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天使の話
去って行く人の話ばかりで溢れていて、逃げるように本を読んでしまう。切実な読書。
別れが悲しいとかではなく、別れすら悲しめないなら私の心はどこにあるの と思う。自分の感情に自信が持てないから、私は何もないところに生み出される感情に惹かれてしまうんだろう。時々それがとてつもなく苦しく迫って来てしまうけれど、本や映画や音楽で心を動かされている瞬間だけは、私にも一人前の心があるのだと信じられる。
好きなものは偉大。
だから今日は、愛してやまない天使の話。
天使が街に、舞い降りた。
私だけの天使。
いつもより、世界が素敵に映るのはあなたのせい。
いつもより、知らない誰かの優しさが目につくのはあなたのせい。
私の毎日の、その一欠片でもあなたの目に光を結んだのだとしたなら、
それはただ幸福と呼ぶしかないのです。
天使が街に、舞い降りた。
誰にとっても天使。
鏡に映る姿だけを人々に見せて、
あなたは何を、想っているの。
いちばんすきな、食べものさえ知らないけれど、
あなたは麗しい、私の天使。
ディアマイエンジェル
-ディアマイエンジェル-
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