【棚】007の悩みを垣間見る/日本十進分類法
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この記事は、Podcast「にゃおのリテラシーを考えるラジオ」の2023年7月24日配信の書き起こしです。
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にゃおのリテラシーを考えるラジオ
読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書と IT 時代の読み書き、そろばんを中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは 、
【棚】007の悩みを垣間見る/日本十進分類法
というものです。
日本十進分類法というもの
月曜日は自宅の本棚の話をしています。
が、今日は図書館の話をしようと思います。
図書館では本をどのように探しますか?
検索端末を使うというのがまあまあ当たり前になりましたけど、図書館好きでよく行くという方は、書架の端っこに書かれている分類を手がかりにすることが多いでしょうね。
本当に図書館好きの方は、行きつけの図書館の書架の配置は頭に入っているものでしょうけど(笑)
図書館の本には全て番号がついています。
背表紙の下あたりにラベルが付いていますよね。
好きな本を読むという目的ではなくて、調べ物をするという目的の時はこの番号を使って本を探すことがあります。
検索端末で本の場所を探すにしても、この番号がわかれば見つけることができます。
図書館全体がそういう検索システムになっているということで、この番号体系が日本十進分類法というもので定められています。
ま、そんなことは図書館好きの間では常識ですよね。
僕は本好きですが、図書館というシステムも大好きなので、初めての図書館に行ったら、まずはこの分類を頼りに書架の配置状況を確認します。
IT系の書籍の位置づけ
僕はIT系の仕事を長くやっていますから、それに関係する本を図書館で探すこともよくありました。
ただ、 変化が激しい世界なので、実際には図書館の本は役に立たないということも感じていて、
新しい情報を得るためには書店に行かざるを得ないということもよくありました。
もちろんインターネットがまだ普及していない時代のことです。
コンピューターが身近なものになると、それに関する書籍が図書館にも徐々に増えてきました。
そこでふと不思議な事態に気づきました。
図書館ではコンピューター系の本が0分類の総記に分類されていくことでした。
総記の書架は比較的無味乾燥な感じの本が並んでいるところで、図書館好きとしてはまあまあ面白いとは思うものの、読み物っぽいものはないのであまり行かない書架でもあります。
そこにコンピューター系の雑誌やムック、ライトな技術書、ビジネス書の類まで入ってどんどん膨れ上がっていくのです。
改めて0分類を調べてみると、他の分類跨がりになったり、どの分類にも属さないものがここに分類されることになるのですね。
コンピュータの、特にソフトウェアに関するものは既存の図書館の分類には当てはまるものがなかったのです。
やはり悩んでいるらしい
しかも、情報を扱うという観点で見ると、図書館全体の機能とも共通するので、このあたりは図書館の世界では問題になっていないのだろうかと思って検索してみたところ、
日本図書館協会の分類委員会のドキュメントとして情報学及び関連領域の検討案というものを見つけました。
0分類のうち、情報に関することは007情報科学という分類になります。ただ、関連する分野として5分類技術工学の中に588情報工学というものがあり、通信系では547.48データ通信というものがあります。
さらに、産業とか経営に関するものとしては、694電気通信事業というものもあるのですね。
インターネットはどこにも絡んでいますから、新しく出てくる概念をどの分類にするかは悩ましいもので、その議論が日本十進分類法の見直し検討として行われているのですね。
僕がここでよく言うITリテラシーは、図書館の中にITをどう位置づけるのかということによく似ていると思うのです。
字を読み書きするように普通に情報を扱うことができるITをまだまだ特別視しているということでしょう。
ITをなんとかして既存の図書館のシステムに取り込む過程は、図書館というシステム全体を見直すことにもつながるかもしれません。
変革の悩みの縮図
図書館という大きなシステムを変えるのは簡単ではありません。
大きな世の中の仕組みを変えていくのはさらに困難なことでしょう。
でも、変えずに暮らしていくことは残念ながらできません。
それは、我々一人ひとりが変わることを求めているのです。
僕は一人ひとりが変わるきっかけを作ることを念じながら、日々の活動をしていこうと思いました。
図書館の総記の書架はITリテラシーのことを思い起こさせるものでした。
今回は、007の悩みを垣間見る/日本十進分類法 という話をしました。
今日はここまで。
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今後配信の中で参考にしていきたいと思います。
おわりに
読書と編集では IT を特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
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この配信の書き起こしをnoteで連載しています。
今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。
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