根性論で生きてきた人にこそ伝えたい、適応障害になった元ワーママの話②

心療内科で「適応障害」と診断された私。
最低1か月は休職するように言われたとき、咄嗟に出た言葉は
「えっ!?今、人がいないので休めません…」
これは、休職をすすめられた患者がほぼ言うセリフらしい。
適応障害は環境を変えれば良くなることが多く、私も仕事という環境から離れればストレスが減り、症状が良くなるとのこと。
診断書を出すので、職場に相談するようにと言われたのだった。

「どうしよう、どうしよう、、、」
ただでさえ回らなくなった頭がぐるぐると回って、訳がわからなくなった。
それでも、病名がわかったことは、少しほっとした。
夫に相談すると、「もう嫌だったら辞めていいよ」と言ってくれた。
休職になれば結局仕事のことが頭から離れられない。
その期間が過ぎれば復職か休職延長でまた苦しむことになる。
私が元々仕事人間で、頑張りすぎる性格なのをよく知ってる夫から
「十分がんばってきたよ。今はしっかり休むときだ。」と言われ、私は仕事を辞めようと決心した。
ただ、私が抜けたら本当に仕事が回らないことは事実だったので、
翌日、職場の上司(私にパワハラした上司のさらに上)に診断書を渡し、こうお願いした。
「なんとか1か月はがんばって働くので、求人を出して下さい。新しい人が決まったら、このまま退職します。」
今この文章を打っていて、我ながらなんて真面目だったんだろうと苦笑する。あのときは泣きながら、ただ「人がいないのに、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」と謝罪したことしか覚えていない。

それでも、「診断書」の威力は絶大だった。
上司は血相を変え、「今すぐ休職するように書いてあるなら、こちらは明日からでも休ませなければならない。」と言ってくれた。
実際は、翌日からはさすがに無理だったが、そのとき私が受け持っていた仕事を全て引き継ぎ、一週間以内に有休消化に入ってそのまま退職となった。

適応障害と診断されてから、ネットやYouTubeでたくさん調べた。
「ある環境に適応できず、症状が現れる」
「アレルギーのようなもので、ある人は平気だが、自分には反応し、症状が悪化する」など、あぁそうなんだと納得できるような、できないような…
そんな中、あるサイトの表現がものすごくしっくりきた。
「適応障害は、適応しようと、頑張って頑張って頑張りすぎたけれど、適応できなかったときに起こる」と。
そうだったのか。そのとおりかもしれない。
きつかった部活も、受験勉強も、課題に追われた大学時代も忙しかったが、そのときの自分なりに頑張って乗り越えてきた。社会人になっても、厳しい上司がいても、最終的には認めてもらえていた。
今回も、異動した直後なのだから、慣れればなんとかなると思っていた。
でも、昔は若さで乗り越えてきただけだったかもしれない。
完全にキャパオーバーとなり、脳がショートしていた。

私はアラフォーなので、根性論で育ってきた。
社会人になったときも、今のようにパワハラという言葉はなく、
体育会系の上司には罵声を浴びせられたこともあった。
今までは大丈夫だったからと、
このままも全力で生きていくことは難しいと思う。
今までのような若さと体力はなくなる。
育児や介護など、自分以外に使う時間が増える。
メンタル疾患はあるとき突然訪れる。
オン・オフを切り替えるのが苦手な、真面目で頑張り屋な人がなるというけれど、自分はメンタルが強い方だし、大丈夫だと思っていた。
でも、仕事と家事、育児で切り替えていただけで、毎日ずっとオンのままだったのである。
根性論で生きてきた私は、今も心療内科に通っている。

今、あなたの体にサインは出ていないだろうか?
頭が働かない、活字が頭に入ってこない、よく噛む、体が鉛のように重たくなって動けなくなる、熟睡できていない…

無理はしないで。心の悲鳴をきちんと聞いてあげてほしい。


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