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46歳、障害者年金を申請してみたおはなし

障害者手帳を手にして4ヶ月が経ちました。
この4ヶ月、それなりに交通機関を使ったし、公共施設を使いましたが、まだ一度も手帳を使っていません。
あぁ、ここで出せば半額になるのか、と思っても、その時一緒だった人に手帳の話をしていない、とか、使う勇気がない、とか、まだそんな現状の中にいます。
病院へは通っていて福祉医療制度を使えているので、目に見えないところで、役に立っているといった印象です。有難いです。
手帳をお持ちの方にどんな風に使いこなしているのか聞いてみたいところです。

そして、市役所に手帳を貰いに行った時に障害者年金の話を聞いたので、少しずつ動き始めることにしました。

障害者年金は、自分の人生で全く視界になく、遠い世界の話だと思っていたので、市役所からその単語を聞いた時は、「ひゅーーーーん」という音が聞こえました。
まさか自分がと、なにか大きな穴に落ちた音です。

試しにそういう申請も出来るのかと、メンタルクリニックの先生に聞いてみたところ、さくっと「申請しましょうか」とお返事をいただき、本当に制度が使えるか分からないけれど、申請をしてみることにしました。

どこから動いていいのか分からなかったので、とりあえず市役所に聞くと、対応は年金事務所だと教えてもらいました。
年金事務所というフレーズを聞くと、確か遠いどこかの記憶で、「対応はすごく冷たいよ、予約をしないと話聞いてくれないよ」と誰かが話していたような気がしたので、電話をしてることにしました。

そういう手続はいろんな書類が必要で、きっと揃えるだけでも右往左往することになるだろう、仕事を遅刻早退するのは回数を減らしたい、と思っているので、手間は減ったほうがいいです。
事前に聞いて書類が揃えれるならと、電話で色々聞けたらいいなと思っていました。

とても甘かったです。

とりあえず、本当に私が該当するのか、電話ではそこからでした。
障害者年金の申請がしたいと言うと、まず電話に出た人に細かく聞かれました。
そうか、もう戦いは始まってるのか、と驚きました。
いくつか質問に答えると、少しお待ちください、と、違うと人に変わりました。
1面のボスを倒して、2面のボスがやってきた心境です。
当たり前ですが、1面のボスより強そうです。
更に細かく聞いてきます。
何を聞かれたのか、 というと、本当にすみません、不意打ちだったのと緊張してたので、よく覚えてません……。出た!ポンコツ!

申請できる人として該当したようで、ようやくそこから、受付の予約をとることが出来ました。
「必要な書類を言ってくれれば、もう用意して持っていきたいです。」
と2度3度言ったのですが、
「その必要な書類の説明を聞いてもらうために一度来てください」
とのことで、まさかそんなにいるの?まさかそんなに必要なものがあるの??と、恐ろしくなりました。

予約日時に年金事務所に行くと、ニコニコした女性が対応してくださいました。
事前に内容を伝えていたので、書類を揃えてくれていたようで、A4の茶封筒から、束になった用紙を、「よいしょ」といいながら取り出してくださいました。
え?実際には言ってないかもしれないかもしれません、私にはそう聞こえました。言いましたよね?聞こえましたよ、心の声が。

そして、ひとつひとつ丁寧に教えてくれました。
半分は説明の要項と、私には対象しない事柄だったので、実際本当に必要な書類といったら、身構えていたよりも少なかったです。
自分の場合は精神の方の障害ですが、身体の方もいますしね。
そんなところで、色んな人がいるんだなぁと、じわじわきました。
あっちこっちに書類を作るために駆け回らなきゃいけないのかと思ってたので、思ったより必要な書類が少なくて、少しほっとしました。
マイナンバーカードのおかげもあるのかな?

次回持ってきてくださいね、と言われたものは、ざっくりと以下のものでした。
「基礎年金番号通知書、通帳などのコピー、医師の診断書、病歴、就労状況の申立書、障害者手帳」
あとは、年金請求書、年金生活支援給付金請求書など記入して提出するものでした。
ひとつひとつ、どうやって用意したらいいか丁寧に教えてくださり、なるほどこれは聞かないとわからないなと、電話で説明をしてくれなかったことに、深く納得しました。

この中でとても印象に残ったのが、「医師の診断書」と、「病歴、就労状況等申立書」です。

3ヶ月前に障害者手帳をもらい、医師の診断書をもらったことがあったので、また同じものを発行して貰えばいいのかと思ったら、年金機構で発行した書式ではないといけないとのことでした。
ちなみ、障害者手帳を申請するときに発行してもらった時は、発行料に5,000円かかりましたが、今回は25000円必要でした。
ちなみちなみ、その間にも会社で診断書が必要になり、それも保険適用外で5000円かかりました。
……私、そんなに稼げてないのですけど…。
この3ヶ月の中でのこれだけの出費は、予想外にも程があります。
不安を消すためのことなのに、思わぬ出費で不安が掻き立てられます。

先生いわく、診断書はメンタルクリニックでそれぞれ金額が違うとのことで、私の担当医は「うちはね、高いよ。高いけど丁寧だからね」とにやりと笑って言ってました。

本当に??自分は正解がわからないから、鵜呑みにしちゃうよ??

この医師の診断書を作ってもらうのに、宿題が出ました。
A4の紙に、少し昔にやった心理テストや、これまでの経緯を書くようなものまで、さらさらっと書けるものではない量の宿題でした。
幼少期からのことを辿って書くわけですが、これはメンタルえぐられました。
あらためて紙に書いてみるって、大事ですね。
「小、中、高の時に、いじめ、冷やかし、仲間はずれ、無視や不登校、部活の退部、中退などはありませんでしたか」
「家庭での厳しいしつけ、虐待や暴力や両親の離婚はありませんでしたか」
「人との対人関係ではどのように苦労してきましたか」
などなど、具体的に書きなさいとのことでした。

これ、「特に無し」って書ける人いるのでしょうか。
みんな、何かしらあるのではないかなと思いました。
「特になし」と書けるような、そんな生き方をしてみたかったです。

そして、書き込んで提出し、診断を受け、待つこと2週間。
無事医師の診断書を手にすることができました。
もうこれだけで、達成感です。
やったぞー、やれたぞーわたし。
もうここがゴールのような気分です。

けど、まだまだあります。
私の中で難関だったのは、「病歴、就労状況等申立書」です。
A 3の紙に両面で記入項目がありました。
A3ってこんなに大きいのですね。
まるで、大海原に小さな船で放り出されるような心境です。
発病から診察までの状況だったりを書くのですが、3年から5年までを区切りとして、書いていかなきゃいけないそうで。
3年から5年区切りでってことは、いま46歳だからなん項目になるのか、、怖くて計算したく無いです。

この項目を埋めるのが大変でした。

あの時直視せずに逃げてきたことを、ここで改めて書くことになるとは、黒歴史表そのものです。
自分が今まで生きてきて、あれって思った時は多々ありました。
なにか人と違うんじゃないかなと、常に思ってました。
ちゃんと思った時に病院に行っておけば、と心底後悔しました。

当たり前ですが、用紙が足りず、コピーした予備の紙も使うことになりました。
下書きを何回もして、消しては書いて、比喩ではなく日が暮れました。

これは声を大にして言いたいです。
お母さん、なぜ私が子供の頃申請してくれなかった!!!えーん。

メンタルクリニックの診断書は、初診の病院から発行してもらわないといけないらしく、私は有難いことに1つ目の病院に未だにお世話になってるのでスムーズでしたが、中には子供の頃に初診を受けてて……って方もいるでしょう。
自分の親にどこの病院か聞くのかな、と気の毒になりました。
親御さんはしっかりしている人ならいいけれど、私のように親も何かしら疾患がありますという人もいるでしょう。
そこで詰んでしまう人がいるのではないかなと、思いました。

実際私の母親が、明らかに私よりも重度ですが、この制度を受けていません。
母親の場合は時代背景もあったのかもしれませんが。

みなさんの税金から受けれる制度なので、不正があってはいけません。
申請が簡単だと、それはそれで問題かもしれませんが、こういった書類にいつも四苦八苦するので、自分よりも重度な人はどうしているのだろうかと、不思議に思います。

私は、その黒歴史表をもって、再度年金機構に足を運びました。
一語一句丁寧に教えて頂きながら、申請書等の記入漏れを埋め、無事提出することが出来ました。

やれば出来るじゃん私!
長かったよぉぉぉがんばったよぉぉお。
なんだかんだで、申請するために3ヶ月近くかかってしまいました。

申請の結果は3ヶ月後らしいです。

受給できるのはさらに1ヶ月後らしいので、まだまだ先になりそうです。
そもそも受給できるかも分かりませんしね。


わたしのこれまでの経過にご興味がある方はこちらをどうぞです。↓↓↓

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