見出し画像

【腰椎の機能】

今回は腰椎の機能についてお話ししていきます。

脊柱の生理的な彎曲は、それをとり囲み補強している筋群にとって、もっとも疲れの少ない形となっています。
体幹の筋肉は、おおまかに屈筋群と伸筋群にわけることができますが、これらはお互いに拮抗筋であり、片方が収縮すると他方が弛みます。
この両者の相対的な力の強弱により、どのような姿勢にもなるわけです。

たとえば、静かに起立位をとっている場合、脊柱の形が生理的であれば、屈筋群、伸筋群の緊張がバランスよく調和して身体の重心を体幹の重心線上に落ち着かせています。

すこし、前傾姿勢をとりますと、背筋、大臀筋、膝屈筋群、腓腹筋などが緊張し、前方に移動した重心を引き戻す方向に力を働かせてバランスをとります。
さらに前屈姿勢になりますと、これらの筋群の緊張はさらに増強し、時間の経過とともにその疲労は極限に達します。

一方、立位での上半身の伸展では、動作の初期には背筋の緊張と腹筋の弛緩が起こりますが、上半身が後傾してそれ自身の重力も脊柱の過伸展の方向に加わるようになると、腹筋や腰の筋肉が緊張して拮抗し、過伸展を防ぎます。

体幹の横方向への屈曲(側屈)は、その側の脊柱起立筋の収縮によりおこりますが、この場合にも上半身の側方への倒れ込みでその重力も加わるようになると、反対側の脊柱起立筋の緊張がおこってこれに拮抗します。

また、側屈は軽度の脊椎回旋もともなうので、外腹斜筋、内腹斜筋なども引き伸ばされたり収縮したりします。

上半身の回旋も、脊柱起立筋と内外腹斜筋の共動運動によりおこります。

このように脊柱の運動は、骨盤に支持点をもった諸筋群の複雑な共動運動で行われるので、腰椎とくに下部腰痛ほど、上半身の重力負荷がかかるだけでなく、このような動きも要求されるため、最も慢性のストレスがかかりやすいといえます。

なので、姿勢、骨盤の傾きなどで影響は及びやすいので日常から気をつけなければならないので注意しましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?