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鶏たちとの出会い
この鶏たちと出会ったのは、ひとつのきっかけでした。
前職で病を患い、現在も続く後遺症が残り、休職する事となりました。
その休職期間、健康の大切さ、ありがたさを痛感し、食事から見直そうと、完全栄養食品とも言われる「卵」を食事に毎食1個取り入れました。
卵という食品は、多くの皆さんも同じだと思いますが、小さい頃から冷蔵庫にいつもあり、身近なもの。
私も何気なく食べてきました。
しかし、大人になるにつれ、卵の匂いが気になるようになり、「生卵」をいつしか敬遠する様になっていました。
そんな中、病気がきっかけで、毎食食べるようになった卵。
ある時購入した卵の「匂い、味」に私の何かが反応しました。
発見がありました。
全国から卵を取り寄せ、食べていた私の中で、「美味しい!」と思う「卵」の共通点が、「平飼いの卵」だったのです。
普通に食べていた「卵」とは、全く違うものだとさえ感じました。
然し、「平飼いの卵」はこの近辺には無いに等しく、価格も高いため、頻繁に口にすることはできませんでした。
そんな時、妻が私に言いました。
「日本の養鶏(採卵)は、90%以上がケージ飼いで、平飼いは10%以下なんだよ。」
と...
その時、すごく心が動いたのを覚えています。
頭のどこかで、片隅で、
鶏の飼い方というものを知っていたけれども、
今まで深く考えたことは、正直一切ありませんでした。
それから、日本の養鶏の現状や卵のこと、鶏のこと、文献を読んだり、ありとあらゆる情報を調べました。
実際、平飼いをされている方の元へ行き、お話を聞かせていただいたりもしました。
最初に出向いた先で実際に鶏たちを見せていただき、そこで暮らす鶏たちの目を見て、
この子たちの暮らし、生き方を、自ら伝えたい。
そう思いました。
それからすぐ、鶏のことを実際に知るため、3羽飼い始めました。
それからまもなく、私はこれをやるんだと決心し、休職していた会社を退職させていただき、100羽近くの「後藤もみじの雛」を迎え入れました。
どん底にいた私を救ってくれた出会い。
それが、私とこの子たちとの出会いです。
鶏たちに本当に感謝しています。
3羽から始まった鶏との暮らし。
今では、500羽まで増えました。
平飼いのその先である「平飼い放牧」という、より自由度の高い環境で、鶏たちは各々元気いっぱいに暮らしています。
今まで、あたりまえのように冷蔵庫にあった「卵」
あまりにも身近過ぎて、「卵」の背景まで知ろうともしませんでした。
実際、多くの方はそうだと思います。
ふとしたきっかけで、鶏たちと暮らすようになり、
実際に、生きている姿、鳴き声、産卵する姿...
沢山接する中で、
卵はこれほどにも貴重なんだと。
心から思います。
自然環境、季節や天候などの影響で、卵を産んでくれたり、産まなくなったり。
自分達のタイミングで産んでくれる卵。
1羽につき1個。
一所懸命に声を出しながら産んでくれる姿。
いつも何気なく食べていた、
色、形、大きさ、
どれも同じように見える「卵」
一つとして同じ卵はないんだと。
そう感じています。
実際に暮らす私だからこそ、伝えられることがある。
「1個の卵」を通し、何を伝えられるか。
「美味しい」の先に、何を届けられるか。
皆さんに喜んでいただけるよう、
これからも、追求し、精進して参ります。
ナチュラルエッグラボ 山野暖尭
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