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25歳バリキャリ女子が都心マンションを買う話 〜購入理由と譲れない条件〜

前回に引き続き不動産購入の話です。
私はもともと一人で1K賃貸マンションに暮らしていたのですが、とあることから不動産購入の道に入りました。身の回りに起きた3つの転機がきっかけとなり、「賃貸ではなく購入物件に住んでみようかな」と思うようになった結果、「購入するならばこの条件は譲れない」という項目を見つけました。

この何をしたいから購入するのか→何を買うかという順番は大事だと思っていて、目的によって他者が欲しいと思う物件も自身には魅力的に映らないことがよくあります。例えば早くお金を稼ぐのが目的ならば、不動産が利益を出すのは年単位のことなのでそもそも不動産購入は適していません。不動産投資が目的でも、いつバイアウトするのか、どのターゲットにいくらで売るつもりなのか、によって適切な物件は変わります。
この辺りは3年とはいえコンサルティング業で鍛えた脳みそ筋が役立ちました。手段と目的は混ぜるな危険…。


購入理由

① コロナ禍の自宅待機

なぜ不動産購入を考えるに至ったか、最も大きな理由はこちらでしょう。当時は最もひどいパンデミックからは時が経ったとはいえ、在宅勤務が基本、闇市のような飲み会が一部の街で繰り広げられてはクラスターが発生、を繰り返す日々でした。

ただ帰って寝るために借りていた1Kは、角部屋だったものの窓は小さく、日がな一日を過ごすには少々薄暗い部屋でした。確かトータルで25平米程度だったためもちろん毎日の視野はほぼ同じ景色で、文字通りおはようからおやすみまでを小さな部屋で完結させる日々は私の心を鬱々とさせました。
最も心を蝕んだのはキッチンで、玄関を開けてすぐのキッチンスペースは匂いが篭りやすく、夏場などは使った生ゴミの匂いが寝室に忍び寄ってくるのが耐え難い一夜を過ごしていました。

① 高輪ゲートウェイバブル

コロナで工事は止まっていましたが、近く予定されていた山手線新駅である高輪ゲートウェイ駅の開設、および周辺土地開発の機運の高まりにより、泉岳寺〜田町周辺の物件は「確実に地価が上がる、買うなら今のうちに」というマーケティングが大々的に打たれていた覚えがあります。
その地域に興味はなかったものの、私と同年代の方がどんどん不動産購入に踏み切っていくのを目にし、「この歳で家を買う選択肢がある」という刷り込みがされたように思います。

なお、いまだに開業時期が明確に定まらないあの辺りの商業施設を見るたびに少しヒヤッとするのは私だけでしょうか?

③ シングル生活への備え

実際避けては通れない、この先の人生パートナーができるのか?という問いをもれなく私も抱えていました。
序章で書いた通り私は学生時代ほぼ恋愛経験がなく、社会人になってもその兆候は続いていました。大人になったら変わるって信じていたのに…
私は異性愛者で妊娠もできればしてみたいと思っていたのですが、入籍や出産をリアルに経験する友人が増える中、それらが自分の想像しうる未来とかけ離れているように感じていました。とはいえ、その時点で一生おひとり様を宣言するような気合いや思い切りも、当時の私にはありませんでした。

そこで少なくとも数年は独りでいるであろう自分が、その先も独りでいても安心できるように、保険のような気持ちで不動産購入は良い手だと考えました。ただし先の見えない将来、もし物件を手放す必要があってもすぐ売却できるような、「住むと同時に資産形成もできる家」を選ぼうと思ったのです。

購入条件

① 売りやすさ = 物件検索サイトの人気条件に当てはまる

駅徒歩7分以内、2LDK、オートロック、24時間ゴミ捨て可能…
これらは全てSUUMOやAT HOMESで出てくる人気検索ワードです。

一定期間住居利用したのち、賃貸・売却することも視野に入れていたため、世間一般に人気と言われる条件は揃えておきたいと思いました。
人気とは誰目線のものか?入社3年目の私の場合、ローン返済能力はさほど高く見積もられないと思ったため、巷で話題の中華系富豪が飛びつくような豪華な物件は購入できません。
若さ補正で高く見積もっても6000万前後の物件が限界、と仮定した際、このレンジを買うのは中流ファミリーか、高所得のDINKSまたは単身者と想定しました。

そこで彼らが物件探しを始めた際にまず使うであろう検索サイトで、上位に来る検索ワードに引っ掛かる物件を片っ端から見ていきました。

② 割安 = 物件価格が落ち着いた築年数、かつ新耐震

とはいえ売りやすさだけでは、新築や築浅(築2〜3年)もの物件も候補に入ってきます。最終目標は「資産形成もできる家を買う」だったので、買う時と売る時でなるべくマイナス価格差が出ない、なんなら利益が出るような物件が望ましいです。

当たり前のようですが、日本では物件の資産価値は新築時が最も高いです。これは地震大国でそもそも物件・建物はいつか壊れるもの、という認識が染み込んでいるからだと想像します。(地震の少ない欧米は古い建物の方が歴史や文化的価値を加味した値付けがされる)
新築時の価値は経年とともに下がり始め、約20年で建物の価値はほぼゼロになると言われています。物件は大抵土地と建物がセットで売られているので(違う場合もあります)、築年20年を過ぎると建物の価値はゼロ、土地のみの価値で物件価格が決められます。

と聞くと古ければ良いのではと思ってしまいますが、ここは地震大国JAPAN。古い建物というのはリスクでもあります。対策として、新耐震基準という建築基準法が1981年に施行され、より強固な耐震性能を建築業者に求めるようになりました。
裏を返すとその施行以前に建てられた物件は旧耐震基準物件と呼ばれ、耐震性能を満たしていないものもあり、リスク高と見られます。
もちろん全ての旧耐震物件がリスクとはいえませんし、メンテナンスで性能補強を行っているところも多いですが、少なくとも住宅ローンを組む際にはこの条件は考慮されると聞きます。旧耐震の場合利率が不利になったり、ローンが組めない事例もあるそうです。

急な真面目モードに入ってしまいましたが、ある程度物件価値が落ち着きつつ、新耐震を選ぼう。という戦略は、あまり資産に余裕のない新卒3年目としては上場の選択だったと思います。

③ 居住目的 = 自分が住みたいと思う

①の売りやすさと逆のように聞こえますが、私はみんながいいと言っても自分が住みたくない物件は買いたくありませんでした
例えば、日当たりの良さへのこだわりはそこまでない方もいるかと思いますが、1Kの小さな窓に辟易していた私にとって日照時間は死活問題でした。そこで角部屋、南向き必須、という日光原理主義のような条件をいつも提示していました。

他にもペットを飼っている・飼いたい人にはペット可の物件がマストでしょうし、洋服が好きな人は大きなクローゼットが必要。まずは自分が住むのだから、自分が住み良い物件に越したことはありません。

そうは言っても、売りやすさと自分のこだわりをどう区別すればいいのかわからないよ!という人のために、私が当時意識していたことをお伝えします。
それは、「ハードは売りやすく、ソフトはこだわりを」という考え方。
ハード=建物自体や立地、管理規約など、自分の力ではどうにもならないところはマーケットの人気条件に合わせる一方、
ソフト=内装や間取りは自分でインテリアを工夫したり、大きく変えたければリフォーム工事もできるのが持ち家のいいところ。私も壁紙を変えたり、ビルドイン浄水器をつけたり、自分が住む上で心地よくなる工夫は後から足しました。
次購入する時はスケルトンリフォーム(間取りを全て変更する大幅工事)にも挑戦したいです。

実際にはこういった条件は物件を探しながら固まっていったのですが、初手で知っておくと随分時間が節約できたなと思います。
この辺りの感覚は、実際にマンション購入・リノベされているブロガーのちきりんさんの話を参考にしました。

次回は実際の物件探しで苦戦したところ、ぼやき中心にまとめていきます。
不動産購入は物件と同じくらい人が大事だなと思ったし、若いうちの購入ならではの苦労が多かった…。

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