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140字小説【もう一声っ!】

「そこのお姉さん、どう? 今なら一つ千円でいいよ!」
「もう一声っ!」
「う〜ん、じゃあ九百円!」
「もう一声っ!」
「う〜ん……だったら八百円でどうだ!」
「もう一声っ!」
「お姉さん、これ以上はウチも商売上がったりだよ」
「値段はいいんです! ただ、お兄さんのイケボが聞きたいだけなんで!」