助動詞canの風味(2022/8/15)
I can show you the world.
みなさんは
これが何の歌の歌い出しか
分かりますか?
正解は「A whole new world」です。
ディズニーの映画やミュージカルで
お馴染みの曲ですよね。
私も好きな曲で
今までいろいろな方と
歌わせて頂きました。
この歌い出し
すごく面白いなあと
思うんですよね。
何が面白いのかというと・・・
I can show you the world.
という歌詞の中の
can
です。
「can」の意味は
皆さんご存知だと思います。
アルクの英辞郎 on the webによると
can
1助動
1.〔可能性を表して〕~できる、~しようと思えばできる、~する能力がある
・There are things people can do and things they can't. : 誰だってできることとできないことがある。
・You can do it. : 絶対できますよ。/あと一息。/頑張れ。◆【場面】困難に立ち向かっている人・これから立ち向かう人を励ます。
・I can't not sing. : 私は歌わずにはいられない。◆can'tに動詞の否定が続く二重否定
2.〔推量を表して〕~する可能性がある、~することがあり得る、~する[になる]ことがある、~しない[にならない]とも限らない
・Can the rumor be true? : そのうわさは本当だろうか?
・Smoking can cause cancer. : 喫煙はがんを引き起こす可能性がある。
3.〔否定形のcan'tまたはcannotで〕~のはずがない◆must(~に違いない)と対比される
・He can't have done it by himself. : 彼が一人でそれをやれたはずがない。
・She can't be working at this hour! : 彼女がこんな時間帯まで働いているはずがないだろ。
・That can't be (true). : そんなはずはありません。/そんなばかな。/そんなことはあり得ない。
4.〔許可を表して〕~して(も)よい、~しても差し支えない◆mayより口語的な響きを伴う
・Mum, can I make a phone call? : お母さん、電話してもいい?
・You can't say anything about it. : そのことについて何も言ってはいけないよ。◆must notよりも軽い禁止
・You can't treat me like a child. : 私を子ども扱いしないで。
・"We can't do that." "Yes, we can." : 「私たちがそんなことしたらまずいですよ」「大丈夫だって」
・"You bastard! I'll kill you!" "No, you can't!" : 「この野郎、殺してやる」「やめてー」
5.〔依頼を表して〕~してくれないか◆【用法】「Can you ~?」の形をとり、口語的な響きを伴う
・Can you wash the dishes? : 皿を洗ってくれないかな。
6.〔提案・命令を表して〕~してはどうか◆【注意】時に皮肉めいた響きを伴う◆【用法】通例、二人称を主語として
・You can do it tomorrow, May. : メイ、そんなもん明日やったらどうだい。
・You can leave. : 帰っていいぞ。
・You can wait and see how things go. : 成り行きを見守っていなさい。
7.〔不平を表して〕~してもいいではないか
・You can spare another few minutes. : もう数分ぐらい時間を割いてくれてもよさそうなものなのに。
めっちゃ多いですね・・・(^^;)
(なぜ意味が多いのかは別の記事で)
今回の「can」の意味としては
1.~できる、~しようと思えばできる、~する能力がある
になると思います。
つまり日本語に訳すと
I can show you the world.
「私はあなたに世界を見せることができる」
みたいになりますよね。
この歌が歌われる場面を
みなさんご存知だと思います。
魔法のじゅうたんが出てきて
アラジンとジャスミンが
そのじゅうたんに乗って・・・。
みたいなシーンですよね。
そのシーンの中で
「A whole new world」が歌われて
「I can show you the world」と
アラジンが歌い出すわけです。
大変ロマンティックなシーンです。
そのシーンを彩っているのが
助動詞の「can」だ!
といったら
雰囲気を壊してしまう気がするのですが・・・。
でもこの場面では
「can」以外はありえないんです。
マニアックですね・・・(^^;)
その理由を
他の助動詞を使って
説明します。
例えば「will」を使うと
I will show you the world.
なんか「後回し」に
されている感じがします(笑)
(多分見せてくれない・・・)
「must」を使うと
I must show you the world.
急いでますね(笑)
ちょっと強迫観念に駆られた感じがして
余裕のないアラジンですね。
「should」を使うと
I should show you the world.
意味不明ですね(笑)
ちょっと怖い感じもするので
多分ジャスミンはじゅうたんに乗らないと思います。
といった感じになります。
こういう風にみると
「can」が一番しっくりくるということが
分かると思います。
(個人的には「must」の例がツボです(笑))
I can show you the world.
という1文から
私が感じ取れることは
「僕にはできるよ」という自信
前向きさ、積極性
若さ、子供っぽさ、無邪気さ
頼れる雰囲気(「怖くないよ」みたいな)
などなどです。
ここに挙げた言葉は
恐らくこのシーンのアラジンを
端的に表しているのではと
思います。
そしておそらく「can」でないと
ジャスミンもじゅうたんに
乗らなかったでしょうし
その後のストーリー展開も
変わってしまっていたのではと
思います。
だからこそ
I can show you the world.
という歌詞に
なったのだと思います。
「can」は
前向きで明るい単語だと思います。
そしていい意味で
子供っぽさを表すことができる
単語だと思います。
(「お母さん、見て見て!」みたいな雰囲気)
今回は「I can」の表現ですが
「You can」であれば勇気を与えたり
「We can」であれば集団の結びつきを
強めることができる力を持つのが
「can」なのではないでしょうか。
是非「can」を使うときは
アラジンになったつもりで
自信満々に使ってみては
いかがでしょうか。
ねぎ