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【世界蒐集】10日目、世界の解像度

ここ数日、人生でいちばんにやらかしたかも、という出来事に落ち込んで、3日ほど経ってしまった。
これはいつか、30年後くらいの笑い話にできたら良い、はたまた墓場まで持って行くか。

今日は美術館に行った。
私の感情の遅さでは、とても追いつける世界じゃなかった。私、言葉にするのが苦手なんだ、本当に。
空想に語彙を持たせること、最高に素晴らしくて素敵なことだと思った。
才能の一言で片付けてしまいたくなる時点で私は、何が好きで何をしていきたいのかを見つけられていない。好きなものがたくさんあってずっとずっと迷子だけれど、そんな悩みさえひっくるめて愛していきたいと思わせてくれるのもまた、好きなものなんだ。
私にとって、「好き」の感情の6割くらいを苦しい瞬間が占めているように思う。
世界の解像度はいつまでたっても上がらない。
これは結局、語彙力が欲しいって話なんだと思うから、また本を読む。圧倒的に感情と言葉が世界に追いつけていない気が、ずっとしている。ぼんやりした世界ばかりを見つめていてはダメだ。そろそろ、私は私をしっかり掴みたい。焦りばかりが浮かんでくる。
そんな今日も、いつかは愛せますように。 
今日はとても、醜いね。



夢から醒めない、醒めない。

風をなくした世界で、巨大な風車は回るのをやめた。

人のいない工場に明かりが灯る。

いつか、流れる景色の中で沈みゆく夜景は、

飽きれるほどに大きくて、人を隠して、ただ真っ白な煙だけを吐き出し続けていた。

誰かの夢。昼に眠る、夜の夢。

夢から醒めない、醒めない。

酸素をなくした世界で、彼はたった一人の住人になる。

彼だけが呼吸の苦しさを知っていて、彼だけが風のにおいを覚えていて、

彼だけが夢の甘美さを忘れない。

地球儀の中で魚が泳ぐ、森が育つ。

広い星を信じた魚たちは、砂時計と共に朽ちていく鳥籠を知らないまま死んでいく。

懲りることなくバベルの塔を建て続け、風を忘れ、愛すことをやめ、

誰もいない工場の明かりだけが美しい。


-美術館の詩-


何処にも行けない気がする日は、本を読む。
野又穫展に行ってきました。

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