マガジンのカバー画像

短編

1,270
短編小説を集めました
運営しているクリエイター

2024年10月の記事一覧

文学ブティック 神保町一お洒落な古本屋さん

 もう始まっている本好きのためのハローウィンと言われる神保町の古本市。古本市と聞くと本好…

秋(空き)時間
2週間前
12

あなたを逮捕します!

 まるで学生時代に帰ったような胸のときめき。あなたを見かけた時からずっと感じていたの。そ…

秋(空き)時間
2週間前
10

離婚風景

「ねぇ、仕事疲れで大変なのはわかってるけど休みの日ぐらい家事やってよ。っていうかあなた結…

秋(空き)時間
2週間前
12

パープル 〜古代の物語の注釈

 古代に書かれた伝説の物語。後の時代の人々はその物語を長い時代に渡って解読しようと試みた…

秋(空き)時間
2週間前
11

ブックエンドに挟まっていた手紙

 たまたま本を取り出したらブックエンドに封筒が挟まっていた。なんだろうと思って取り出した…

秋(空き)時間
2週間前
16

童話:ガゼルとライオン

 アフリカのサバンナに雌のガゼルと赤ん坊のライオンが一緒に住んでいました。この二匹が出会…

秋(空き)時間
2週間前
10

ロシア文学秘話:ドストエフスキーとナボコフ

 代表作『ロリータ』で知られる作家ウラジミール・ナボコフは故国の大文豪フョードル・ドストエフスキーを大変嫌っていた。彼のコーネル大学時代の講義録をまとめた『ロシア文学講義』にはドストエフスキーも論じられているが、そこでナボコフはドストエフスキーを『偉大な作家というより凡庸な作家』と痛罵している。彼はその中でドストエフスキーの代表作を取り上げその小説の構成から描写に至るまで徹底的にこき下ろしている。ナボコフのドストエフスキー論は論評というより憎しみかはたまた怨念に満ちたものがあ

庶民派

「先生、いよいよ選挙戦が始まります。これから約一ヶ月間、我々も一丸となって先生を再び国会…

秋(空き)時間
3週間前
10

たった二十五人の革命

 時は戦国時代、本州から離れたとある孤島の島民は本州の国から派遣されていた役人どもに搾取…

秋(空き)時間
3週間前
7

文学コンサルタント

「皆さま、多忙の中本講習会にご参加ありがとうございます。皆さまのような日本有数の企業の取…

秋(空き)時間
1か月前
6

読書の時間

 こうして二人で読書する時間  付き合ってから初めての試み  私はスタンダールの赤と黒 …

秋(空き)時間
3週間前
15

神さまとお話ししたこと

 とある村のはずれの墓のまえで一人の男の子がうずくまって泣いていました。この子は普段から…

秋(空き)時間
1か月前
9

バンド解散

 楽屋は重苦しい空気が立ち込めていた。人数分の紙カップのコーヒーだけが置かれた折りたたみ…

秋(空き)時間
1か月前
9

欠勤届

「お前なんだよ昨日の欠勤のメールは!『体調が悪いから欠勤します』ってこれじゃなんもわかんねえだろうが!お前社会人なんだからちゃんと理由を書けよ!お前文学部出なんだろ?大学で一体何を学んできたんだよ!うちはうるせえこと言わねえから今度欠勤する時はこっちにもわかるように病状や状況をもっと詳細に書け!」  この上長の強烈な罵声を浴びて新入社員は震え上がってしまった。元々青白い顔をさらに青くさせてポキリと折れそうな体は本当に腰からざっくり折れそうになっていた。 「わかりました。今