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【第337回】総輸入量に占める東京市場への入荷推移 ネギ/ゴボウ/タマネギ/ショウガ
輸入生鮮野菜のうち卸売市場に入荷する割合は、年を追うごとに減少傾向にある。昨今の中国産は、とくに小売販売がほとんどゼロだが、中小の業務需要は品揃えの都合から、輸入野菜も市場流通経由で仕入れている。そこで、バブル崩壊で安値合戦の末やっと底止まりした01年と、インバウンド復活で活気を取り戻した23年の22年間で、総輸入量に対する東京市場の入荷数量の推移をみてみよう。
※4グラフとも折れ線は貿易データにもとづく輸入量
ネギ/東京市場の入荷率半減、生産~輸入一貫し安定性増す
【概況】輸入ネギにとって01年は特別な年。バブル崩壊後、物価は一本調子に下がり続けた。野菜類でも安い中国産を増やした。事態を重く見た政府は、輸入急増により打撃が大きいネギ、生シイタケ、畳表の3品に対して、01年4~11月まで、一定数量以上の輸入分は200%以上の高関税とする「暫定セーフガード」を発動。1月には5000t近くあった輸入量が、4月にはわずか760t、措置明けの12月には反動で3万tも輸入された。
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【背景】東京市場における輸入ネギの入荷は総輸入量に対して01年は5.3%(全国の卸売市場流通のうちほぼ1割のシェア)だった。輸入ネギは大口需要者が市場外流通で調達しているので、当時から業務加工向けは輸入業者が直接営業していた。中国人が日本で流通企業を作り、産地の山東省に支社を設けて買い付け調製加工。筆で土を丁寧に落として規格通りに選別・箱詰めして、冷蔵の一気通貫流通で需要者に届けてきた。日本のニーズをよく知っているのだ。
【今後の推移】この22年で輸入数量そのものは変化ないが流通形態は変わった。仲卸業者系を中心に中~大規模なカット野菜加工が増大し、流通が多元化した。卸を通さない直荷引きは、とくに輸入物では結構な量があるが、その実態が調査されたことはない。卸売市場内での仕入れと直荷引きを駆使して商売している状態も、ひとつの「市場流通」。23年は輸入量全体に対する東京市場への入荷割合は2%と、22年前からは半減した。輸入は毎月ほぼコンスタント。仲卸の直荷もかなり増えた。
ゴボウ/輸入量は国産の半分相当量、適時輸入から安定輸入へ
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