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【第331回】コロナ明けもさらに輸入が減っている野菜 カボチャ/ショウガ/アスパラ/サトイモ
18年に98万tを記録した輸入生鮮野菜は、その後毎年減り続け、23年は68万t、5年で34%も減った。今回は、なかでも著しく減少した品目にスポットを当てる。この5年間は、コロナ禍で輸入を国産が代替する動きがみえにくかった。インバウンド需要が復活して、また輸入需要は増加するはずなのに、さらに減っている品目があるのはなぜか。輸入統計と東京市場の入荷推移とを照合しながら検証する。
※4グラフとも23年の貿易統計をもとに作図
カボチャ/異常気象で輸入も市場入荷も減って対応しきれず
【概況】23年の輸入カボチャは5万5000t、前年より34%減、28%高(145円)。一方、国内流通の動向を東京市場でみると、入荷は23%減、44%高(290円)。カボチャの輸入は本来、国産の端境期にマーケットの需要に切れ目なく応えるものだが、東京市場のこれだけの減少に輸入自体も減って対応できていない。輸入品の月別の入荷状況では、1~5月と8~10月が前年の半分を切っており、2月は54%減、8月などは73%も減った。
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【背景】23年は輸入品が国産を補完する役割を果たしていなかった。東京市場では、22年に主産地メキシコとニュージーランドの合計で41%のシェアがあったが、23年では同33%にまで下がった。米国、オーストラリア、ニューカレドニア、韓国からも入荷があったものの焼け石に水。この状況は外国産地が軒並み異常気象で不作になったこと、国産の場合でも昨年の猛暑が大きく響いている。カボチャは生鮮野菜としては貯蔵調整もできるが、世界的な異常気象には負ける。
【今後の推移】いまは国産と輸入品がうまくリレーして年間需要に対応している。品種も統一されて品質にも問題はなくなった。それでも産地や小売店では、輸入品に頼る季節に国産でカバーできないか、という潜在意識はある。夏秋期産地は年越しできる抑制栽培ができないか。国内産の先頭に立つべき沖縄で生産振興できないか。こうしたテーマで研究機関はもちろん、農家・JA・流通業者も様々なチャレンジをしている。カボチャは年間を通じて売り場があり原材料としても欠かせない。
ショウガ/円安と中国の現地価格高騰で輸入が通年減少
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