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【note記事を本にしたい人へ】書籍化までに実施したプロセスを公開します。

今年の4月に初めての書籍を出版しました。自分の書籍が本屋で並んでいるのを初めて見たときは、夢のような気持ちでした。

出版してから、

「どうやって本書いたの?」

「本を書くネタがあるのが、すごい」

と言われることがあります。


ずはりお答えすると、「私が書籍を出版できたのはnoteを書いていたから」です。

私はnoteを書き始めて約2年で500記事のnoteを書き溜めていました。

この記事たちが無かったら、書籍の出版に至ってなかったと言いきれます。なぜなら、これまで書き溜めたnoteから書籍を組み立てることができたからです。

たとえば「何かお食事作ってください」と言われたときに、手元に食材すら無ければ調達から始めなければなりません。
でも、食材があれば「何作ろうかな?」と組み立てることができますよね。


書籍はだいたい5万字から12万字でできているそうです。たとえば、800文字のnoteが100記事あれば十分構成できる(8万字になる)計算になります。

最初はまさか自分が出版するとは思いもしませんでした。自分には縁遠いことのように感じていたんです。

でも、これまで書いてきたnoteから構成案を作っていくうちに、何だかできるような気持ちに少しずつ変化していきました。

書籍化は特別な人だけのものではなく、積み重ねたものを丁寧につむぐ作業です。

このnoteでは私の書籍づくりの経験を踏まえて、書き溜めた記事のnoteから「書籍」にする方法を解説していきます。

・noteを書いていて、いつかは出版したい
・noteを何かのアウトプットにつなげたい
・これまで書いたnoteを振り返りたい
・これからnoteをがんばりたい
・書籍づくりの裏側に興味がある

という方に、何か役立つヒントがあればうれしいです。

商業出版でも、Kindle出版でも、使える内容になっているかと思います。




大きく5つの流れがありますので、1つ1つ見ていきましょう。

【01】テーマを絞り込む🔍 ←ココ
【02】記事をカテゴリー分けする💭
【03】構成案を作る📚
【04】書籍化に向けた調整をする🖊
【05】企画書を作る📝

【01】テーマを絞り込む🔍


まず、書き溜めた記事から書籍化の軸となるテーマを絞ります。

書籍化の軸となるテーマは、

1) 読者が求めているもの(Needs)
2) 自分が提供できるもの(Can)
3) 自分が書きたいもの(Will)

の交点を取ったところが理想です。

▼この図でいうと星マークのところです。

どうしても、「自分が書きたいこと(Will)」が先行してしまいがちです。でも、一番大事なのは「読者が求めているもの(Needs)」だと分かりました。

書籍にしたとしても、誰にも読まれなかったら悲しいですよね。
せっかくなら、ひとりでも多くの方にお届けしたいものではないでしょうか。

「いやいや、Needsが大事なのは分かるけど、それを見つけるのが難しいんだよね。」

という声が聞こえてきそうですが、

noteを書いている方に朗報です!

実は、ダッシュボードから簡単に見つけられるのです。

noteにあるダッシュボード機能(自分のアカウントアイコン→ダッシュボード)
ダッシュボードとは?」の記事から引用した画面イメージ


ダッシュボードでは、どの記事がどれくらい読まれているかが分かります。

私自身、「せっかく書いたのに、全然読まれなかった」こともあれば、「思った以上に読まれた!」こともあります。

ずばり「読まれている記事」はNeedsが高いと言えるでしょう。


ここからは、書籍化の軸となるテーマを絞るための3つの手順を解説していきますね。

①読まれている記事の分析 (Needs)

まず、ビュー数や反応(コメント数やスキ数)が多い記事をリスト化してみましょう。

そこから読者の求めていること=課題を分析していきます。

書き溜めた記事のリストがあると、だいたい傾向がつかめてきます。

▼参考までに私のダッシュボードを貼っておきます。

ビュー数が多い順

私の場合は、「ネガティブな感情をどう乗り越えたか?」をテーマにしたnoteが読まれる傾向にありました。

(例:お金の使い方が分からない、負けた時、人に頼みごとをできない、心が沈む時、相手の立場で考えることができない、普通の人であると悩む、自己アピールが下手など)




②自分が解決できるテーマ探し (Can)

次に、これまでの記事を振り返り、よく出てくるキーワード共通するテーマを抽出します。

この作業で、自分ができること(Can)を発見できるからです。

先ほど分析したNeeds(読者が求めているもの=課題)に対して、どんな解決策を自分が提供できるか?

という観点で分析してみます。

私の例)
💡Needsで抽出したテーマ → これまでのnoteを振り返り、自分が提供できる解決策を発見



💡「普通の人であると悩む」→「アウトプットすることで自分を肯定できる」(アウトプットを4年つづけた経験)

💡「内向型で自己アピールが下手」→「相手のタイプに合わせてコミュニケーションする」(自分自身が沢山の本を読み、実践してきた体験談)

💡「自分にはリーダーは向いてない」→「内向型だからこそのリーダーシップを活かせる」(コミュニティを5年運営してきた上での気づき)


③自分が語りたいことの明確化 (Will)

読者が求めていること(Needs)、自分が解決できること(Can)が抽出できたら、自分が一番熱意を持って伝えたいこと(Will)を明確にします。

これまで書き溜めたnoteを振り返ってみて気づいたのは、自分がどんなことに喜びを感じるかということ。

私は「自分が本来もっている特性に気づく」とか「どうやったら特性に気づき、活かせるのか」に関心があり、喜びを感じます。

今まで光が当たってないところに光が当たっていくキッカケを作りたい。

これが私のWillであると気づきました。


この3つの手順を踏まえて、交点★となるテーマを探していくのです。

と言っても、もしかしたらスムーズに見つからないかもしれません。
この後のプロセスと行ったり来たりしながら、だんだんとテーマが磨きこまれていきます。

今振り返ってみると、試行錯誤しながら考えるプロセスは時にしんどいですが、とても大切なプロセスでした。

私の場合は、「コミュニティのつくりかた」とか「控えめな人が可能性をひらいていく方法」とか「自信がない人がアウトプットによってチャレンジを広げる方法」とか、試行錯誤しました。

いくつかテーマを挙げながら、周りにもフィードバックをいただきながら、最終的には、この後のプロセスと行ったり来たりしたうえで「内向型だからこその強みの活かし方」にテーマを絞っていきました。



【01】テーマを絞り込む🔍
【02】記事をカテゴリー分けする💭←次はココ
【03】構成案を作る📚
【04】書籍化に向けた調整をする🖊
【05】企画書を作る📝

【02】記事をカテゴリー分けする💭


テーマが決まったら、それに関連する記事を分類・整理します。

こちらも具体的な3つの手順を解説していきますね。

①記事を一覧化する

まず、これまで書き溜めたnote記事のタイトル、概要、URLをリスト化します。

このあとカテゴリー分けすることも踏まえると、スプレッドシートなどが便利です。

②カテゴリー分けをする

次に、リスト化したnote記事を、テーマに基づいてカテゴリー分けしてみましょう。

共通点のあるものをグループでまとめていく作業です。

▼ご参考までに、私が企画時に作業した内容はこちらです。

あくまでも私の例ですが、このようにカテゴリー分けしてみました。

例)テーマが「時間管理」なら、「朝の習慣」「効率的なタスク整理」「やる気を保つ方法」などのサブテーマにカテゴリー分けできるかと思います。


③不足を確認する

さいごに、書籍化のために新たに必要な章やアイデアがないかを確認します。
思いつくものがあれば、リストに追記していきましょう。



【01】テーマを絞り込む🔍
【02】記事をカテゴリー分けする💭 
【03】構成案を作る📚 ←次はココ
【04】書籍化に向けた調整をする🖊
【05】企画書を作る📝

【03】構成案を作る📚


ここからは記事をもとに、書籍の流れを構成してみましょう。
カテゴリー分けした記事を並び替えながら、構成を作ります。

①目次構成案を作成する

まず、目次構成案を作ってみましょう。
いきなり作れない場合はChatGPTに壁打ちしてもらいながら、目次構成案をつくるのも良いと思います。

困ったときのChatGPT

ここまでリスト化したものを入れ込んで、「テーマは○○で、目次構成案を考えてみて」と聞くと、それなりのものを答えてくれるでしょう。

例:
「テーマはワーキングマザーの時間管理術で、目次構成案を考えてみて」
とChatGPTに聞いて、返ってきたもの。

第1章:ワーキングマザーの時間管理の基本
第2章:仕事と育児のバランスを取るコツ
第3章:日常生活の時間を有効活用するアイデア
第4章:長期的な視点で計画を立てる
第5章:テクノロジーを活用した時間管理術
第6章:自分のための時間を作る方法
第7章:実例から学ぶ成功のヒント

とはいえ、平凡なものになりがちなので、あくまでもChatGPTは壁打ち相手として活用しています!

もしくは類書の目次構成案を参考にしながら、王道的な流れを抑えるのも良いと思います。

・なぜ○○が必要なのか?(課題設定)
・基本となる考え方
・具体的な実践例

といった流れになっていることが多いです。

▼せっかくなので、私が企画当初に作っていた目次構成案も公開。

テーマ「控えめな人の人生戦略」

第1章:控えめな人だからこそ、もっと強みを活かせる!
第2章:アウトプット編(控えめな人が、学びを活かす5つのステップ)
第3章:自己理解編(控えめな人が、もっと自分を知る方法)
第4章:仕事編(控えめな人が、自分とチームを活かす方法)
第5章:人間関係編(控えめな人が、無理なく人付き合いする方法)
第6章:行動編(控えめな人が、行動で可能性を広げる方法)

今振り返ってみると、色々とアップデートはしましたが、このときの原型をもとに書籍ができたことに気づきます。

②目次構成案に、記事を当てはめる

章の構成案ができたら、書き溜めてきたnoteの記事を当てはめてみましょう。

▼こんな感じです。


③追加が必要なところを特定する

こうやって構成を作っていくと、「もっとこういう内容があったらいいかな?」と思うことが出てくると思います。

記事間のつながりや、読者が知りたいであろう背景説明などを構成案に追記していきましょう。



【01】テーマを絞り込む🔍
【02】記事をカテゴリー分けする💭 
【03】構成案を作る📚 
【04】書籍化に向けた調整をする🖊←次はココ
【05】企画書を作る📝

【04】書籍化に向けた調整をする🖊


構成案ができたら、あとは「書籍」にするだけ!

と言いたいところですが、実は違います。


noteで書いた記事は、noteとして読むのは良いけど、書籍にするときには文章の調整が必要になることがあります。

私の場合は、実際に書籍にするときにnote記事をそのまま載せたものはありませんでした。

いくつか「書籍化」に向けて、note記事を調整する具体例を挙げます。

縦書きでフォーマルな文体にする。
noteは横書きですが、書籍はだいたい縦書きです。これって思っていた以上に雰囲気が変わってきます。
私はnoteだと「○○なんです!」とかカジュアルな感じですが、書籍だと「○○なのです。」とフォーマルな文体にしています。

読者視点で分かりやすくする。
難しい用語は使わない。初めて読む人向けにする。

✅ ですます調なのか、である調なのかの文体を整える

前後関係の文脈に合わせて文章を圧縮、追加、抜粋する。

客観的な根拠(データやエピソード)を補完する。

などなど。

これは実際にやってみて、分かったことがいっぱいありました。

調整、調整、そしてまた調整の繰り返し。

そう考えると、世の中に出ている「書籍」って尊いんです。
出版するまでに、めちゃくちゃ時間と労力がかけられているんですよね。


【01】テーマを絞り込む🔍
【02】記事をカテゴリー分けする💭 
【03】構成案を作る📚 
【04】書籍化に向けた調整をする🖊 
【05】企画書を作る📝 ←次はココ

【05】企画書を作る📝


いよいよ最終章です!

Kindle出版であれば、ここまでのプロセスで出版までたどり着きます。

でも「商業出版」となると、企画を通すために企画書が必要です。

実際には【04】書籍化に向けた調整に取りかかる前に、企画書を作って出版社などに提案するプロセスになることが多いでしょう。

(企画書に盛り込む項目例)

✅ 仮タイトル(あくまでも仮、2〜3つくらい)
✅ 企画の概要 (200文字程度、企画の切り口)
✅ 企画の背景(本書で解決する課題、市場性、類書など)
✅ 企画意図(読者にどんな変容を起こしたいか?)
✅ 想定読者層(課題を持っている人は誰か?)
✅ 著者紹介(プロフィール、この本を私が書く理由含む)
✅ PRプラン(自分がどう本を売っていくか?)
✅ 企画の詳細(目次案など)

▼企画書づくりについて、詳しくはこちらのnoteに書きました。
実際の企画書をダウンロードできるようになっているので、こちらはコーヒー1杯分の有料にしています。


あとがき

ここまで実際にやってきた「書籍づくり」を振り返りながら、書いてきました。

気づいたのは、書き溜めてきたnoteは「資産」だということ。

実は、自分でも気づかずうちに「資産」がいっぱい貯まっているんです。なので、このnoteを通じてご自身の資産に少しでも気づいていただいたのであれば、うれしいです。


「書籍」にすることは、自分が蓄積した「資産」をパッケージングしてシェアすることです。それを役立てていただける人が1人でもいるなら、とても尊いことだと思います。


▼こちらの「書籍」が思いを込めて作った1冊です。「内向型だからこそ、できることがある」。今すぐ実践できる100のスキルに詰め込みました。

もしよろしければ、お読みいただけますとうれしいです。


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なつみっくす|著書『I型(内向型)さんのための100のスキル』
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