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「エスカレーション・オブ・コミットメント」って何?

交渉の心理テクニック!

「エスカレーション・オブ・コミットメント」って、ちょっと難しそうな言葉。

ビジネスで、とても有効な心理テクニックなんですが、実は日常でもよくあることなんです。

簡単に言うと、

「ここまでやったんだから、今さら引き返せない!」って思っちゃうヤツです。

例えば、こんな経験は誰にでも一度はないですか?

  • 映画を見始めたけど、全然面白くない。でも、途中でやめるのももったいないから、最後まで見ちゃう。

  • ちょっと高めのレストランに行って、味はイマイチだったけど、「せっかくお金払ったし…」って無理して食べる。

  • オンラインゲームに課金してしまったら、「ここまでお金かけたんだから、やめるのは損だ!」って思って続けちゃう。

これがまさに 「エスカレーション・オブ・コミットメント」 !

「一度決めたことを後戻りせず続けたくなる」っていう、人間の心理です。


交渉やビジネスでどう活用できる?

この心理を知っていると、交渉やビジネスの場面でうまく活かせます。

 交渉の場で使う!

交渉相手が「すでに多くの時間やお金を使っている」ときは、その状況をうまく利用して、有利に話を進めることができます。

たとえば…
「まずは試しに小さく始めてみませんか?」と提案すると、相手がそのプロジェクトに少しでも時間やリソースを使い始めます。その時点で、他の選択肢が一旦、排除されます。

さらに、「せっかくここまでやったんだから、続けたほうが…」と思うようになり、本格的な活動につながりやすくなります。

長引く交渉も武器になる!
「ここでやめるのはもったいない…」と感じると、交渉をまとめやすくなることもある。


 ビジネス戦略で使う!

企業でもこの心理を活用している例はたくさんあります。

無料トライアル戦略
「最初の1ヶ月無料!」と言われると、気軽に試しますよね。でも、そのサービスを使い始めると、いつの間にか続けている場合も多いのでは?

ステップアップ式の契約
小さな取引から始めて、徐々に関係を深めていく戦略です。一度導入すると、「今さら他の会社に切り替えるのは面倒だな…」と感じて、そのまま長期契約になりやすい。


この心理にハマると危険!?

この「エスカレーション・オブ・コミットメント」、相手に使うと交渉が有利になりますが、自分がハマると逆に危険です!

たとえば…
😩 ダメなプロジェクトに固執してしまう
「もう〇〇円も投資したし、今さらやめるのはもったいない!」って考えて、赤字のプロジェクトを続けてしまう。

😩 無駄な時間を使ってしまう
「ここまで準備したんだから、もうちょっと頑張ろう…」とズルズル続けて、結局時間だけムダにしてしまう。

この心理に引っ張られないためには、結構な強い意志が必要、

かもしれませんが、それで抗える人は普通じゃない立派な人、と思います。

そうじゃなくて、次のことを意識するだけで、この心理の罠にはまらなくて済むかもです。

🤞「この条件になったら撤退する」と、最初から決めておく!
🤞「第三者の意見」も、聞いてみる!
🤞「過去の投資」より「これからのリターン」で考える!

ビジネス的な言い方をすれば、次のようになります。

エスカレーション・オブ・コミットメントの回避策

このバイアスは自分自身にも働くため、誤った意思決定を防ぐためには以下の対策が必要です。

  1. 事前に「撤退基準」を決める

    • 「この条件に達しなかったら撤退する」と明確な指標を設ける。

  2. 第三者の意見を取り入れる

    • 客観的な視点で判断するために、外部の専門家や他部署の意見を求める。

  3. データに基づく意思決定を行う

    • 「過去の投資額」ではなく、「今後の期待リターン」に基づいて意思決定を行う。


まとめると:

「エスカレーション・オブ・コミットメント」は、うまく使えば交渉やビジネスで有利になるけど、自分がハマると判断ミスの原因にもなる諸刃の剣。

交渉では、相手に「もうここまで来たんだから、やめるのはもったいない」と思わせるのがポイント!

でも、逆に自分がそうならないように、冷静に判断することも大事ですね。






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