高野山の『宿坊』に泊まってみた！
このまま働き続けて良いのだろうか？30歳になって色々と悩むことも増えてきた。そんな時に友人から”高野山のお寺に宿泊する”ことに誘われた。瞑想体験とかあるらしいし、精神が研ぎ澄まされそうで、まさに今の私にぴったりかもしれない。昨年友人に誘われた一泊二日の宿坊体験をまとめてみた。
高野山ってどんなとこ？
高野山とは和歌山県にある、空海（弘法大師）が開いた真言宗の総本山で、高野山全体で総本山金剛峯寺というひとつのお寺になっている。詳しくは↓
総本山金剛峯寺とは | 高野山真言宗 総本山金剛峯寺 (koyasan.or.jp)
高野山に行く前の印象では、広大な山の中にお寺がぽつぽつ存在しているのかと思っていた。なので、車が無いと観光するのは無理だろうと考えていた。でも、実際に行ってみたら金剛峯寺を始めとしたメインの観光スポットと多くの宿坊は徒歩圏内にあった。また、金剛峯寺以外は何も無いんじゃないかと危惧していたが、宝物殿など観光施設も各種あり、宿坊での宿泊後に十分楽しむことができた。
光明院で宿坊体験
今回宿泊したのが『光明院』というお寺。平安時代の末期に高野山に創建された歴史のあるお寺だそうだ。詳しくは↓
http://www.komyouin.jp/
１日目
15時 チェックイン
お茶とお菓子でお出迎え。スケジュール、館内について説明を受ける。少し時間があったので周辺を散策。
16時 護摩にお願いごとを記入＠部屋 するかどうかは任意
記入した護摩は翌朝の護摩行の時にお焚きあげしてもらえる。記入するときに何て書こうか迷ったときのために、お願い事一覧もばっちり準備されていた（笑）。ちなみに、お焚きあげしてもらうために1000円の費用がかかる。費用はチェックアウトの際に支払えばOK。
17時 瞑想体験＠お堂 40分くらい
お坊さんから瞑想方法の説明を受け、薄暗いお堂に宿泊者のみ残されて20分の瞑想。起きてたつもりだったけど寝てたらしい。頭がぐらぐらしてたと友人に指摘された（笑）。
18時 晩御飯＠食堂（個室） めっちゃ量多い お腹パンパン
精進料理と聞いていたので、質素なものだと思い込んでいた。肉や魚がないだけで全く質素ではなかった。天ぷらが独特で、揚げたてだけどモチモチした触感でとっても腹持ちがよく、修業的な感じはなかった。かなり量があったので、完食するのに１時間以上かかった。
19時 入浴
浴室が宿坊にひとつしかなく、時間帯で男女を分けてあるとチェックインの時に説明を受けていた。19時～20時が女性タイムなので、20時までには上がっておく必要があるが、夕食に時間がかかったので焦りながら浴室へ。時間帯で男女が分かれているので、浴室の入口に女性タイムであることが分かるように目印があるものと思っていたら特に何もない。ちょっとドキドキしながら扉を開け、置いてある下着が女性ものであることを確認して入浴。
20時半 写経＠部屋 するかどうかは任意 これまたお焚きあげすると1000円（笑）
入浴を終え髪を乾かし歯を磨いてから、部屋で般若心経の写経をした。薄く書いてあるのを筆ペンで無言でなぞっていくというもの。きちんとやったら、結構時間がかかって1時間くらいかかった。
22時 消灯
朝早かったのもありすぐに布団へ。疲れて眠いのだが枕が全く合わず、位置をずらしたり、枕を外してみたりと寝付くのに時間がかかった。ちなみに、敷布団は厚みがあり快適だった。
２日目
7時 朝のお勤め＠お堂
3人のお坊さんがお経を唱えているのを聞く。突然の実践でお焼香をするというのがあったが、運よく先にほかの人がやってくれたので、それを真似て無事に朝のお勤めを終えた。お勤めのあとはお堂の中を歩きまわって、仏像についての解説などをしてくれた。8時から護摩行がありその前に朝食をとる予定なので、30分くらいで終わるかなと思っていたら30分を超えてきた。40分くらいあったと思う。
7時40分 朝ごはん＠食堂（個室）
護摩行までも時間ないし今度こそ質素かと思ってたが、わりとしっかりめの朝食。梅干しが美味しかった。
8時 護摩行＠護摩行の場所 写真撮影自由（驚）
30分くらいかと思ってたら、煩悩と同じ数の108本の木を燃やしたとのことで60分程度かかった。昨晩書いた願い事の護摩もお焚きあげされ、自分の名前と願い事が読み上げられているのも聞こえた。護摩行のあとはお坊さんからいろいろとお話があり『雨の日には空海さんが高野山にいる』と教えてもらった。その日は土砂降りで残念な気持ちだったのが、それを聞いて多少気がまぎれた気がした。でもやっぱり、自分が高野山にいる日は空海には遠慮してほしいなと思ってしまった（笑）。
9時すぎ チェックアウト
空海がどこかに行ってしまったのか、チェックアウトするころには雨が止んでいた。
宿坊に宿泊して
瞑想体験、写経、朝のお勤め、護摩行など様々なことを体験できとても濃密な時間を過ごすことができた。私にとってそれらは今までにない新鮮な経験だったが、そこにいたお坊さんたちは毎日やっていること。
私たち宿泊者をもてなすためのパフォーマンスでやっていることではない。私たちにとっては非日常でも、それを日常として生活している人がいる。自分の人生を見つめ直すことができたかは、正直分からないが自分たちの日常から離れていつもと違う体験ができたのは間違いがない。