体が痛くならない就寝スペースづくりのコツ〜1年間、被災地で車中泊して考えた災害と避難part4〜
前回は、車中泊避難で覚えておきたい必須事項の「エコノミークラス症候群」についてかいてきました。
今回のnoteでは、エコノミークラス症候群にならない就寝空間をつくるコツをご紹介していきます。
★おさらい★「車中泊避難」とは
シリーズpart1「車中泊避難」のメリットにてご紹介した通り、私のnoteでは、車の中で寝起きしている状態での避難を「車中泊避難」と呼んでいます。
必ずしも車の中で避難生活を送るのではなく、日中は避難所などで過ごし、寝起きのみ車の中で過ごす場合も「車中泊避難」に該当します。
少しでも、自分が当てはまる可能性があるという方は、ぜひ「車中泊避難」のコツを知っていただけたらと思います。
シリーズ目次
part1:「車中泊避難」のメリット
part2:「車中泊避難」のデメリット
part3:車中泊に潜む「エコノミークラス症候群」のリスク
★part4:体が痛くならない就寝スペースづくりのコツ ←今ココ
part5:車中泊避難する駐車場選びとマナー
part6:車中泊の防犯豆知識
part7:猛暑極寒を乗り越えるには
part8:車中泊に必須&あったら便利な道具
※更新次第リンク対応していきます
シートアレンジを考える
車のシート(座席)を倒して前後シートをつなげる等、通常の座席にアレンジを加えることを、「シートアレンジ」と呼んでいます。
体が痛くならない就寝スペースをつくるには、車のもっているポテンシャルを最大限に引き出してあげる必要があります。
最近の車は、車室を広く取れるようになってきていますよね。
また、アウトドアが流行り、自転車がそのまま詰める車や、
軽自動車でも車中泊ができるシートアレンジがウリの車が増えてきているように思います。
シートアレンジがどのようにできるかは車種によりけりですが、いくつかパターンご紹介します。
お持ちの車にあった方法をぜひ、試行錯誤しながら見つけてみてください。
①荷室×後部座席
王道のシートアレンジです。
2人以上で車中泊される方にオススメです。
運転席、助手席はそのままなので、就寝と移動がスムーズに行えます。
②助手席(運転席)×後部座席
最近増えてきたシートアレンジです。
荷室を崩さなくて良いので、就寝場所と荷物が混ざらないのがメリット。
1人の場合には何かと便利です。
私もこのアレンジで寝ています。
③3列目座席×2列目座席
ワンボックス7人乗りの車など、シートが3列に及ぶ場合に多いアレンジです。
②に近い形式です。
④車種専用orオリジナル車中泊キットを設置
荷室や、座席を取り外したスペースに、木材などでキットを組む方法です。
取り外しが容易なものもあれば、構造変更になる場合もあります。
⑤座席がフラットにならない場合
完全なフラットにならず多少斜めでも、足を伸ばして寝れればそこまで気になりませんが、体を丸めて寝なくてはいけない場合、注意が必要です。
平時から入念な準備が必要になります。
シートアレンジのコツ①凹凸をなくす
凸を基準にして、タオルやリュック、着替えの服などを詰め物にし、高さを合わせていきます。
ゴミ袋や紙切れも、クシャクシャにすると詰め物代わりになります。
ある程度大きな凹にはペットボトルや靴などで嵩を出し、その上から、隙間を洋服などで埋めると良いでしょう。
その上からマットを一枚敷くと、ほとんど凹凸が気にならなくなります。
この時、必ずしも水平を出す必要はありません。
横になってみて、圧迫感はないか、違和感はないかを確かめながら、詰め物を調整するとうまくいきます。
余裕がある場合は、あらかじめクッションを用意しておいたほうがベターです。
また、座席が斜めになってしまう場合は、頭が高くないと血が上ってしまうので、気をつけましょう。
シートアレンジのコツ②就寝スペースを広く取るコツ
助手席(運転席)を目一杯前に出します。
こうすることで、後部座席の足元空間が広くなります。
「荷室×後部座席」の場合、
足元空間を埋めてあげることで、より広く就寝スペースがとれるようになります。
車屋さんやホームセンターには、足元に詰める用の、エアーで膨らませるクッションが販売されています。
ない場合は、最悪足がやや突き出すだけです。
足元側が頭の場合は、リュックや段ボール箱などを活用して、うまく隙間を埋めましょう。
「助手席(運転席)×後部座席」の場合、
助手席(運転席)を前に出すことにより、後部座席にぶつかっていた背もたれがしっかり倒れて、フラットになる車種もあります。
寝袋or布団?マットは必須
もし避難するときに時間があれば、普段使ってる布団を持ってきて大丈夫です。無理に寝袋にこだわる必要はありません。
ただし、普段の敷布団(マットレス)は横幅的に入らない場合があるので、その場合は事前に用意しておきましょう。
軽バンなど貨物系は、板の上に寝るような物なので、マットは必須です。
私の車種は、座席がクッションシートなので、3つ折りの薄いマットを使用しています。
使わないときは畳んで、座席にクッションとして敷いています。
ちなみに、使っているのは寝袋です。
寝返りが多く、狭い車内だと、すぐに布団が剥がれて、凍えて起きることがあるからです。
寝袋のメリットは、朝起きたら布団がない…なんてことにならないので、どちらか好きな方を選びましょう。
座席がフラットにならない場合
車種によっては、どうしても座席がフラットにならないものがあります。
例えば、軽トラック。
横になって寝るのはけっこうキツイです。
実際にやったことがありますが、サイドブレーキが腰に当たる位置にあるので、
持っていた工具箱を座席に置いて嵩上げして、体育座りのように体を丸めて眠りました。
結論、ただ疲れただけでした。荷台にテントを張って寝たほうがマシでしょう。
こういった座席を倒せない車種の場合、原則、車中泊避難を推奨していません。
乗用車であっても、足を伸ばせず、座ったままの姿勢になって寝てしまうと、エコノミークラス症候群になる恐れがありますので、
車中泊避難ではなく、避難所で寝起きすることをオススメします。
その場合でも、part1であげたような「車ならではのメリット」は多いので、車も活用していくことは、避難生活の上で大きな助けになるでしょう。
車中泊避難をする場所
就寝空間も出来上がったところで、いざ、車中泊をする場所を探してみると、思うようにみつからないものです。
車中泊をしてよい場所、調べ方、車中泊のマナーなども知っておくと、トラブルを避けることができます。
⇒車中泊避難する駐車場選びとマナー~1年間、被災地で車中泊して考えた災害と避難part5~
こちらもぜひ参考にしてみてください。
※注意点
災害発生時及び直後の車での避難は、緊急車両
の通行ができず救助活動の妨げになったり、交通マヒによる逃げ遅れが起きたり、重大な混乱を引き起こす可能性があります。
災害時は、走行中の車は車道の脇に寄せ、人間だけ避難することが原則です。
(様々な事情により、自力での避難が困難な場合は除く)
車で避難する場合は、天気予報や避難指示前の「事前避難」や、一旦落ち着いた後の「事後避難」としたほうが良いでしょう。