exダーリン（exとは昔のという意味、昔の恋人を表す言葉）クリープハイプ

exダーリン/クリープハイプ

新しい年がやってくる。

そうすると、急に夕暮れのオレンジ色が
明るく感じるのは、私だけだろうか。

闇に覆われる感覚ではなく、ネイビーブルーの闇から
少し濃い夕焼けの光が綺麗なグラデーションを成していて、これからまた新しく心踊ることが待っているんじゃあないかと、不確かなことを確かに期待する季節。

そして、その夕暮れを見ているといつも思い出す。
アイツのことを。

新しい年の訪れと共に、今年は、曖昧なこの関係を終わらせてやると心に誓い、もっと新しい出会いがあるのじゃあないかと、不確かなことを期待している季節。

この空の色みたいだ、と
何度思ったことだろうか。

今年も同じ冷たい空気に淡い期待をのせる季節
でも、もうアイツのことを思い出しても
ネイビーブルーな暗い気持ちも、不確かなことに期待する薄暗い中の微かな希望も感じない。

なぜあのとき、あんなに執着していたのか
全く思い出せないどころか、少し胸の辺りがむかむかする。

裏切られた傷は、胸の奥の奥にまだ残っている。

時間が経つと、ぐじゅぐじゅの傷口は
体に痕として刻まれて、今もまだ私と一緒に存在している。

不思議。

全てを捨てるくらい
私の全てだと思うくらい
好きだった人

今はもう、好きだとか愛おしいとか、微塵にも感じないけれど
1月の冬の夕暮れを見るとあの時の記憶が少し蘇る
短く髪を切った時に、かわいいと言ってくれたことを思い出す
クリープハイプのexダーリンをふと聴きたくなる

初めて知った
セリーグとパリーグの違い
あの娘とのあたしの違い

今でも私の体に痕として刻まれてるんだなって思うと
なんだか、まだあなたに負けているみたいで悔しい気持ち30%
クソほどどうでもいい気持ち69%と
今どうしているかなという気持ち1%

そうして、私の体には、また好きだった人の思い出が刻まれていくんだな。

ねぇダーリン
今夜は月が嫌いだよ


笑ったとき鼻を啜る癖が
いまでも、まだ、愛しい