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140字小説【2ミリ】

「あっ」
「あっ」

 ラスト1個の卵焼きに箸を伸ばすと、ちょうど彼氏と箸先同士が触れ合った。
 それが何だか嬉しくて、ここは仲良く半分こしようと箸で切ろうとすると……

「ちょっと待って」

 と、どこからともなくメジャーを取り出してきた彼氏。

「俺の方が2ミリ小さくね?」
「お前の心も小せぇよ」