色節(いろふし)を感じる日本人
今年の関東の秋は、つい最近まで温かい日が続きましたが、やっと紅葉の綺麗な季節になってきました。もみじの葉っぱが綺麗に紅く染まっている模様や美しい黄色の銀杏の葉っぱがヒラリと落ちているのを見ると「あー、本当に日本って美しい!」って思います!桜のピンクに染まる日本の春も大好きですが、秋の味覚を食べ、少し寒くなって紅葉をみながら温泉も楽しめる秋は格別ですよね!
ちょっと前から日本にまた住みはじめて、日本人と自然との密接な関係性を身体で感じています。日本人は、動物や植物などの生物だけではなく、土や石や山なども含めた「地球に存在する万物に神が宿る」という考えを持っていて、自然を敬う気持ちが高い文化を持っている民族だと改めて思います。
自然災害の多い土地柄から、自然と共存していくということが否応なしに必要だったからだからかもしれません。農耕民族だったから、天気に自分たちの生活が左右されることも大きかったからかもしれません。または、気候的に季節を感じやすい地理に位置していることが影響してきたからかもしれません。いずれにしても、日本人の心には、自然と調和して生きていくことが根づいています。
日本では一部の地域を除いて、四季が1年で4等分されていて、季節の移り変わりがきちんと感じられます。人々はその変化に敏感に気づいて、生活に取り入れていく感性を持っていると思います。
季節の境目などの行事を祝い、食べるものや飲み物も旬のものに合わせ、衣替えをきちんとして、布団や家具なども変えて、衣食住の全てを通して、つれづれなる四季を楽しんでいる人々は、世界中見てもとても少数だと思います。
夫が好きだった梅ジュースが、突然買っていたスーパーからなくなって、それが春限定商品だったと気づきました。ビールなどのパッケージを季節ごとに変えるのも日本特有のことなので、外国人にとっては驚きの事実です!
半袖のシャツを買いたくても、秋になったらもう買えません!日本では「今の季節にしか楽しめないものを楽しむ!」というような意気込みを感じます。日本人は季節と共に生活することに徹底している民族なんです。
年中Tシャツや短パンで過ごすアメリカ西海岸文化に慣れてしまっていたので、初秋の暑いある日、真夏に着るようなピンクのノースリーブのサンドレスを着て、素足にオレンジのサンダルを履いていた私、さっそくこんなツッコミが知り合いから入りました。「さすが、カリース!普通さー、どんなに暑くても日本人は、もう夏物は着ないよ!」
「私だって、日本人だよ!」ってすぐさまツッコミ返そうと思いましたが、確かに周りを見回すと、皆さん長袖とか秋らしい色の物を着ていたんです!暑いからって、ただ合理的に夏物を着る西洋の文化に染まってしまって、私は日本人らしい感性を少し忘れてしまっていたことに気づきました!
自然を感じることは、季節を楽しむこと以外にも大きなメリットがあります。自然は私たちへの心身へ癒しやヒーリング効果を持たらしてくれます。その効果は科学的にも証明されるようになりました。
瞑想が心身に良いと聞きますよね。自然と触れることは、瞑想と同じぐらいの効果を私たちに与えてくれるそうなんです。ストレスホルモンや心拍数や血圧を下げ、副交感神経を優位にして、免疫力もUpさせてくれるそうです。
「森林浴」は、そのまま英語に翻訳されて 「shinrin-yoku」とか「Forrest Bathing」と呼ばれて、最近世界中で、その効果について話されています。アメリカのニュース雑誌で有名な「タイム誌」やイギリスの大手新聞の「ガーディアン」も森林浴についての記事を書いているほどなんです!まさに「旅する日本語」です!
自然と触れての森林浴、簡単でしかも無料でできることです!運動が苦手な人や、瞑想なんて怪しくて嫌だと思っている人にもできることかもしれません!ゆっくりと五感で自然を感じながら歩くだけです!
人間は自然の一部なのに、今までは、自分の生活の質を上げるためだけを考えて、自然を破壊してきてしまいました。
この記事をきっかけに、自然を尊重して、共存していこうとする価値観を持っている日本人に生まれてきたことを思い出し、私が忘れかけてしまった感性を少しずつ思い出して、磨いていきたいと思っています!