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劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM 前編 君の列車は生存戦略』見てきました、という話

今週実家に帰る用事があり、そろそろ見ておかないと他の映画に上映回数押されて見れなさそうだったので見てきた。

「輪るピングドラム」は初めて全話見た幾原邦彦監督作品だ。というのは半分合ってて半分間違いで、私はもっと昔に「セーラームーンR」で幾原邦彦の味、イクニズムとでも言えばいいか。それを未就学児童時点で植え付けられていたのですが、流石にその時点で幾原監督のお名前を認識していなかったので、この話の詳細は割愛する。いつかそのうち「セーラームーンR」の話もする機会があるでしょう、多分。

そんなわけで高校生だった頃、初めて幾原邦彦という名前を認識して見た。とにかく衝撃の連続だった。当時、関東に引っ越したてでアニメの実況をしまくっていた頃で、それはもうテレビに齧りついて見ていたのを今でも覚えている。
かわいらしい星野リリィさんの絵が動いて、一週一週新たに明かされる目まぐるしい真実、TLに流れてくる考察、それはそれは新鮮に映った。しかしながら当時の自分は幾原作品の含蓄もなく、今に比べてアホたれのため、正直終わった後はポカンとしていた。かなり理解度が低かった。これはもうしょうがない。あの頃私は若かった。

そんなわけで10年経ったピングドラム。
冒頭の池袋のシーンは、10年前と違って池袋の地理感が自分にあることに感慨深いものがあった。

特にペンギンプール。
サンシャイン水族館のペンギンプールは2011年8月のリニューアルによって作られた目玉の一つで、割りと当時はよくテレビにも取り上げられていた。ピングドラムの放送開始は同年7月なわけで、当然TV版に入れ込む暇はない。
あと、クラゲの水槽。私は最近いけてないんで今調べて知りましたがこれは一昨年リニューアルしたらしい。

とどのつまり、2022年の今蘇るピングドラムのアイコンとして相応しいロケーションなわけだ。このことを仮に10年前の知能の私見せても全くピンと来なかっただろうと思うし、そう考えればこの10年、大学に行って留年して卒業して就職して東京に住んで無職になって転職して……と随分適当に生きてきた自分の人生の中でも少なからずの進歩があったのだ、と少し嬉しくなった。
わからないことがわかるって楽しいし面白い。今わからないことも、これからわかるかもしれない。この心持ちは今後も大切にしてきたい。


できればTVシリーズを見返して臨みたかったが、MCUのドラマをサボってたツケを今必死になって払っているところなので諦めた。
思っていたより新規映像は多くて、うまく再構成されていたと思う。という部分に深く言及するためにはTV版を見返す必要がある。MCUドラママラソン懲役が終わったら後編までにはなんとか間に合わせたい。

新規パートのメインであるプリンセスクリスタルモモカがすごく面倒見のいいお姉さんで、乗り換え後の二人をしっかり見てあげているのが優しい。TV版の頃はキャラクターの輪郭が見えないというか、碇ユイに似てるというか「この女のせいでこんな話になっているし、出てくるキャラもみんなこいつのこと好きだけど、いかんせん故人なせいでなんもこいつのことわからん」みたいなことになっていた印象が強い。
しかしこうして出てきてくれて、色んな人から愛されていたという実感を手にとることがようやく出来た。

晶馬と冠葉は、モモカは、そしてサネトシはどうなるのか。「さらざんまい」の最後で描かれた「大人、そして社会への信頼」という大きな一歩を超えた幾原監督がピングドラムをどう再調理するのか。
後編は初日に見に行きたいねえ……。

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