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noteに隠した黒い感情

先日「モノカキングダム2024」というコンテストに参加しました。いつもお世話になっているフォロワーの方々、そして参加者の皆さまに読んでいただき、本当に感謝しています。


参加者は2つの作品(自分以外)に投票するのだが、1つはすぐに決まった。
それは創作短編小説だった。
読み始めてすぐに、内容に引き込まれていった。私の目はスマホの画面の文章を読んでいるのに、瞼の裏には場面が映っている。

車のブレーキ音、走り去る車や喧騒。黒い服の男達。少年の潤んだ瞳、はにかんだ笑顔…。
読み終わった時には一本の映画かドラマを観た感覚だった。

投票なんか、どうでもいい。
ただただ面白かった。

「創作って、すごいなあ」と心から思えた。私は、見たり聞いたりしたことしか書けない。事実を書いた私の方が嘘を書いているような気持ちになる。私は本当の気持ちを書けたのだろうか。



昨夜、電話で父と言い合いになった。お酒の量に対しての注意だ。
喧嘩とは違う。
怒りの感情は私にしかないから。

前回の記事の件でも同じだ。
あの時の私は、自分以外の全てに対して、身体が震えるほどの怒りや憤りの感情で溢れかえっていたのに。

そんな私とは反対に、記事に対するコメントは優しさに包まれていた。
その全てが私の気持ちを理解し、会ったこともない父の無事を心から喜んでくださる皆さまを思うと、申し訳なさでいっぱいになった。

小さな見栄と良い娘を演じている自分。コンテストに選ばれたいがために、本当の黒い感情を隠した自分に嫌気がさした。

父の世話をするたびに、母がかわいそうになる。
母にもっと色々してあげたかった。私は父想いの優しい娘ではないのです。


亡母の介護から〜実家と自宅の往復生活も三年になる。
いつも逃げるように自宅に帰る私。

帰りたい
早く帰りたい


「こんな田舎にいちゃダメだ」
そう言って県外の大学を勧めてくれたのは母だった。

自宅から通える大学を選んでいれば
就職で地元に帰ってきていれば
コロナ禍さえなければ

電車に揺られながら、
そんなことばかり考える。

最寄りの乗降駅
2025年に廃線が決まっている
もう少し頑張ってよ

駅舎もない無人駅の小さなホーム。
古い線路だから電車が揺れて、連結部分からギシギシと音がする。
車窓から見える海は常に穏やかで、太陽に反射してキラキラと輝いている。

過去に区切りをつけ
許せない思いを手放し
執着を捨てる

そんなふうに
生きてみたい



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