介護日記2#97この夏ほしいもの
母があまり覚醒出来なくなって、なかなか声を聞くことが少なくなった。
朝の目覚めも悪い事が多い。
ベッド上でオムツ替えをした後ズボンを履かせる。
すぐに身体を起こしベッド上に座らせても、移乗して車椅子に座らせても目は閉じたまま。
その日は
「朝だよ。
起きて朝ごはん食べようね」
そう話しかけるとなんとか目が開いた。
珍しい。
車椅子に移乗したところで
「あ#$%$#%^℉℃‰‥‡№§£よ」
なにやらブツブツ言っている
が、残念
こちらは理解不能。
朝着せようと準備していたブラウスが、この春にイマイチな色だったけれど他によさそうな物が無くて仕方なく買ってみた、暗い変な紫色だったので、もう1枚黒地に小さな花柄のブラウスと並べて
「どっちがいい?」
と聞いてみた。
娘の私から見てもどちらも、母は気に入らないだろうと思う色合いのブラウスだったけれど、自分で選んでもらいたかったから。
母が元気な頃、淡い色やパステルピンク系を好んで着ていた記憶しか無い。
はたしてどちらを選ぶのか?
母は視線をそらし違う所を見た。
あぁやっぱり嫌なんだ〜
私は理解したが、それ以外の衣類は、着せにくい綿のものしかなく
「今度良さそうなブラウスを探しておくからこれを着て」
と、黒地に小さな花柄の物を準備して着てもらった。
ありがたいことに拒否は無い。
さてさて、それからあちこち店を回ってブラウス探しをしたのだが、夏真っ盛りのこの時期には既に売り切れてしまっているのだろう、探しているタイプのブラウスは全く見つからず、苦戦。
安くて淡いパステル調の前開きの伸びる生地で出来たブラウス、きっと売れると思うから製造して欲しい。
あった!と思って手に取ると前開きではないものばかり。
店にある前開きのブラウスは、どんよりとした暗い色合いの物ばかりだから。
そして考えた末、思い切って購入してきた。
母がきっと好きと思ってくれるであろう色合いの、Tシャツとカットソーがここにある。
前開きの大きめサイズ、伸びやすい生地を求めているのだが、目の前にあるのはただのTシャツやカットソーなので前開きではない。
これからリメイクしようと思っているのだ。
前身頃の真ん中を切って、切った端をバイアステープで処理した後ボタン付けをする。
昨年も自宅用に3着リメイクしたのできっと昨年よりも上手くできるのではなかろうか。
出来るはず。
出来て欲しい。
ミシンと手縫いを使い分けて頑張るとするか。
完成したら記事にしたいと思う。
読んで下さってありがとうございます
素敵な出会いがありますように(ハイビスカス)