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140字小説【条件︰月を見上げること】

「今日のおやつは昨日の月見団子の残りね」
「私にそれを食べる資格はない」
「何言ってんの」
「昨夜は十五夜にも関わらず、月の存在を忘れてぐっすり眠ってしまった……そんな私にはもう、美しい月を眺める資格なんてない。ましてやお団子をいただくなんて……」
「腐っちゃうから早く食べてくれない?」