金井 琢真 / noisycroak

サウンドデザイナー/オーディオインプリメンター。株式会社ノイジークロークにてゲームサウンド制作しています。効果音や実装についての記事を書いていきます。 http://www.noisycroak.co.jp/

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マガジン

  • ノイズなアカデミー シリーズ

    金井がノイズなアカデミーで掲載した記事をまとめています。

最近の記事

#011 空気のようなサウンド実装 - 『リターナル』を遊んで

こんにちは。ノイジークロークの金井です。 最近僕は『リターナル』というゲームを遊んでいます。高難易度なローグライクTPSというようなジャンルのゲームなのですが、何度も繰り返すうちに自分の腕が上達した気になって、死ぬたびにもう一回もう一回と辞め時を失ってついつい遊んでしまっています。 そんな『リターナル』を遊んでいるなかで、なんとなく思ったことを今回記事にしようと思いました。ちゃんとしたテーマではないので、かるく読んでくれると嬉しいです。完全に準備不足でネタ不足の裏返しのよう

    • #010 ゲームオーディオのおすすめ本

      ノイジークロークの金井です。今日はタイトル通りですがゲームオーディオの本を紹介しようと思います。 ゲームオーディオはポピュラー音楽やクラシックの勉強に比べたら、何をどう勉強していったらいいのかという筋道が立てづらいイメージが強いです。また参考書籍もかなり限られているため、知っている人から直接教えてもらうか、ネット上の情報を頼りにするしかない場合が多いのではないかと感じています。 もちろん自分で体験して咀嚼し、自分なりに解釈を行って制作に生かしてくということは重要なことだと

      • #009 環境音と『The Last of Us Part II』の雨の音

        こんにちは。ノイジークロークの金井です。今日もゲームサウンドについて書いていきたいと思います! 環境音について早速ですが、今月のテーマは環境音です。環境音といえば効果音の中でもかなり地味な部類の音なのかなと思います。 音の機能という側面から考えると、環境音は意味を持たされないことが多いので、明確な意味のあるアクション系の音やADVでの音などと比べると、重要性が低く見られてしまいがちです。(もちろん環境音にも意味を持ったものもあり、音の機能については文脈やその時々によっても

        • #008 『A Short Hike』の音楽について

          あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。昨年末は諸事情で一回連載を飛ばしてしまったのですが、改めて記事を投稿していきたいと思います。 さて新年一回目の記事ですが、昨年一番サントラを聞いたゲーム、 『A Short Hike』について記事を書いていきたいと思います。ゲーム自体は2019年に発売されたゲームで、ざっくり言うと鳥の女の子を操作して山頂を目指して島をハイキングするという、小規模なオープンワールドゲームです。 このゲームでは島のエリアによって

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        • ノイズなアカデミー シリーズ
          10本

        記事

          #007 ボイスのダッキング処理について

          こんにちは。ノイジークロークの金井です。 わかりやすく書けるような内容がさっぱり思いつかなく困り果てたため、最近気になっているダッキング処理について書いていきたいと思います。 ほぼ自分の思考整理のための記事になってしまっていますが、何らかのお役に立てば幸いです。 ダッキングとはなにかg200kgさんの偏ったDTM用語辞典によると、ダッキングとは「『身をかがめる』という意味で、メインの音声が鳴る際に他の音を絞って目立たせる事」とのことで、例えばボイスが再生されるときにBG

          #007 ボイスのダッキング処理について

          #006 レイヤーを使った制作の魅力

          前回の記事で、効果音はレイヤーで制作していくことが多いと触れましたが、今回の記事ではそのレイヤーをテーマにした記事を書いていこうと思います。 今回そのレイヤーを説明するにあたって、Ric Viers による 『The Sound Effects Bible』を引用しながら進めていこうと思います。この本は、ノイジークロークに入社したてのころに、効果音制作を学ぶために読んだ本なのですが、今思い返してもレイヤーの奥深さが感じられる魅力的な内容だったので、その内容を実例とともに解説

          #006 レイヤーを使った制作の魅力

          #005 効果音制作とサンプリングレート

          こんにちは。ノイジークロークの金井です。 今日はサンプリングレートについて記事を書いてみようと思います。 サンプリングレートサンプリングレートは様々なところで関わることが多い言葉で、最近耳にすることが多いハイレゾという言葉の定義でも、音源のサンプリングレートがどのくらいなのかという点が一つの指標として扱われていたりします。 このサンプリングレートは効果音制作だけでなく、コンポーザーや、ミキシングエンジニアの領域でも基礎的な知識なので、本当にいろいろな本や記事などで説明が行

          #005 効果音制作とサンプリングレート

          #004 炎の音

          こんにちは。ノイジークロークの金井です。 最近、僕はGhost of Tsushimaをやり始めました。まだ序盤なのですが、サウンド面でもクオリティが高くて遊んでいてすごい満足度が高いです。日本風の音も、海外の人の視点から捉えて、かっこいいと思う音に仕上げているのがすごく良いですよね。この音の方向性は思いつかなかったけど、これはこれでかっこいい!と頻繁に思いながら遊んでいます。 そんなふうに遊んでいたのですが、ふと炎の音が気になりました。 気になる炎の音気になったのは、

          #003 ループオーディオ その3

          こんにちは。ノイジークロークの金井です。 ループその3です。今月もループについてまとめていきたいと思います。 過去記事はこちらからどうぞ。 #001 ループオーディオ その1 #002 ループオーディオ その2 前回までの振り返りさて先月までの2回の連載で、ループについて解説を加え、イントロ付きループの解説とその作り方について説明を行ってきました。そこまでで一通りの内容は話したのですが、この第3回目の記事ではメタデータを使わないデータのループについて話していきたいと思いま

          #003 ループオーディオ その3

          #002 ループオーディオ その2

          こんにちは。ノイジークロークの金井です。 今月も地道に地味な内容である、ループオーディオについて触れていきましょう。ループオーディオ その2です。まだまだループは続きます。 前回の振り返り前回の記事ではループ情報ありの波形データについて説明を行ってきました。その中のクリックノイズの項目で、ノイズを防ぐために波形編集ソフトでループ処理を行っていくと述べましたが、今回の記事ではそのループ処理を軸にして実際のループ処理まで話を進めていきたいと思います。 まず前回までの内容で、

          #002 ループオーディオ その2

          #001 ループオーディオ その1

          はじめまして。ノイジークロークというゲームサウンド制作会社で、ゲームのサウンドデザインと実装を行っている、金井琢真といいます。これから毎月15日に、いわゆるゲームオーディオに関する記事を書いていこうと思います。 まずはゲームオーディオならではのトピック、ループオーディオについて、複数回に分け記事を書いていきたいと思います。 ループオーディオとはゲームでは音声をループさせる機会が頻繁にあります。なぜなら、一般の音楽と違ってその音楽が流れるシーンにいる限り永遠に再生し続けない

          #001 ループオーディオ その1

          はじめまして

          はじめまして。ノイジークロークの金井琢真と申します。 普段はチーフサウンドデザイナーとして、コンシューマー / モバイルのゲーム効果音制作や、音の実装を行っています。 これから「ノイズなアカデミー」という名前で、 サウンドデザイン関連を僕の方から毎月15日に、 作曲についてを弊社作曲家の藤岡さんから毎月1日に投稿していきます。 藤岡さんの記事はこちらです→https://note.com/nc_fujioka/n/n56afbb2a0df7 ということで、僕の投稿は今月1