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no.8:海外生活の閉幕は「夫源病」でした

海外で長く生活をしていた50歳主婦です。
家族はまだ海外生活を続投中です。


昨月、日本に帰国し今は派遣でお勤めを始めました。
20年ぶりの満員電車はスマホとワイヤレスイヤホンのお蔭で、交響曲1曲で乗り越えられます。


深刻だった夫源病

ヨーロッパ、中東、東南アジア、オセアニアで生活をしていました。
中世の素晴らしい建築物、砂漠、大都会のコンクリートジャングル、手付かずのビーチなどなど、様々な国で生活をしてきました。
しかし景色が様変わりしても、私たち家族の生活は日本のリビングルームから、壁紙が変わっただけのような生活でした。

私は何とか閉塞感から抜け出したくて、車を走らせて国境を越えて隣の国へ行ったり、観光案内のようなブログを作ってその更新のために、街歩きに勤しんだりしていました。
その土地の語学を学び、お店の人と会話で使ってみて毎日ひとりは知り合いが街の中に増えていくような感じで、日本よりも海外生活の自由度に惚れ込んでいました。


幼稚な夫


夫は愚痴が多い人です。
結婚当初からです。
日本では満員電車の中からテキストメッセージで愚痴を私に伝えてきます。

「隣のオバサンがカバンをズーっと漁ってて腕がぶつかってムカつく」
「隣のヤツが脚を広げて鬱陶しい」とかね。
こういうテキストが毎日。

私は夫の勤務先の部署内の人々の特徴を全員把握していました。
だって、毎日、毎日課内の人の悪口を言うんだもん。
晩酌で酔っぱらうと、

「〇〇さんがいると安心するんだよな~」なんて課内の女性にベロベロの様子をポロっと話したりします。

(あ、スキなんだな・・・奥さんに言わなくて良いのに)

でもジェラシーなんて1ミリもありません。
メタ的にしか夫を見れません。
「この男、興味ある女のことを奥さんに話す幼稚なヤツ」


海外で壊れました

だんだん年を取るので、夫もポジションが高くなり人を束ねるようになっていきました。さらに愚痴はエスカレートします。

海外生活は時に閉塞感です。
東京の大組織から小さな出店の海外では、人数が少なくなり現地の職員も混じり、夫は従わない部下に毎日ストレスを抱えていました。彼は自分の意見にオブジェクションする人間をとても嫌います。

夫は土日一歩も外に出ず、
「仕事だから」と言って自室でPCに向かい、午後からお酒をたらふく飲んで、昼寝を長時間した挙句、夜は眠れず「不眠症だ」と言って薬を飲みます。

世界遺産が目の前にあっても観光に訪れる事もなく、住んでいる街の歴史を調べる事もありません。
結婚生活15年、土日は職場でのストレスで動けなくなっていて、子どもの学校のイベントに出たことはありません。

「週末、家族で小旅行しよう」など誘っても、
「悪いけど、無理」と言います。

愚痴を私に毎日のように話しメールをしてくるので、

「もう私に愚痴を言うのは止めて、こっちもおかしくなるよ」

とラインをしたところ、夫の返事が、

「お願いだから我慢、我慢で聞いてくれ」

との返信ライン。
絶望しました。

そのうち、
家族の送迎やら買い物の運転で、気力体力的にも疲れ切っていた私は午後3時くらいになると体調がすぐれなくなってきました。

最終送迎である夫のピックが終わり、夕飯の片づけを済ませ、私は夜7時には自室に閉じこもり、お手洗いとシャワーを浴びる以外は部屋に引きこもり一切家族と顔を合わせなくなりました。

そうせずにはいられませんでした。
頭痛と落ち込みがひどくて、夫をマトモに直視したことが数年はありませんでした。彼がご飯を食べる時は咀嚼音で具合が悪くなるので、自室に引きこもりマフを装着していました。バス、トイレも別々です。


この世から消える事しか考えていなかった

3ヶ月前から「夫源病なのかも」と症状に気づきました。
上沼恵美子さんの話をネットで読んでから、自分も大いに当てはまっていることに「病気だと判断して良いんだ」と思いました。
もう、この世から消える事だけを毎日、毎日考えていました。


全員は出来ないけど。。。

皆が皆、事情があって夫婦の別居が出来ないのは100%痛いほど!重々承知しています。私も子どもを置いて、ストレスフルな夫を残して帰国したらどうなるだろう・・・と心配で泣きながら暮らしていました。
けど、夫源病で苦しんでいる奥さんたちにもし自由になれるチャンスがあったら2週間でも、半年でも、1年でも、一人で暮らしてみて下さい!
症状は回復し、夫とのパートナーシップを見つめ直すことができます。

我が家の場合、
高校生の子どもは友達と居るのが毎日楽しくてたまらないらしいので、お父さん(夫)を無視。
夫は夫で、食事の準備というミッションは出来たようですが、大型スーパーが隣にあるホテルタイプの住まいに移ったので部屋の清掃等はスタッフにお任せです。
食事は野菜とお肉たっぷりのキムチ鍋に〆はウドンが多いらしいく、納豆もよく食べているそうです。
実は私はキムチと納豆が好きでは無いので、
食生活からうかがえることは、夫は心底私が居ない事をエンジョイしています。

今でも夫は私に愚痴をメールしてきます。
けど、
私は受け入れができるようになりました。
親身になって返事ができるようになりました。
肩こり、頭痛、吐き気、倦怠感、毎日すすり泣く、消え去りたい。。。など鬱の症状が無くなり、久しぶりに心が軽くなりました。


夫もフキハラ被害者


お互い離れて良かったと思っています。
夫も私の不機嫌な顔を見なくなってせいせいしていると思います。
世の中のお父さんたちは、かなりの確率で奥さんからの不機嫌ハラスメントの被害者になっていますから。

勿論、私も夫から深いため息をつかれて傷つくことがしばしばで、私も大いにフキハラ被害者でした。


自分軸で生きる事を選択

このnoteは来年「51歳になる私」に贈るために毎日投稿していますが、来年はこの家族の形はまた変化していると思います。

けど、全く後悔していない事は、自分軸で生きる事を選択した事です。

平日は仕事をして、給料を貰い納税者となり、ペットの世話をして、自宅を奇麗にして質素に生活をする。
週末はピアノを弾き、月に2回はピアニストから指導をしてもらい帰り道にたまにケーキを食べる。。。ことくらいは唯一の贅沢。

ピスタチオ味のケーキ

独りの生活は寂しさもありますが、通勤で毎日忙しくしているので家族を思って悲しくてやりきれない事は全くありません。

今は後悔していないと上述しましたが、
思い切って家族と別居をして夫源病を克服したという大き過ぎるステップを、今後悔やむことが来るかもしれません。
けど、今は考える余裕はないのでこのまま淡々と51歳になる日まで進む事しかありません。


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