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2種類の笑い

バイト先の社員が少し客にクレームを入れられただけで行き場のない負の感情を大声で吐き出していた。

それを見て怯えている女子高生バイト、「大丈夫だよ」と声をかける大学院に通う先輩、何があったんですか?と執拗に聞いてくる後輩、みんながバックヤードで溜まって話をしていた。
クレームを入れられるきっかけになった30過ぎの仕事があまりできないパートさん、一人黙って前のカウンターを磨いていた。

その様子を横目にポップコーンマシーンの清掃をする。

すごく居心地の悪い空間だった。

正直言って誰のせいでとか、あの人は仕事ができないからとか、僕はどうでもいい。

それをネタに友人と酒を飲む事はあるが正直そこまで気にしていないし、本当に心の底から思っているわけではない。

しかし今日のバックヤードの会話はその人悪口を裏でコソコソと言っているのが丸分かりの雰囲気だった。

もちろんパートさんも気付いていただろう。

「運悪かったっすね」と一言声を掛けた。

「まぁねー、でも私が悪いからねー笑」と笑いながら必死に明るく振る舞うパートさん。

裏のバックヤードからは嫌な笑い声が聞こえてくる。

その2つの笑い声を対比した時言葉では表現できないようなもどかしさで胸がいっぱいになった。

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