大好きな本を語る 短編小説集
「なんか、おすすめの本ない?」
そう言って、私がおすすめされた本がこちらです。
1 友人に紹介された本
まだ中学生だったころ、私は昼休みに友人と集まって本を読んでいました。
大体決まったメンバーで本を貸したり借りたりして、のほほんと昼休みを過ごしていました。
あの頃は忙しかった気がします。
テストが終われば部活、大会、そしてまたテスト。
本を読むのが好きなのに、本を探しに行く暇も買いに行く暇もない日々でした。
そんな時の必殺技が「なんかいい本ない?」という言葉でした。時には自分が友人に本を紹介し、時には友人に本を紹介してもらったのを覚えています。
今回語りたいのは、中学生の時に友人におすすめして貰った本です。
紹介してくれた友人はあまり本が好きではなくて、読書感想文用の本を探していた時に見つけたのだと言っていたようないなかったような、、、
おすすめしてもらった本、読んだら大好きになりました。
ですので!!!!!
今度は私が、この本を紹介します!!!!
2 大好きな本 短編小説集
さぁ、紹介しますよ!!
今回私が紹介する大好きで何度も読み返した短編小説集は、、、
こちら!!
『99のなみだ 涙がこころを癒す短編小説集』
リンダブックス編集部 編著
泰文堂 発行
『99のなみだ』は、シリーズです。
短編集なのですが、一人の作者による作品ではありません。複数の作品を本にした短編集です。
『99のなみだ』のタイトルも美しいのですが、2冊目、3冊目につけられた言葉も美しいのです。
『99のなみだ・風 涙がこころを癒す短編小説集』
『99のなみだ・雨 涙がこころを癒す短編小説集』
『99のなみだ・空 涙がこころを癒す短編小説集』などなど、、、
私が一番好きなのは、こちら。
『99のなみだ・桜 涙がこころを癒す短編小説集』
一つひとつの物語がきらりと光る、素敵な短編集です。
※ネタバレはしません!!一つだけ紹介しますが、その物語もタイトルと筆者とあらすじのみに留めます。私がどれほどこの本を読んで感動したかを語らせてください。
3 いろんな人が書いた、「なみだ」
『99のなみだ』には、たくさんの作家さんの「なみだ」の物語が込められています。
主人公も語り方も作家さんによって変わるので、この本を読んでいるとたくさんの方の話を次々に聞いているような気持ちになります。
それがまた、とても楽しい気分になります。
良ければ、この本に収録されている私のお気に入りの物語をひとつ、紹介させてください。
『願い桜』
執筆者:池田鳴海さん
―『99のなみだ・桜 涙がこころを癒す短編小説集』より
この物語、まずタイトルが美しいです。
この本を買った時、目次を見て『願い桜』の美しさに興味をひかれ、この作品から読んだことを覚えています。
物語は、家族も職も失った男が故郷へ向かうところから始まります。主人公の思いが痛切に綴られていて、胸に迫るものがあります。
短い物語なのですが、勇気と希望をもらえる素敵な物語です。
4 古本屋さんで探してる
『99のなみだ』シリーズ、実は全巻揃えていません。
というのも、この本に出会った時の私はまだ中学生。シリーズを一気に買うなんて夢のまた夢でした。
高校生になり、この本を読まなくなって押し入れに仕舞いました。それを大人になって読み返し、また読みたくなって、時折読み返します。
インターネットで買おうかな、とも思いました。しかし、中学生の私がこまめに買って楽しみにした本を、古本屋さんでちょっとずつ探して集めるのもいいのかなあと思っています。
誰かが書いた「なみだ」の物語をちょっとずつ集めていく、なんてロマンティックだなとも思いまして。
『99のなみだ』には、たくさんの「なみだ」があります。嬉しさも、悲しさも、切なさも、愛しさも、寂しさも、希望も、絶望も、葛藤も。
こんなにたくさんの「なみだ」があるのかと、
こんなにたくさんの感情があるのだと、
この本は教えてくれます。
今読んでも、私の心に刺さる物語がたくさん溢れています。
あなたにはありますか?
今なお、探している本が。
感情があふれて「なみだ」する本が。