書評:『チャリング・クロス街84番地』
まさかの本日3記事目。(どんだけ溜めているの)
今回は感想を書き始める前に「読書」の話をすこし。
3年前は読書を意識して行っていましたが、気がつけばどんなに小さい鞄でも必ず本を入れていくことが習慣になりました。
車の中でも本を目線の高さに上げて読むと酔わないことを発見し、もはや今ではドライブにも本を持っていきます。(腕が疲れるけど)
大体は小説なのですが、最近どうも飽きてきた。いや、語弊がある気がするので説明させてください。現代文学のスラスラとした書き方とか、水とか麦茶をごくごく飲んでいる感じです。飲んだら終わり。読んだら終わり。読み返したいと思う本も限られて。
あまり本の中で立ち止まらなくなってしまったんです。というか現代小説に慣れすぎてしまったせいもあるかもしれません。自分の思考はエンジンが完全に切られていて、目の前で起こっていることをぼーっとただ眺めているような感じ。
もちろん、本の中で取り上げているテーマに興味を持ったりして、「何かを知るきっかけ」にはなるんです。でも私はいつもそこ止まりで、自分から進んで踏み入れようとしない、へえ、そんなものがあるんだ、というだけで終わってしまう。
だから、たまにノンフィクションとかを読むと、実際にこの世界にいる人が体験したものであるから、グッと引き寄せられるというか、生々しい葛藤がジーンと伝わってきます。
あとは歴史もの。滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」は、昔の書き方なんですが、物凄い臨場感があるんです。フィクションなのに。昔の暮らしは体験していないからこそより想像力豊かに楽しめるのかもしれません。
そんなこんなで現代小説が嫌いになったわけではないんですが、より自分の読書スタイルを極めていくために、これからはちょっと読む路線を変えたいな〜なんて思ったりもしています。
ま、まだまだ買った小説が山ほどあるんですけどね。
前置きが長くなってしまいました。
今回の本はSNSのどこかで見かけてつい気になってスクリーンショットしたもの。誰のご紹介だったかはすみません、分かりません!
私が読んだものはこの増補版ではなく1980年に出たものを図書館で借りました。(本の裏表紙を見ると、定価420円とびっくりするほど安い。)
ニューヨークの地下アパートに住む女性脚本家が、イギリスにある小さい古書店に向けて出した手紙から始まります。そしてその古書店との20年にも渡る手紙のやりとりが書かれています。
その女性は新刊を読まない方で、かなりマニアックな本をお求めになるのですが、イギリスの古書店は女性のお眼鏡にかなうような本を送ってきたりするのです。この季節はこれが読みたくなるからこれを送ってちょーだい、とか、この人のならなんでも良いわ、とか、もう後半は完全に信頼しきっているところが読んでいるこちらもつい微笑んでしまう。
彼らは本のことだけでなく、日々の暮らしのことについても手紙に綴るんですが、なんと顧客である女性が古書店に大量の肉や卵を送りつけたりします。インターネットが当たり前の今では考えられないかもしれませんが、本を愛してやまない彼らだからこそ成り立つ関係だろうと思います。
よくある展開が恋仲とかだと思うのですが、これはもうただただ本が好きという共通点で繋がった友情です。
私もこんな世界があったら飛び込みたい、、、。
脚本家の女性はかなりサッパリした性格のようですが、優しい人柄も垣間見えてとても可愛らしい。マニアックな選書も、どれも読んだことがないのでいつか読んでみたいな〜。
きっと世界のどこかに同じことを思ってる人がいるかもしれないので、時間のある時に出てきた本一覧を作ってみよう。
本好きのための本、とかって書いてある帯?をどこかでみたことがあるのですが、まさに。本が好きな人は心がじんわりとしてくるはず。
よかったら読んでみてくださいね。
では。
今日のnegoto:「前置き、長すぎでは?」