい、病院に行き、家に篭る。
布団に入って目を閉じると、色んな人の顔がぐるぐる、やらなきゃいけないあれも、これも、全部浮かんできて嫌になった。
わたしの身体と心がもう限界だよ、できないよ、と訴えていたのに、「やらなきゃいけないから」「人手が足りないから」と聞かないようにしていたから。
自分に余裕がないと何もかもうまく行かないことは知っているのに。自分だけで抱え込もうとするから、こうやってあっけなく潰れてしまうのに。
でもさあ本当にできないものはできないんだよ、なんて、心の中で何人もの自分が次々やってくる。心がざわざわした時はいつもたくさんの自分が集まって、言葉を掛けてくる。
「ああすればよかったのに」「ほら言ったじゃん」誰でもないわたしがわたし自身に嘆いている。
大きな仕事が一区切りして、ホッとしたのかゆっくり眠れるようになった。
疎かにしていた生活を整えて、自分自身としっかり向き合って過ごせる時間が増えた。
25歳になって、自分の苦手なことやパターンがよく分かるようになってきているように思う。以前はそれが分からなくて、なんだかずっと生きづらいなとぼんやり思いながら過ごしていた。友達や知り合いの人から誘われるのを断れなかったり、わざわざ人混みに出かけて行ったり、、、
自分がどんなことでしんどくなってしまうのか、どんな方法で心が落ち着くのかを知っておくことはとても大切だと思う。
そのおかげか、学生の頃よりも随分と過ごしやすくなってきたと思う。そして、少しずつ自分を好きになれている気がする。
25歳にして、やっと自分を大切にできるようになってきた。
わたしを救ってくれる好きなものや好きな人たちはたくさんいるけれど、深い深い、どん底まで落ちてしまったとき、本当にわたしを救えるのはわたし自身しかいない。
だからこそ、わたしが1番自分を理解して、守って、大切にしていきたい。
感じたこと、良いことも悪いことも、全部。
そして、大好きな人たちを丸ごと包んであげられるような、大きな愛を持てる人になりたい。