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INFJが発動「塾講バイトで王佐の才」MBTI
なんとか念願だった塾講の仕事を紹介してもらって、面接に三つほど行くことに。
一つ目は大手。小中高全カテゴリーやっていて、マニュアル通りにやる感じ。中学受験の実績を語ったら、驚かれて、決まりっぽかった。週に一回っぽいけど、まあ、時給はけっこうよいので、当初はここでいいかなと思っていた。
二つ目は中規模チェーン。馬鹿向けのマニュアル通りって感じで、ちょっとこれは合わないかなと。一つ目が気に入っていたので、その場で、断りを入れた。
三つ目は個人規模の零細で、いわゆる地元の名物塾長(50代半ば)が少人数の子どもたちを相手に面倒見よくやってく感じで、高校受験と大学受験がメインのとこ。保護者からの要望もあり、中学受験をやってみたいとかで、中学受験の成功者の自分が気になったとか。やはり、話題は中学受験の実績に
ENFJ塾長「君、あいつの後輩だって言うから、レベル高い学校通ってるとは思ってたけど、更に上の、うちの県のM中学も受かってるんだね。他県の超高難易度の中学も受かってるし、うーん、これはうちは無理かなー」
俺「雇ってもらえないっすかー。残念」
ENFJ塾長「いや、逆。断られるかなって。君、他にも受けてるでしょ」
俺「あー、まあ。でも、ここの雰囲気いいなーって思ってて、条件次第じゃここいいなーって」
ENFJ塾長「じゃあ、無理かな。大手ほどは時給出せないし」
俺「条件ってお金じゃなくて、なにやらせてもらえるかですよ。時給より経験を重視してますので」
ENFJ塾長「君にやってもらいたいのは中学受験のコースをやってもらいたいんだよね。うちはそこやってないし、僕は僕で中学受験の経験ないし」
俺「んじゃ、早速でも授業させてもらっていいですか。それで決めましょうよ」
ENFJ塾長「ええ、いつ、どこで?」
俺「今、ここで、塾長さん相手に。塾長さん、未経験でしょ。ちょうどいいっす」
ってことで、塾長が苦手だという中学受験の算数と理科の授業をその場でしてみた。まあ、こんなのは、小学校の頃に、あの二人相手にさんざしてたし、塾でも説明させられてたから、慣れたものであるわけで。てか、サッカーでもいろんなやつら相手にいろいろ説明してたなーって。
二問ほど解説が終わったら、塾長が驚いた顔して
ENFJ塾長「今日さ、6年生の子らが来るから早速、授業してみないかい? 反応を試してみたいよ。もちろん時給は出すよ」
ってことなんで、早速、高校受験準備コースの6年生相手にやったら、ここの塾の生徒って頭自体はそんなにいいわけじゃないが、塾長の人柄もあってか、真面目で素直な子ばっかで、思ったより飲み込みがいい。なにより、自分がやるやり方をきちんと板書し、実践しようとする。だから、わからないと何回でも似たような問題を作っては解かすを繰り返してもいいかなと。まあ、あの頃の一生懸命解こうとする、あの二人を思い出した。
ということで、バイトはここで決まり。塾長も大喜びで、週3日のシフトを任せてもらえたが、大手の方も1日入れときたかったので、2日にしてもらった。
一ヶ月後、小学生の模試の結果がバグる。全員、順位が跳ね上がる。ちいかわINFJ見てたから、別に普通でしょって思ってたら、塾長も、保護者も大騒ぎで
保護者「これなら、いいとこ受かりそうなんで、中学受験しようかと思うんですが、ここでしっかりと受験指導してもらえますか?」
ENFJ塾長「うちは中学受験の経験ないから自信がないんですよね。よかったら、知り合いのとこを…」
俺「大丈夫っすよ。俺、M中学受かってるんで、大体、なにすれば受かるかわかりますよ。あと、親が塾経営してますし、中学受験のノウハウは親父に聞けばなんとかなります(←保護者を納得させるための嘘)」
保護者「えっ? M中学受かってるんですか?」
俺「他にもいろいろ受かってますよいろいろー」
保護者「えええー? ならなおさら子供も先生好いてますし、ここで先生にお願いしたいです」
ENFJ塾長「じゃあ、やってみますね。お値段は据え置きでいいですよ」
って感じで、急遽、秋から中学受験のコースになったとさ。とはいえ、のんびりとじっくり基礎固めを優先して。と同時に献策。
俺「塾長ー、広告かなんか出せないですか?」
ENFJ塾長「ああ、そろそろ時期だよね。どうしたの?」
俺「ごにょごにょー」
ENFJ塾長「そんなことあるの?」
この献策で、塾生が一気に増える。
内容は「大手の塾で成績不振の子が小中規模の塾で指導すると伸びるケースがあります。ぜひ、うちを検討してはいかが」って内容。これ、親父の塾でそういうケースを聞いてたから、効果あるかなって思ったけど、コース開始の滑り出しとしては上々の集まり。
ENFJ塾長「生徒いっぱい増えたから、さすがに君の時給を上げないとね。このままじゃ大手に引き抜かれそうだし…」
ってことで、時給アップ。金銭面の評価をもらっていろいろと思うこともあり、いろいろとこれが人生の選択につながったとも言える。お金大事😉ふふふ
結局、この年は中学受験大成功。合格率100%達成。もちろん、最高難度のM中学の合格者も数人。これにより、中学受験の申し込みが結構きたとか。他所の兼ね合いもあるので、値段を倍に上げるように献策。
ENFJ塾長「初年度からいきなりこんなことに」
俺「塾長、コンビニも辞めるめどがついたんで、シフト増やしてくれるでしたら、大手も辞めて、こっちで専念したいんですけど」
ENFJ塾長「続けてくれるんだ。てっきり、大手に専念するのかと思ってたよ」
俺「向こうもこれ知ってますからね、時給倍で引き抜きに来ましたよ」
ENFJ塾長「倍で断るの?」
俺「こっちのほうが面白いですもん。でも、お願いがあって、高校受験と大学受験も一部、持たせてくれないですか?」
ENFJ塾長「ああー、経験ってことだね。いいよ。でも、中学受験のほうはどうするの?」
俺「去年の経験をもとにマニュアルと解答集作っといたんで、それで俺以外でもなんとかなりますよ」
ってことで、うちのゼミ生やサークル仲間を紹介して、中学受験は算数と理科の一部だけを担当することに。そして、献策。
俺「あいつらは本来、塾講なんかできる頭じゃないから、時給はコンビニよりちょい多めくらいでいいですよ」
ENFJ塾長「君、思ったよりしたたかだね」
俺「あいつらからすれば、他より楽で、時給もいいんだから、Win-Winでしょ。あと、俺が卒業した後のことも考えて、うちの大学とコネ作っといたほうがいいかと思いまして。うちのゼミの先生、いい人なんで、そこから選べば、外れも少ないかと」
ENFJ塾長「そこまで視野に入れてるんだ…」
ってことで、彼女と別れたばっかでさらに暇になった二年目は、高校受験と大学受験の経験を積ませてもらうことに。中高一貫だったのと、大学受験真面目にやってないので、あまりに何も知らなさすぎて、まずはカリキュラムの把握から始まった。
からの、あっという間の一年間で、中学受験の合格率は若干下がって80%だったが、保護者からの信頼は揺るがずに、落ちた子は高校受験コースに編入。そもそも高校受験が目的の子達だったしで。
三年目、高校受験と大学受験コースのテコ入れをしだす。一年間、見てきて、わかったのが「どっちも英語が最重要」なんだが、塾長が優柔不断で生徒のわがままを聞きすぎて、どっちつかずのことをやってたから、受験結果がイマイチなことになってた。そこで献策。
俺「英語長文を読めるように絞り込んだカリキュラムを作りましょう」
ENFJ塾長「うーん、それはわかるんだけど、なかなか賛成してくれないんだよね。英語長文読むの嫌いな子多いし」
俺「俺の目の前で読ませればいいんですよ。1時間のうち50分英訳させて、10分で答え合わせ。あと、英単語の授業も必要ですね。どっちかしかしてないやつ、マジで多すぎ」
ENFJ塾長「なるほど、任せるよ」
一ヶ月後に早速結果が出た子が現れる。
生徒「うぎゃーーー、偏差値70になった!」
生徒「俺も偏差値20上がった!」
保護者「これなにが起こってるんです?」
ENFJ塾長「俺先生の提案なんですよね」
保護者「噂には聞いてましたが…その俺先生をうちの子の家庭教師で雇えませんか?」
俺「やだ。ここにきてくれりゃいいじゃん。俺、暇な時、ここでいろんな授業眺めてんだから、質問ありゃ、そこで聞きゃいいじゃん」
保護者「そこをなんとか」
俺「駄目です。仁義に反するんで。それって、塾長に対する背任行為に当たるんですよ」
ENFJ塾長「個別指導ならどうなの?」
俺「俺、個別嫌い。あれ効果薄い。金だけ使って、親も子も塾も満足ってやつじゃん、俺、それ嫌い」
保護者「うーん、じゃあ、このままでってことで。うちの子には先生に失礼のないように言っときますので、よろしくお願いします」
ENFJ塾長「いやー、こちらこそお願いします」
更に、一ヶ月後。
生徒「国語の偏差値が70になった」
生徒「僕も70になった」
生徒「私も」
ENFJ塾長「なにが起こってるの?」
俺「暇な時間にお喋りしてた奴らに国語の指導をしてたからじゃないかな」
ENFJ塾長「君、国語も指導できたの?」
俺「俺、現役時代の国語の偏差値80っすよ」
ENFJ塾長「ええええー、小学校の頃、国語苦手だって言ってたから、苦手なのかと思ってたよ。なんで黙ってたの?」
俺「聞かれなかったから」
ENFJ塾長「この際だから、現役時代の君の学力に関して全部教えてもらうよ」
中学受験時
算数 県内トップ
理科 県内トップ
国語 県内中の下
社会 県内上位
大学受験時
センター得点率
5科目93% 7科目86%
数学 終わってる
英語 偏差値65
国語 偏差値80
理科 終わってる
社会 偏差値80
ENFJ塾長「君、やばー。君、もっといいとこ行けたんじゃないの?」
俺「俺、センターの自己採点できなかったんですよ。だから、テキトーに母親が出願して、ここに。私立はインフルエンザにかかって受けられなかったんですね」
ENFJ塾長「この際だから、時給もっとアップするから、社会も任せていいかな?」
俺「時給はこれ以上はいいですよ。その代わり、社会で考えがあるんで、任せてもらっていいですか?」と献策
ENFJ塾長「もちろん、任せるよ」
自分が小学校の頃に作っていた中学受験と高校受験用の年表や地図と、なんとなく構想してた日本史と世界史用年表の制作に取り組んだ。一ヶ月後に完成。それを生徒に配る。その一ヶ月後、いつもの光景が(以下省略)
中学受験だけじゃなく、高校生用の英語と国語と社会も強い塾として評判になり、塾長の人柄もあって、更に結構、賑わうようになる。さらなる献策。
俺「高校の政経・倫理のコース作りましょうよ」
ENFJ塾長「えっ、君、できるの?」
俺「俺の社会の偏差値80ってこれっすよ。理系の子が数人やって欲しいって話してて」
ENFJ塾長「でも、君、時間取れるの?」
俺「多分、10時間で終わりますよ」
ENFJ塾長「えっ? そんだけで?」
俺「今年だけお試しで10時間で一万円でどうですか?」
ENFJ塾長「その値段なら生徒さんも気軽に受けられるね。じゃあ、おまかせで」
まあ、またいつもの光景が(以下略)今回は献策というか注意。
俺「そういえば、この政経・倫理は俺しかできないと思うんで、他の人に任せちゃ駄目ですよ。他は大体、マニュアル化してるんですけどね」
ENFJ塾長「まあ、今までが異常なんだって思えば、それくらいは全然オッケーだよ。むしろありがたいくらいで、時給上げなくていいの?」
俺「十分もらってますし、いっすよ。これ以上、上げると生徒減ったりしたら経営苦しくなるでしょ。時給って下げづらいもんだし」
ENFJ塾長「君、視点が完全に経営者だね。もう経営者になったことを想定してるんだね」
三年目終了。高校受験と大学受験が大成功。全ての生徒が公立高校と国公立大学に合格。また、さらなる評判を呼び(以下略)
ENFJ塾長「君さ、相談があるんだけど」
俺「なんすか?」
ENFJ塾長「うちに就職しない? まだ決まってないんでしょ。僕はそろそろ引退だし、数年後には君に経営基盤を譲ろうと思うんだけど」
俺「俺、来年からは実家の塾に入るんで、無理っす。向こうで塾手伝いながら、よその塾でバイトしようと思ってるんですよ。さらなる武者修行」
ENFJ塾長「残念だなー。君がいなくなったら、うちはどうなるんだろ?」
俺「大丈夫っすよー。うちの後輩でもできるくらいに、馬鹿向けにデチューンしたマニュアル化しときますので。その代わり、効果は若干下がりますが」
ENFJ塾長「それは助かるよ。君は本当に先の先まで考えてるんだね。すごいなー」
4年目は、別の分野には手を広げずに、引き継ぎとマニュアル化に専念する。そして、卒業と同期にここを辞めることに。最期の献策。
俺「俺のカリキュラムやマニュアルをほんのちょっとでもいじったり、軽視するやつがいたら、即クビで。これマジで大事ですよ」
ENFJ塾長「わかった。君の言う通りにやってきたから、うまく行ったんだから、そこは遵守しないといけないよね」
この四年間、別にいいことばっかじゃなかったが、塾長が人間関係のトラブルを一手に引き受けてくれたから、勉強面の仕事に専念できた。
ENFJ塾長「これ、退職金代わりにねー」
俺「えっ? こんなにいいんですか?」
ENFJ塾長「君のおかげで、だいぶ稼がせてもらったのに、君、時給アップを飲んでくれなかったから、このくらいはさせてよ」
俺「俺としても、なんの経験も実績もない自分を信じて受け入れてくれた塾長には感謝の言いようがないですよ」
ENFJ塾長「いやー、あの時、あいつの提案を聞いといて正解だったよ。あいつは本当にこれって人物しか褒めないんだよね。君、すごい気に入られてたんだよ」
と退職後も、塾長との良好な関係は継続して、なにか発見や気づきがあるたびに、報告して、マニュアルの更新を促した。ここでも献策。
数年後、塾長は引退して、他の人に経営基盤を譲ったとのこと。そして、更にその数年後、その後継経営者とやらが、うちの塾に俺を訪ねてきたとか。
後継「俺さんですね。俺さんがいた塾を今、経営してるものでして、お恥ずかしい話、今、経営がうまく言ってないので、なにか助言をと前塾長からアドバイスをいただきまして」
俺「えーと、いまさら?」
後継「どういうことですか?」
俺「あなたが引き継いだのは塾長から聞いてますけど、あそこのシステムの大半を作ったのは俺じゃん。なのに、俺に一切の挨拶がなかったよね? それがうまくいかなったからって、いまさら来るなんて都合良すぎでしょ」
後継「忙しくて、つい、忘れておりました」
俺「とりま百万。助言一つにもう百万。これが最低ラインね」
後継「そこをなんとか。前塾長の顔を立てると思って、お願いできませんか?」
俺「飯の種をただでやる馬鹿なんかいねーよ」
と追い返した。んで、すぐ塾長に連絡。
ENFJ塾長「あー、やっぱこうなったかー」
俺「あいつ、俺を舐めすぎでしょ」
ENFJ塾長「君に挨拶しとけって、うるさく言ってたんだけどね。引き継いだばかりの頃は、生徒も多くて、合格実績も良かったから、勘違いしてたんだろうね」
俺「どーせ、また塾長に泣き寝入りにくるだろうから、言っときますね。俺は、あの時作った俺のマニュアルを未だに使ってますよ。ってことは、うまくいってないのは、マニュアルを無視してるかいじってるかのどっちかです」と献策
ENFJ塾長「あのまんまなの?」
俺「ちょこちょこ修正はしてるけど、大元の部分はまったく変更してないっすよ。それで、俺は今、飯食ってますから」
って、我ながら甘すぎるなーと思いつつ、ま、自分の原点が潰れるのをほっとくわけにもいかなかったので。そのおかげか、なんとか持ち直してるみたいで、未だに、その塾は保ったままらしい。というか、塾長がバイトとして現場復帰してるとか。
ENFJ塾長「ボケ防止のためにね😊」←これも献策
この時点の塾講としての俺スペック
小学 全科目
中学 英語、国語、社会、数学
高校 英語、国語、社会
一応、偏差値70超に対応してる科目ってことね