ブルーアワーを君に送る

未明の頃合いに私は外に出て桟橋に横たわり写真を撮る

この時間にだけ姿を現す紫と青が入り混じった空、ブルーアワーを瞳とカメラに収めるのが日課だ

私がこの空を撮る理由はまだ私が始まっていないから
陽が登らないこの時間が私に味方してくれるような気がした

私は未熟で未完で未成年で
物語は始まってさえいない

誰か1人、理解者が欲しかった
派手なブランドや飾りのための恋愛、
見栄だけに留まらない人と繋がりたい

私はその1人に期待してしまう

君だけは違うよねって
私の味方でいてくれるよねって

教室という狭い小宇宙に疲弊した頃
君がプロローグの扉を開けてくれた

写真を君に送った
返信が来ないか待つ間は途方もなく長かった

3分後に届いた君からのメッセージ

「上手く言葉にできないけど、君らしくて好きだな。」

私は読んで微笑んだ、というよりニヤけてしまった

今日から物語が始まる、そんな予感がする
あ、今暁が世界と私を照らし始めた

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東雲そら
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