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4年目のぬか床
コロナ禍に在宅勤務になった家人が、「ていねいな暮らし」にでも憧れたのか、突然ぬか漬けをはじめた。2021年夏ぐらいだったか。
ネットであれこれ知識を仕入れ、琺瑯容器にぬか床を仕込んだは良いものの、半年くらいでまんまと放棄。かわいそうに…実は、あえて口出しはせず見守ってきたけど、運用中も雑な扱いがずっと気になっていた。
こっちで面倒みるよ、と引き取って水抜きしたり足し糠したり、せっせとかき混ぜ半月ばかり介抱してやったところ、自分がぬか床だということを思いだしたか、やっと馴染みのある手触りとにおいが戻ってきました。
そう、何を隠そう私はおばあちゃん子。ぬか床の扱いは子どもの頃から叩き込まれていたのだよ。
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「ぬか味噌くさい」という言葉があるけど、調子のよいぬか床は、実はあまりにおいが立たない、と思う。もちろんかき混ぜてる間はぬか独特の発酵臭は漂うものの、全然いやな匂いはしない。くさいと感じるのは、何らかの問題が発生している時です。
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家人からぬか床を引き継いで4年が過ぎた。「ぬかのすけ」と名づけ、世話を続けている。
真夏以外は台所の片隅に置き、常温で問題なし。猛暑の時期は流石に朝晩2度かき混ぜても怪しげだったので、冷蔵庫に避暑させましたが。
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ぬか漬けを美味しくするコツは、「余計なことしない」、これに尽きる。
ぬか床が必要以上に弛まないように、時々ぬかや塩を足しながら、毎日よくかき混ぜるだけ。
それと、表面は丁寧に均す。中の空気を抜くようによく押さえて平らにし、容器の内側についたぬかはきれいに拭って残さない。
これを雑にしてると、そこから悪くなるから、混ぜたあとは必ず拭き取るように、と祖母から言われ続けた。
ネット上のぬか漬け指南では、ここへの言及はあまり見かけないので、あえて記しておきます。
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ぬか床に混ぜるのは、ぬかと塩、時々昆布、しいたけ、唐辛子のみ。お茶っ葉とか山椒の実とかも見かけるけど、まあ好みで。でも、余計なもの入れないほうが失敗しないし、結局美味しい気がするよ。
昆布は出汁とったあとのを入れたり、ぬか床の水分が気になるようなら乾物の状態でいれて吸わせたり。これはしいたけも同様。
しばし漬け込んで、爪で押したら裂けるくらい柔らかくなった昆布は、取り出し刻んで食べても美味しい。
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ビニール袋で漬けて冷蔵庫で保存するキットみたいなのもあるけど、あれは逆に難しいと思う。浅漬けならともかく、ぬか漬けの場合は混ぜづらいしすぐ水分がたまる。少量漬けるだけであっても、ビニール袋より小さな容器で漬けるほうが簡単なはず。
それに、冷蔵庫で保管するぬか床って冷たくて、手をつっこむのもためらうし、発酵進むのも遅い。
まあ、ここまで言っといてなんだけど、やり方は人それぞれです。正解はないし好きにすればよろし。
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おまけ。
祖母がたまに作ってくれたのが、いわしや鯖をぬかみそで炊く、その名もずばり「ぬか炊き」という料理だった。
九州の郷土料理で、栃木出身の母は、はじめてみた時ショックうけたらしい。
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