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育休中に会社の同期たちと会うのはちょっぴりしんどかった

娘の哺乳瓶拒否がなくなったので、夫に娘を任せて会社の同期2人とランチに行ってきた。

同期と言っても中途入社が多い会社なので、入社時期は数ヶ月ずれているし、年齢もバラバラだ。
大体同時期入社、略して同期だ。

仲良くしている同期のうちの1人は女性、もう1人は男性で、女性は独身、男性は最近同じく子どもが生まれたパパである。

同じ会社に身を置くものとして、やはり会話の中心は仕事のことだったり、共通の仕事仲間の話が多い。
近況報告の後に、これからみんなどういうキャリアを考えていこうかだの、いつ転職をするのかだの、話すことは出産前と変わらないが、そんな話になった時、ふと気付くことがある。

この中で職場という社会との関わりがないのは、私だけだ。

私が娘の機嫌に一喜一憂し、今日はうまくお昼寝をさせられた、今日は新しいおもちゃが気に入っていた、今日は娘が寝ている間にキッチンの片付けができたと小さな達成感で心を満たしている時に、彼らは会社で数百万、数千万、数億単位の事業を動かしている。

どちらが偉いとか大変だとか、そういう話ではない。
ただ、関わる世界の狭さに愕然とした。

皆が軽快な足取りで進むなだらかな道を、自分だけ小さな石ころを拾っては避け、小さく伸びた野草をスケッチし、立ち止まりながら時間をうんとかけて歩いているような気分になった。

新米パパとの子育ての話も、共通の話題なはずなのに心の中はささくれ立つばかりだった。
夜泣きが大変で、ミルクを飲まなくて、なかなか寝てくれなくて、そんな話題で盛り上がりながら、心では最後に思ってしまうのだ。
でも、あなたは昼間会社に行ってるから、子育てで大変なのは1日の20%くらいでしょう、と。
さも自分の悩みのようにいうけれど、仕事中は育児のことなんか考えないんでしょう、と。
めちゃくちゃ性格の悪いやつである。

その新米パパのために言っておくと、彼は2ヶ月育休をとり、しっかりと育児と向き合った素敵なパパだ。
ぴよろぐ(育児アプリ)を駆使し、ミルクの量や睡眠時間、排泄の回数まで、すぐに答えることができるほど子どもと向き合っている。

それでも1日中育児をしている私には、平日5日間育児以外の社会との関わりを持ち、お金を稼いでいる彼が、同じ土俵で育児を語ることがすごく嫌だと感じてしまったりする。
むしろ、奥さんに任せっきりで、仕事しかしてませーんと言われた方が私の心は安らかだったかもしれない。頑張っているパパに対して、勝手なものである。

そう、これは私が勝手に抱いている感情であって、「女性が」とか「男性が」とか主語を大きくして語りたい問題ではない。
男性は育児にしっかりと時間をかけて、女性と同じ土俵で育児のことを語ってほしい。たとえ私みたいに心がささくれだったママがいたとしても、言わせておけば良いのだ。これは私の勝手な醜い嫉妬に過ぎないのだから、なんか勝手に妬まれているな、とスルーしておいていただきたい。

社会との関わりが羨ましいと思いつつ、私の心は複雑で、普通に歩いていては気づかない野花に足を止め、指でつついてじっくりと観察するこの生活が、結構好きだったりする。
軽快な足取りで見る大きな空や広がる緑の景色も開放感があって良いが、足元に咲く季節の花の変化も、可愛らしくて愛おしい。


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