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『道楽と職業』夏目漱石

人はどうして仕事に対して悩み続けるのだろう。

自分がやりたい仕事は何なのかとか、
この仕事を選択することで幸せに生きられるのかとか。

『道楽と職業』を読んで、そういう悩みをとってもシンプルに解決してくれる言葉に出会えた。

…職業というものは要するに人のためにするものだという事に、どうしても根本義を置かなければなりません。人のためにする結果が己のためになるのだから、元はどうしても他人本位である。

『道楽と職業』夏目漱石

これを読んで、私が自分の幸せばかり考えていたことに気づかされた。

人のために働く。こんなに基本的なことを忘れていた。

仕事なんてそもそも人のためにするものなんだから、キャリアの中で自己実現なんてしなくて良い。

「やりたい事をしろ」とか「自分らしく」とか、選択肢が増えて自由な世の中になったように見えるけど

自分の人生における選択ミスが全部自分に返ってくる、責任の重い世界になっているだけなのかも。

自分の幸せのために働くよりも、人の役に立つために働く方がずっと楽。

自分を輝かせるために一生懸命になるよりも、流れに身を任せて生きても良い気がする。


…元来文学上の書物は専門的な述作ではない、多く一般の人間に共通な点について批評なり叙述なり試みた者であるから、(中略)吾人が人間として相互に結びつくためには最も立派で最も弊の少ない機関だと思われるのです。

『道楽と職業』 

やっぱり読書は偉大。
読書は人とのコミュニケーション。

ここ数年「こういう人になりたい」と憧れる人がみんな読書を沢山している事に気が付いて、自分も少しずつ本に触れる機会を増やすようにしてる。

読書をする人は、物事を現実的に見ることが出来る人が多い。そして中立に立てる人も多い気がする。

やっぱり人は想像力がすべてだと思う。

自分が想像できなかったり知らない事に対して、受け入れる姿勢を持つ事は絶対にできない。

不幸を感じられることはもしかしたらラッキーなのかもしれない。その分誰かに優しくできる。

もっと沢山の感情を知るために本を読もう。

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