
【母ちゃんと2人】②明日の明朝〜私が防災について書く理由〜
皆様、こんにちは!
昨日に引き続き、私が経験した阪神大震災を書きます。生々しい表現もありますので、苦手な方はご覧にならない事をお勧めいたします。
〜ここから昨日の続き〜
その時一階で1人で寝ている母ちゃんに「大丈夫か?」と声をかけまだ余震で揺れている中、自身の掛け布団を持ち階段を転げ落ちる様に降りました。
そして母ちゃんの部屋に行くと掛け布団を頭から被った母ちゃんが怯えながら「大きい地震や」と叫びながら震えていました。
母ちゃんの部屋には母ちゃんが嫁いだ時にじっちゃんばあちゃんから貰った大きなダンスが。
それが倒れていたら間違いなく母ちゃんは…
まだ真っ暗な中、逃げ道を確保するために玄関を開け、窓も全開に開けた。
考えられない様な地響きがリアルに聞こえる。
その時の音を文字にすると「ゴォー」だったと思う。いや、そんな簡単な音ではなかった。
それから20分ほど身動き取れず母ちゃんに布団を被せて外を眺める。
だんだんと明るくなり、余震の間隔も広くなって来た。
そこで、「母ちゃん、ちょっと外見てくる!」と、玄関にある適当な靴を履いて外に出てみる。
すると、全くの別世界がそこにはあった。
外壁という外壁が全て倒れてなくなっており、隣の家の屋根が目の高さに…
「なんじゃこれは?」と少しの間、自分の目ぎ信用出来なかった。
次に自分の家に戻り台所やリビングに行ってみる。想像はしていたが、ここまで全ての家具がぐちゃぐちゃになっているとわ。
巨人に家を持ち上げられシャッフルされたような。
母ちゃんに事情を話し、ゆっくり2人で布団を持ったまま外に出た。
そこで気になるのが隣の家。(それまでは本当それどころじゃなく、思考停止状態)
隣には子供の頃にお世話になって60代のご夫婦がお住まいだった。
「おっちゃん、大丈夫か⁈」と声をかけると一階部分が潰れ、二階部分から「助けて…」と薄っすら声が聞こえる。
とっさに2階部分の窓を叩き割ると、タンスに挟まったおっちゃんがいた。
助け方が分からなかったが必死にタンスをのけ、おっちゃんを抱え出した。
何とか息もあり、意識がある。
そこで「おばちゃんは?」とおっちゃんに聞くと、「一階や」と返事。
その瞬間、「これはもうダメだ…」と心の中が何とも言えない悔しい気持ちが込み上げた。
でも諦めるわけには行かない。その時、近隣の男性達が一気に集まり、「一緒に持ち上げるぞ!」と、男4人で崩れた柱を持ち上げる。
すると、布団にくるまったおばちゃんの人影が…。
「助かる!」と誰しもが思っただろう。
1人の男性が崩れた家の中に潜り救助に入った。
すると、何も持たずに眉間にシワを寄せた男性が、真っ青な顔で出て来た。
「あかん」の一言。
そこにいた全員が下を向き、なんとも言えない自分への不甲斐なさを感じた。
時間は止まった。何分経っているのかも誰もが興味がない。
そしておっちゃんにおばちゃんの事を伝えた。
今でも忘れられないおっちゃんの声。
「おぉぉぉぉ…」という言葉ではないが悲しさや辛さが全て入った叫び声。
それから20分ほど経ち、おっちゃんに少し冷静さが戻って来た時におっちゃんから「出してあげて欲しい」と声がかかる。
一回中に入った男性は「おっちゃん見ない方がいい」と絶対に誰しも大変な状態である事が分かるようなセリフを出す。
この時おっちゃんは覚悟した様にも見えた。
私とその男性でもう一度中に入る。おばちゃんの布団に近付く。見えづらかった状態が段々と見えてくる。
布団から足が出ている状態。その先に目を向けると太い柱がおばちゃんの頭の部分に…
もうこれ以上はこの件については書けません。
ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。震災の怖さをリアルに皆様に伝えたく、私の拙い表現で必死に書いております。
明日はこの続き「避難所への道、避難所にて〜人間の醜さ〜」を書きたいと思います。