natsuo

楠原夏緒です。 名前は、女流文豪の大塚楠緒子さんから勝手にいただきました。いつか、自分の本が本屋さんに並ぶことを夢見て、書き貯めている文学少女のなれのはて。

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楠原夏緒です。 名前は、女流文豪の大塚楠緒子さんから勝手にいただきました。いつか、自分の本が本屋さんに並ぶことを夢見て、書き貯めている文学少女のなれのはて。

最近の記事

つくりものの魂

作リ物ニハ作リ物ノ魂ッテノガ宿ルカラナァ 何かの漫画のセリフだった。確か「魔法使いの嫁」だったか。原作が実家にあるので詳細はわからない。 私は、つくりものである。 決して天然物とは言えない私は、アップデートを繰り返しながら緩やかに老化していく。 本を読むことで、脳のなかに質量を増やす。いつか世界中の面白い文化を全て詰め込んだ脳みそになりたい。 夜歩くことで、筋トレを繰り返すことで、からだのなかに力を増やす。いざというときに振るえる力は多い方が良い。 芸術に触れること

    • まだどの辞書にも載っていない言葉について

      「すほみあ」 車で通り慣れた道も、夜に徒歩で通るとどこを歩いているのかわからなくなること。いつも見ているスーパーの灯りが異常に遠くに見えたり、まだ見えないはずの位置に葡萄畑が現れたりする感覚。時折本当にいつもの道から外れて、その境界線を歩いていることがあるので注意。 「のてそ」 盲目の人に空の青さを伝える術がないように、目の前の相手と感覚による疎通が絶望的に出来ないと悟ること 「れしてな」 眠る直前にふいに頭が冴え、さっきまで考えていた事柄が急速に脳みそから遠ざかっていく

      • 「スピッツ」という名前の天気があれば、それはきっとこんな雨。水を得た魚こと、サカナクションとリスナー~私とサンサンのラブシャDay2~

         8/31(土)午前、仕事が入った。その日、私はラブシャだった。  それはそれは運命を呪ったが、とりあえず午後からでも行こうと意地を固めた。  そしたら奴が来た。  台風10号、その名をサンサン。無駄にご機嫌な名前のそいつは、西日本をゆっくり堪能しつつRUSH BALLを叩き潰し、その手をラブシャに伸ばしてきた。    勘弁しろよ、雨の中仕事して、しかもラブシャに行けなくなったらどうすんだよ。死ぬぞ。サンサンてめぇ来んなよチケットも持ってないくせに。  しかし、サンサンは

        • ねぇ、今までで一番恥ずかしかったこと、なに?

          生徒A「ねぇ、今までで一番恥ずかしかったこと、なに?」 生徒B「えー、何かなあ」 生徒C「俺、教室で鉛筆拾って、「この歯ブラシだれの~」って聞いちゃったこと」 生徒A「ウケる」 生徒B「俺、この前授業中に先生に向かって「お母さん」って言っちゃった」 生徒C「日常的にママ呼びしてなくて命拾いしたね」 生徒B「それな」 生徒A「私は、授業中に居眠りして、寝言で「ヘイSiri、その犬にダイナマイトだよ」って言っちゃった」 生徒C「どういう寝言?どんな夢?」 生徒B「なんで寝言覚えて

        • つくりものの魂

        • まだどの辞書にも載っていない言葉について

        • 「スピッツ」という名前の天気があれば、それはきっとこんな雨。水を得た魚こと、サカナクションとリスナー~私とサンサンのラブシャDay2~

        • ねぇ、今までで一番恥ずかしかったこと、なに?

          年収2000万のマチアプ男より、どうでも良い青色の夜を愛する

           夏が終わりはじめると、思い出す夜がある。    マッチングアプリで知り合った男と、数回のデートの後、飲みに行った。  居酒屋を出て、近くのカラオケボックスに向かって2人で歩く夏の夜。  その男は年収2000万近くを稼ぐ医者で、その設定を100%ウソだと思い込んだ私は彼の「いいね!」を受けとり、「ありがとう」を返した。  一体どんな「ぼくのかんがえたさいきょうのおいしゃさん」設定が飛び出してくるのか、ワクワクしながら顔合わせのカフェに向かったものだ。  面白半分ならぬ、面

          年収2000万のマチアプ男より、どうでも良い青色の夜を愛する

          丸石道祖神の怪~物事は自分の期待どおりに行かない恐ろしさについて~

           私の住む町の道祖神は、丸い。  本来、道祖神は男女の双子の姿をしている(多くの場合、体はひとつに繋がっている)  山梨や長野の一部だけ、まん丸の石を道祖神として奉る地域がある。  私は、この丸石道祖神が、小さい頃から好きだった。  理由は、その理由がわからないところだ。  小学生の時に母に聞いたら 「うーん、長野や山梨には海がないから、真ん丸になるほど角が取れている石は珍しかったんじゃないかな」  と答えられた。  成る程、納得感のある答えだった。  しかし、大人

          丸石道祖神の怪~物事は自分の期待どおりに行かない恐ろしさについて~

          次女との対談(しかし我々は帝王切開生まれであった)

           2日前の記事で「長女、挫けるな、推しと共に強く生きよ」と偉そうに書いた。  たまたまそれを見たリア友(姉弟持ちの次女)が 「そうは言っても、うちら次女だってそれなりにそれなりだよ」 と言ってきた。  いわく、 「産まれたときから兄弟がいたから、父母の愛情を一身に受けたことなどない。中高の上履きはお下がりで、一人だけ学年色と違う色で肩身が狭かった。小中で、色んな先生に「○○の妹さんだね、よろしく」と常に姉と比較された。第2子は第2子の業がある」 とのこと。  成る程、

          次女との対談(しかし我々は帝王切開生まれであった)

          大地の芸術祭、もしくはアートはなぜワケわからんのか、についての一考察

           一考察、とつければ全て許されていたの不思議だな、卒論。  私はちょびっと芸術っぽいものを齧れる大学にいた。その頃は、わからないアートをわかってる風に見てるのがカッコいいと思っていた。今は、なぜわからないのだろうと考えている。  曲がりなりにも人の手が創りしものを、人が理解できないなんてことあるか?なぜ私には、目の前のこのアートがわからないのだ?  長年にわたるこの問いの、答えかもしれない断片を得てきたので、忘れないように書き記しておく。これは、「アートってワケわかんないよね

          大地の芸術祭、もしくはアートはなぜワケわからんのか、についての一考察

          長女は心の中に推しを飼え。SAMSUNGはヒロアカを履修せよ。

           心の中に、石田ゆり子と爆豪勝己とギャルを飼っている。  この一文を打ちながら、私のこのスマホは「ばくご」と打っただけでは爆豪勝己の名前が予測変換候補に出てこないタイプなのだと思っていささか寂しくなった。  前のスマホは日本の企業のものだったからか、開発者にヒロアカオタクがいたのか、ヒロアカの主要人物は大体予測変換で出てきた。  すげえなって思った。  今のスマホは韓国製のためか、安くて写真が綺麗で良いのだが、私の推しの名を知らない。こんなことなら前のスマホのときにもっ

          長女は心の中に推しを飼え。SAMSUNGはヒロアカを履修せよ。

          呪詛(しにたい→しねばいい、は回復の兆し)

           私が感じたことが「誤解」なら、てめぇの真意はなんだったんだよ。  こいつの足の小指に一生あらゆる角がぶつかりますように。  こいつの買うマジックカットがすべてタレギリギリで切れますように。  こいつの洗車後、毎回大雨が降り注ぎますように。  こいつの全夏の夜に、蚊が2匹飛んでいますように。  言葉というものは、発信者ではなく受け取り手の物である。相手に届いて初めて意味のあるものになる。届かない限り、ただの線もしくは音である。  であるので、私は「誤解させてしまっ

          呪詛(しにたい→しねばいい、は回復の兆し)

          初めまして文学少女のなれのはてです。

           かつて文学少女、文学少年であったあなたへ。  校庭でドッチボールをするより、教室で本を読んだり絵を描いたりしていた君へ。  本当はちょっとだけ、本よりみんなとのドッチボールを楽しめるような自分になりたかったおまえへ。  でも、孤高の読み人として教室に居座る自分もちょっとだけ悪くないかもとか思っちゃってたおぬしへ。 夏になるとその頃を思い出し、「今年の夏は本読んじゃおっかな~」とか言って買い込んだ本が積み上がったまま、盆休みを終えてしまった自分へ。 そんなyouと友達になりた

          初めまして文学少女のなれのはてです。