
第二新卒転職体験談を小説風にまとめてみた
社会人2年目の12月、新卒で入社した会社の退職を決意した。
1番大きい理由は、以前からなんとなく登録していたマイナビ転職のアプリで、ものすごく興味のある求人を発見して、しかもその求人の掲載期限が割と直近で切れそうだったから。今の職場がものすごく嫌だったとかそういうことではない。むしろ同期にも恵まれ、仕事内容も結構気に入っていた方だ。ただ、今やっている仕事内容をもう少し掘り下げてスキルアップしていきたいな、ずっとここにいるのはキャリア的に危ないかもな、そんな思いはやんわりと抱いていた。そういうわけで、一旦応募してみようという気になった。私は人生において【後悔すること】がとにかく大嫌いなので、例えばAmazonのほしい物リストに入れていたものが売り切れになったり、何かに取り組むときに結果が出てからもっと頑張ればよかったなんて思うのは絶対に避けたいタイプ。故に、掲載期限があと3日の通知がきてから速攻でエントリーシートを書き上げ提出した。もしこの先今の職場を辞めたくて仕方なくなった時、あの時あの求人に応募しておけばよかったなんて絶対に後悔しないように。
すると2日後、なんとエントリーシート通過の連絡がきた。お、これはもしかして私に新たな縁が舞い込んできてるのかもしれない。とりあえず全力でやってみよう。ここでスイッチが入る。応募先の企業のホームページや発信されていたnoteは片っ端から全部読んで企業風土や理念、今後の企業展望などを叩き込んだ。それから、なんでこの求人に惹かれたのか、今の仕事からどういう経緯でその求人に興味を持ったのか、誰が聞いても納得できるように言語化した。約2年ぽっちで積み上げたわずかな実績についても、PDCAをしっかり説明できるように落とし込んだ。新卒の時の就活と違い、標的が一社しかいないのでどこまででも調べられたし時間を割ける。とは言っても仕事をしながらその傍らで面接することになるので楽ではなかった。時間は有限なので、なるべく要領よくこなしたい。とっかかりは箇条書きで、自分の考えたことや伝えたいこと、アピールしたいことをiPhoneのメモに書き連ねた。それから全て一旦チャットGPTに突っ込んで面接用の文章を作成してもらった。最近流行りのAIの活用方法についてはあまり精通していないが、ひとまず自分が知っている範囲で活用してみるのはいいだろうという感じで使ってみたが、実際かなり良かった。以前X(旧Twitter)で見かけた「この文章を60点とした時の100点の文章を作成してください」や「第二新卒の転職面接用にアレンジして」とかいろんな加工文句を使って、ブラッシュアップしていった。やっているうちに、追記したいこともどんどん思いついて気がついたら、想定される質問に対する回答だけでWord15枚くらいになっていた。ここからはかなり私独特のやり方なのだが、Word15枚を全て丸暗記した。どの角度から質問が来ても、結末はWordに書いてある内容に持っていけば緊張していても口が勝手に動いてくれるからだ。私自身、地頭とか能力とかそういう類は全くをもってダメなのだが、記憶力だけは自信があった。要するに自分の得意分野を活かして面接対策に挑んだという感じだ。ほとんどの人は箇条書きでまとめておけば、事前に考えておかなくても臨機応変に質問に対応できるのだろう。私の場合、そんなことをしたら支離滅裂✖️意味不明なことを喋ってしまいかねない。緊張している場合は特に。
そうこうしているうちに一次面接の日になった。一次面接に関しては、割と順調に受け答えできた感覚があった。一応、第二新卒の括りになるので学生時代の質問も結構多かった。しかしこれは私にとってすごくありがたかった。一般的に就活で有利になる言われている長期インターンやサークル統括とはまた違ったジャンルで私には大きく強みがあったからだ。「ミスコン出場✖️SNS運用」「飲食店経営」は受ける企業によってはマイナスになることもあるが、私が応募した企業ではかなりウケた。逆質問の最後の一言に、私が学生時代に美学生図鑑さんに取材を受けていただいた記事を紹介したところ、その場で調べてくれた上に、追加で3、4個質問が飛んできたのだ。食いつきがすごかった。もう4年ほど前のことになるが「美学生図鑑」さん本当にありがとう。特に私の記事を執筆してくださったライターさん。今見返すと、まるで私がすごく魅力的な人物であるかのように経歴やまとめてくださっていて、そのおかげで内定できたと言っても過言ではありません。(そうだこれ、後でライターさんに連絡しよう)
一次面接通過の連絡は翌日に来た。
よし、第1関門突破!残すは最終面接だ。
ところで、人の第一印象は3秒で決まると聞いたことがあるので、面接対策はもちろん、最終面接までにビジュアルも完璧にした。そんなこと言うと、大事なのは中身だと思うかもしれないが、メイクや服は女の武装なのだ。特に精神面の。美容室に行ってトリートメントで髪サラサラにして、まつげパーマして目力あげて、爪先まで綺麗にほんのりピンクのワンカラーネイルで仕上げた。ジャケットとパンプスは新調した。いつも職場にはすっぴんだったが、面接の日はフルメイクで、なんならファンデとチークを専用の筆で丁寧に塗って、仕上げにピンセットで束間まつげまでセットした。自分史上最強に可愛いを纏って勝負に挑んだ。
私が内定した場合務めるのは、応募した企業先のグループの中の仙台にある子会社なのだが、最終面接は本社の人が対応するとのことで、流石にかなり緊張した。実際結構強面で、質問内容も一寸も揺らぎも許さない鋭い質問ばかりだった。例えば、「あなたがもし内定した場合、今の給料よりプラス50〜100万ベースで支給することを想定しますが、営業職未経験の立場でどうやってその価値を提供してくれますか。」「あなたが望む評価が受けられなかった場合、その状況をどう脱却しますか。」かろうじて全部回答したが、正直落ちたと思った。比較的自由な社風ということもあって、髭面ロン毛メガネのおじ様から観葉植物だらけの部屋からドン詰めされる展開。まあまあメンタルやられた。でもやはり後悔だけはしたくないので、高圧的な回答には、あえて自信ありげに高圧的に返してみたし、一次面接の内容が共有されている感じがしなかったので、今回もめげずに逆質問の最後に美学生図鑑の記事を紹介しておいた。正直ミスコンとか学生時代のアレコレが通用するおじ様の気配はなかったが、ヤケクソだったので全てぶつけてやったという感じだ。
翌々日、内定の連絡がきた。これは本当にびっくりした。最終面接の何が良かったのかよくわからないが今考えうる成功の要因は、とにかく諦めの悪い印象を植え付けたこと。それしか思いつかない。入社後に他にも判明したらここに追記しようと思う。
ちなみに天才ライターの方が書いてくれた
美学生図鑑の記事はこれです▼
岩本弥優(埼玉大学)「ミスコンでの悔しさをバネに茶カフェを経営!埼玉愛溢れる道産子美女」 | 美学生図鑑
私の人生の約7割を要約してくださりました(笑)
ここからは転職予定の人に参考になれば嬉しいな程度で語っていきます。
①マイナビはおすすめできない
私の場合マイナビのキャリアアドバイザーを使ったとかそういうわけじゃないのですが、マイナビ経由で企業に応募(エントリー)すると、必ず仲介でマイナビの中のその企業担当の人が入ります。つまり、企業からの提出書類や選考結果等が全てマイナビ経由になるので企業と直接やりとりはできません。いちいちメールを考えるのがめんどくさい人はその方が楽という意見もあるかもしれませんが、あまり当てにしてると大変なことになります。(後述します)
それから、この仲介の人は表面上面接対策をしてくれますが、本当に表面上です。(笑)私の場合、面接対策という名目の電話で一応Wordを事前に送っておいたのですが、もちろん目は通していなかったですし、不安な点についてアドバイスを求めても、ありきたりな回答しか返ってきません。面接通過後すぐ電話をくれたのですが、メール(文面)で内定通知をなかなかくれなかったので、催促してメールを確認するまで内定は幻かと疑っちゃいました。また、最終面接までに先方に事前に聞いておいてほしいことを聞かれたのでいくつか列挙したら、結果面接までに一つも聞いてきてくれなかったりしました。最後にやり取りが終了する時も特に挨拶とかないので、こちらもアプリを消していいのかわからず、とりあえず一方的にお礼メールとアプリ消す旨を送ってお別れしました。(笑)
それから、マイナビ転職アプリを利用する人は注意してほしいのですが、企業と仲介者と提出書類をやり取りする時、マイナビのスマホアプリ上だとファイルの受け取りも添付もできないので、いちいちマイナビのWEBサイトにログインしてやり取りする必要があります。シンプルにめんどいです。
②バックグラウンド調査がある
バックグラウンド調査って皆さん知ってますか?私は今まで全く聞いたこともなくて、転職で求められた時は少しびっくりしました。バックグラウンド調査とは、入社前に、学歴や職歴に詐称がないか、犯罪歴や破産歴、反社チェック、民事訴訟歴などの調査を行うことで、場合によっては前職の勤務態度や個人SNSの調査をすることもあるらしいです。そんな個人情報をいちいち調べたりしてなんか怪しくない!?最初は私もそう思いました。しかし、日系企業では導入している企業は少ない一方で、外資系企業では結構当たり前に実施されてるみたいでした。ネット上では、アメリカでは95%の企業がバックグラウンド調査を実施していると言うデータもありました。というのも日本に比べてアメリカは犯罪率が高く、犯罪内容も重たいというのが背景にあるみたいですね。アメリカでは「過失採用」や「怠慢雇用」という考え方が浸透していて、もし企業が十分な調査をしないまま採用してトラブルを起こしてしまった場合、過失採用として企業が責任を問われることがあるそうです。 なので転職候補者もバックグラウンドチェックを実施していない企業に対して「従業員に興味がない会社」という判断をすることも多いそう。アメリカにおいてバックグラウンドチェックの実施は、雇用の質を上げるだけでなく自社の評判を守ることにも繋がっているとのことでした。(ほぼネット引用)
なので、いずれ日本もこういう考え方が浸透してバックグラウンド調査が当たり前になる、という可能性も少なくはないんじゃないでしょうか。ともあれ、外資系企業を受ける予定の人はそういうのもあるかもなって想定していた方が良さそうです。
③オファー面談は気合を入れて
内定が決まると、入社後の待遇と入社意思を確認し合うオファー面談というものがあります。私の感覚では、ここでやっと企業と同じ立場で話し合えるようになったという感じがしました。年収はもちろん、福利厚生のこと、残業の具合などもこの場でなら遠慮なく質問できます。ここからは私の話になりますが、簡単にいうと、提示された年俸額が想定より低かったので企業と一悶着しました。そもそも、一次面接前に現職の基本給や家賃補助、ボーナスなどのアンケートを提出していて、それも一部加味して年収査定すると聞いていたのですが、どうもそれが正しく伝わっている気がしなかったのです。どうやら、おそらくマイナビの仲介の方の補足が足りず、家賃補助やボーナス抜きの年収で伝わっていたようでした。また、このタイミングで運悪く(いいことなのだけど)現職の内示で昇進も決まってしまいました。「ええどうしよう、転職しても思ったより年収低いし、思いがけず昇進したし現職に留まるのもありだな。」私にこんな考えがよぎります。ここで私が一つ誇れるのは、その時点で自分でよく考えて、諦めずに企業に交渉したことです。現職で昇進したということは私の市場価値は少なからず上がったということ、面接であんなこと言われたのにこの年収じゃ正直納得できない、仲介者がいたことで直接やりとりできていなかった為に正しく年収アンケートの内容が共有されていなかったかもしれない、これらの不満を解消すべく、私は果敢にオファー面談2回目を申し込みました。ここで声を大にして言いたいのは、提示された待遇に疑問を持たずにただ受け入れるのではなくて、少しくらいガメつく生きてもいいじゃないかってことです!私みたいに大して有能じゃなくても、行動力とガメツさがあれば人生が少し有利に動くことが少なからずあります。なので、オファー面談は気合を入れて、交渉をめんどくさがらずに自分の人生を前向きにするための健闘だと思って、面接後で疲れてるかもしれないけど、もうひと踏ん張り頑張ってみてほしいです。
④内定承諾か見送りか
前述の通り、内定が決まって間もなく現職の昇進が決まったおかげで正直かなり迷いました。
給料は勤め続けた方が(少なくとも先1年は)高くなるし、別に今の仕事が嫌いなわけじゃない、むしろ好き。それでも転職をとったのは今後のキャリアを見据えての判断でした。一般的に第二新卒の転職は新卒から3年以内(厳密には25歳らしい)と言われている中で、25歳の私はこの職にずっと就き続けると転職先が限られるのではないかと不安に思っていました。というのも、やっていた業務内容が(具体的な企業名は避けますが)楽天市場のEC店舗運営、つまりかなり幅が狭めの業界。しかもEC店舗を展開している会社としては業界最大規模だったので、転職によるこれ以上の待遇は望めない状態でした。また、2年前まで高卒採用がメインだったので、平均年齢22歳と会社内でも異端に若い部署で、上司でも年下の方がほとんど。もちろん優秀な先輩方がたくさんいましたが、もう1年くらいで天井が見えるという感覚があったのも事実です。そしたら、それよりかは全く新しい職種に飛び込んで、知識も経験も遥か上で私を育てる気満々の上司のもとで仕事をしてみたいなと思いました。他にも、前職の仕事内容はマーケティングの要素はあるものの、どうしても売価や商品ページのメンテナンスを手作業で行う場面が多く、本来自分が深めていきたいマーケティングスキルの向上にフルベットすることができないという状況も不満の一つとしてありました。前職の会社は、家賃補助も手厚く残業代も1分単位、ボーナスや基本給に関しても新卒2年目にしては申し分なかったのですが、目先の裕福じゃなくて5年先10年先を見た時に自分にメリットがあるのは、稼げるのはどっちなのか、本当によく考えて決断した結果、転職するという答えになりました。
私自身、全く大した経歴じゃないのですが、もしこれから第二新卒の転職を考えている方がいるのなら、
①5年後10年後のキャリアを想像する
②今の仕事の不満はなにか、転職することで改善が望めるのか
③自分の意向と転職先に矛盾がないか
④ もし転職先が自分の理想とギャップがあってもその決断に後悔しないか
⑤ 信用できる人に積極的に相談する
この5つを判断材料にすることを勝手にお勧めしておきます。転職って受験並みに人生左右することなのでめちゃくちゃ悩むと思います。なので、あくまで参考程度に頭の片隅の片隅にでも置いておいてください。
ここまで繰り返し、私自身後悔することが大嫌いと言い続けてきましたが、今回の転職において一つだけ後悔していることがあります。それは昇進した先の仕事を経験できなかったことです。予定では部下もつけていただける予定だったので、やっと手に入れた裁量権でやってみたかったことが本当はたくさんありました。「何かを得るには何かを手放さなければならない」って言葉をどこかで聞いたことありますけど、要するに全ては手に入らないということですよね。悔しいけど、今後の私の人生をかけてこの選択を正解にすることが私のミッションだと思うことにして、社会人第二幕を精進していきたいと思います。
最後に、こんな長ったらしい文章を最後まで読んでくれた人がもしいたのなら、お疲れ様でした!
ありがとうございました!
(6623文字)