INFJが紹介 ENFPのサイコパス性を描ききった作品が完結「 私の胎の中の化け物」MBTIユング心理学タイプ論
お気に入りの作品が完結したのですが、最終回自体はあっさりした描写で、淡々とフェードアウト。
だが、ここまで克明にサイコパスを描ききった作品はかつてあっただろうか(反語)
優等生の主人公神城千夏が1話から覚醒して、あとは最終回まで本音をダダ漏れで、衝動のままに周囲のなにかを壊しまくるだけという。
思いついた「破壊のビジョンの実現」にだけ執着し、他のことは全て些事と切り捨てる。そして、それを他人をコントロールして実現させようとする態度はチャールズ・マンソンそのもので、ここまで見事にシリアル・キラーの内面を描いた作品はちょっとない。
「 私の胎の中の化け物」同様に要注目の作品は「シリアルキラーランド」で、こっちもシリアルキラーの内面の描写が凄まじく説得力がある。
是非、一読を。
全然関係ないけど、復讐者の内面は「無限の住人」がベストかも。
復讐と言えば、「らーめん再遊記」も芹沢達也の名言も見逃せない。
これこれ
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と少しそれたが、話をサイコパスに戻すと、以下の図を見て欲しい。
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ENFPのサイコパスの心理の動きはこう。
外向直観Neで見つけた可能性を、内向感情Fiで強烈に執着し、内向感覚Siでしっかりと手応えを感じ、外向思考Teで実現に持っていく。
ポイントは、内面を司る機能がFiとSiであること。
であるが故に、自身を疑うことがなく、他者のことを慮る必要性を排除し、ビジョンの実現に異常なまでに邁進する。
ここに善悪の概念は介入する余地がない(善悪を感じるFeやSeがないのだから、彼ら彼女らの内面に善悪は排除されやすい)のであるからこそ、ENFP、INFP、ISTJ、ESTJの4タイプをサイコパスグループと呼んでグルーピングをしている。
そして、主人公神城千夏の場合は「破壊」というビジョンを引き当ててしまい、そのビジョンの実現に向けて、邁進する。
ここに邪念はなく、ただただ持っていたビジョンのベクトルが「悪性」に向いていただけである。
そこに、悪気も邪気もなく、あるのは快感と探究心のみである。
1話までは否定して生きていたが、ふとしたことがきっかけで発露し、以後は最終回まで、実に素直に実に無邪気に「破壊」のビジョンを探し求め、追求し、実現に向けて邁進する、を繰り返していく。
そして、誰ともビジョンが共有できないと理解した最終回に、神城千夏は去っていき、フェードアウトして、神城千夏は完結後も「破壊」を繰り返すのであろうと思わせるラストで締めくくる。
この作品の描写の説得力は異常なレベルで、神城千夏の「ビジョンを実現できた時の恍惚の表情と台詞」と「ビジョンを実現できなかったり、共有できなかった時の白けた表情と台詞」の数々は、あまりにも「通常人の感性が欠落していて」背筋が寒くなる人もいるのではないだろうか。
これぞサイコパスである。
このように、「 私の胎の中の化け物」はMBTIユング心理学的視点からも興味深い作品なので、興味持たれた方は是非一読してみてはいかがでしょうか。
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