【エッセイ】(絶対的に)「できる」「できない」
すべてを滅ぼせるような能力をもった存在は、きっと、それだけの能力をもっているために、すべてを滅ぼさない。
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すべてが滅んでしまえば、その力の行使先がなくなって、その力自体が無意味になってしまうからだ。その力それ自体が失われてしまう、と言い換えてもあまり差しさわりがないくらいには。
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それよりは、その能力の一端を小出しにしながら、ゆっくりと時間をかけて、その滅ぼせるはずの「すべて」と共に、徐々に滅んでいくだろう。それが、その能力が能力として生きながらえる唯一の道であ