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140字小説【実話︰はなれて、くれない、そいつ】

 指先についた鼻クソを捨てようと、ゴミ箱に向かってピンッと弾き飛ばした。

 ……はずなのに。そいつは指先から離れず、再度弾き飛ばすことに。

 それでもそいつは離れないどころか、その後も弾く度に指先で寝返りを打ち続け――

「クソがっ!」

 ――と言っても相手は本当にクソだから虚しいところ。