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特性を理解する(小二次男のADHD診断とその後)

この春のこと、次男についてADHD(注意欠陥多動性障害)の診断があった。この次男の特性について、いろいろと考えた4ヶ月についてまとめる。


相談のきっかけはリエゾン

兄弟たちがホームスクーリングに移行していく中で、そういった子どもたちと発達凸凹の関係性が深いことを知っていた。ASD、ADHDといった言葉もどこか無縁のものではなく、私の身近にあるんだと感じることが多くなった。

具体的な行動のきっかけをくれたのは漫画の「リエゾン」。ちょうどドラマ化されて注目を集めていた(ちなみにドラマは見ていない)。

私は、とにかく毎日困っていた。いろいろな相談機関に子どもたちの不登校状態や精神的不安定について相談していたが、「それは大変ですね」「様子を見てみましょう」・・・それ以上の進展がなかった。私が相談したいのは、専門的な知識知見で具体的なアドバイスや直接的な関与で助けてくれる専門家だと感じていた。

こどもに病院へ行くことの理由を説明するのは難しい

かくして、精神科・心療内科を訪ねて相談を開始したのは今年の3月ごろ。
初めからは子どもを連れて行けなかった。病院へ行くことの説明ができない、だって、どこも悪いわけじゃない。

いろいろ考えた結果、伝えた理由はこうだ。
「病気ではないから注射とか薬をもらいに行くのが目的ではないけれど、毎日とてもイライラして抑えられなかったり、お腹や胸の辺りが苦しかったりしてるよね。病気かどうかはさておき、そういう苦しいことを、お医者さんに相談していいんだよ。
もしかしたら何か検査をするかもしれないけど、きっとK(次男)の助けになると思うから、一緒に病院に行ってみようか。

何が直接響いたのかは分からずだけれど、ようやく連れていくことができた。

WISC検査と診断書

次男を連れて行ってまもなく、いわゆるWISC検査を受けた。
テストがトータルで2時間強くらい。あろうことか、楽しかったらしい。

総合的にな知的(IQ)には問題がないことと、項目別ではワーキングメモリーの項目が他に比べて低いことがわかった。
典型的なADHDの傾向で、見事な凸凹である。ふむふむ。

先生の話では、WISC検査のみでADHDを診断するわけではなく、さまざまな状況を聞いた上で診断するらしいのだが、顕著な検査結果とヒアリングの状況から、ADHDである、との診断だった。

検査結果と診断書をもらったことで、なんだかホッとしたのが正直だった。
なかなか個性的ボーイだとは思っていたが、これまでの数々の困りごとは、私の子育て力が著しく低かったせいでも本人の努力が足りなかったせいでもなかったことだけはわかったから、だと思う。

もらった診断書には、「注意欠陥多動性障害」の文字。障害、とついてしまうとなんだか重く見えるが、適切な支援をもらうための味方になるものだと思えた。

※補足. WISC検査について
WISC検査に至るまでの経緯ですが、我が家の場合は、地元の精神科・心療内科を受診し検査を勧められた上で、同じ病院でそのまま検査となりました。周りからは予約が取れないなどと聞いていましたが、初診から検査実施までを1ヶ月以内で実施できました。
児童精神科などの専門医がいる病院などでは初診予約でもかなり待つことがあったりするようです。また、市町村によっては教育支援センターなどでも実施しているようですが、やはり待ち状況などは市町村などによって事情が違うようです。(我が家は埼玉県ですが、これまで自治体に相談してあまりいいことがなかったので、手段があるかどうかも調べず直接病院に相談しました)

診断書があることによって得られたこととそうでもなかったこと

この診断は私自身の次男の理解に役立ったことは言うまでもないが、次男の特性について第三者へ面倒な説明がいらなくなったことはメリットとして大きい。

具体的には、お世話になっているフリースクールと、学校の先生へまずは連携した。
フリースクールのスタッフの方々は、さすがに理解が速く、早速次男とのコミュニケーションの際の参考にしてくださった。大変ありがたい。
学校の先生についても、やはり理解のために役立ててくださっている。通っている学校は支援級があり支援のスタッフの方もいる。先生は支援級の先生と個別に会話をしてくださった様子。

一方で、(当たり前だが)診断があっただけですぐに支援につながるわけではない、ということも実感した。学校であれば支援級という可能性もあり、先生もその可能性については言及くださったが、不登校状態であるなかなのでそういった具体的な話にはならずそこで途切れている。(個人的にはもう少し情報を欲しいと思う・・・)
私自身で調べて、発達障害児向けの支援や放課後デイサービスなどの施設にも問い合わせ、そのうちのいくつかに話を伺いに行った。全く情報がなくて困っていることを伝えると、発達障害の診断がなくても受けられる支援サービスから、自治体発行の障害児通所支援受給者証によって福祉サービスとして受けられるものがあることを知った。
プログラムもさまざま、個別支援から集団クラスまで。困りごとを伝えたら、個別支援をお勧めいただいた。

支援級も支援サービスも我が家に当てはまらなかった理由

支援級については、正直検討の俎上にすらあがってない。学校に行くことが前提になっていない中だし、あくまでそういった選択肢があるがどういった支援が必要か次第なので、そんなにすぐ決まるようなものでもない。希望しても難しい場合もあると思う。
(※ほぼ検討してないので、知識も浅い)

民間の支援サービスについては、お勧めいただいた個別支援の体験を受けに行った。病院に行った時と同様、なんで行くのかを説明したが、あまり解せない様子。一対一で会話をする様子を別室から見る形式で、さすがにプロなので、言葉がけから接し方まで大変参考になる。1時間ほどだったが、興味関心が移りやすい次男と言葉のキャッチボールをしながら、良いところと課題を引き出してくださり、今後の支援プログラムについて説明を受けた。
母的には、やはりプロの支援は受けたいと思っていた。しかし肝心の次男に帰りながら聞いたところ、「うーん、いってもいいけど。」という話。

考えた。否定はしていないから通えるかもしれない。でも、毎週1回とはいえ、今後のためとはいえ、「行ってもいいけど楽しいとも思えない」場所に通う価値ってあるのだろうか。
費用も高い。普通の習い事よりは高い。もちろん本当に必要なら払いたいお金だが、これなら家族で楽しいことにお金を使う方がよっぽど良いのではないか、と思い直した。

今回いろいろ相談したことで、相談すべき場所もわかったし、いざという時には相談できる。いざという時が来るかどうかさておき。

母である私が理解と支援のために参考になった書籍たち

次男の特性についてできること。もっとも身近にいる私ができることはたくさんあると思った。私が助けられた書籍たちは以下。
(※ Clifton Strengthの強みTop5にInputとLeanerがいる私なので、こういう収集と学習は早いのです。)

漫画 リエゾン

ADHDに関しては、主人公の研修医である志保が当事者である点から、ところどころで触れられている。
私が一番好きな話は2巻の「虐待の連鎖」の話。ADHD疑いの兄(結局はADHDではない)、その妹、母親、それぞれが複雑に生きづらさを抱えていて、傷ついたり傷つけたりしてしまう。でもそれでも家族だから一緒にいながら付き合っていくしかない。
我が家の兄弟たちも、ADHDとHSCの特性が超絶ぶつかりあっているんだよなあ・・(難しい)

リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ

リエゾンと一緒に読みたい本。保護者のコミュニティでも参考にされている方は多い様子だった。
「おとなのこころがまえ」という視点が良いと思う。本人とどうか関わっていくかについては気持ちや考え方などの背景にも触れているし、学校や社会とどう関わっていくかという項目もある。
まさに、心構えと呼ぶにふさわしい項目が並んでいるので、一読しておくと後からどうしようと思った時にも辿りやすい。

発達障害 僕にはイラつく理由がある!
発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル

いずれもかなしろにゃんこさんがイラスト・漫画を手がけているが、にゃんこさんのお子さんがADHD(自閉症もあるとのこと)であり、当事者目線を知る観点でとてもわかりやすい。

僕には〜の方は、まさに次男を見ているよう。伝えても伝えても伝わらないと思っているが、当の本人もなぜいろいろ言われてしまうのかわからない。お互いにわからないと思っているからどうにもならない・・・大人になった当事者のリュウ太君の目線から、客観的に振り返っている点が微笑ましく読み物としても面白い。

声かけ・接し方大全の方は、スキルとして簡潔に書かれているので、まさに接し方で直接的に困った時にすぐ参考にできる点が良い。
次男がイライラしてパニックになってしまった時の落ち着き方や、気になる行動に対する接し方など、具体的なテクニック集として身近に置いている。

ソーシャルスキルモンスター/ソーシャルスキルポスター

SST(ソーシャルスキルトレーニング)でカードを使って感情やその対応法について学ぶという方法があるが、ぶっちゃけ、やってみたけどあまり面白いものではない。
こちらに出会った時に目から鱗で大変ワクワクした。モンスターは、怒り、悲しみなどの感情やさまざまな問題行動を表現していて、それがまたダジャレっぽかったり、語呂合わせになっており、とても面白い表現になっている。「モンスター」で表現されていることで、問題行動をとった本人を責める形ではなく、「モンスターが出てきてしまったね」と客観的に捉えられるのも絶妙。

ポスターはモンスターに対応するためのスキルを表現しており、セットになっている。我が家はモンスターで盛り上がってしまい、ポスターはまだあまり活用できていないのが正直なところ。

ちなみに私が好きなモンスターは「めんハクサイ」。実に面倒くさそうな顔をしているのが良い。

発達障害「グレーゾーン」 その正しい理解と克服法

ADHDについて調べる中でグレーゾーンについても正しく理解したいと思って読んだ本。次男の場合は診断があったが、型にはめたいわけではないし、一概にはいえないさまざまなパターンがあるのだと思う。HSC傾向だがなんともいえない長男についてもっと理解したいのもある。

結局こういうことを含めて、障害と呼べても呼べなくても、多様な人がおり、それぞれ性質があるんだということを受け入れた上で本人や周りの人が理解し接していく必要があるんだな・・・というナンダカ深い思いに至った。


↓発達障害に注目したわけではありませんが、こちらも以前に読んでいて、改めて参考になります


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