UXデザイナーがサービスの運営チームを兼務してみた
2022年頃、個人的な体感として「越境」というワードをデザイナー向けのカンファレンス・オンラインセミナーなどで頻繁に聞くようになりました。
当時の私の考える”デザイナーとしての越境"は「協働者への理解や歩み寄りを深める」というものでした。例えば
【積極的に協働者の視点・考えを理解しにいく】…デザイナー視点だけでUIUXを考えるのではなく、エンジニアの実装のしやすさを自分から確認しにいく
【"それは私の考えることじゃない"と捉えず、協働者が悩んでいたら一緒に考える】…運営チームがアイデア出しに困っていたら、デザイナーも集まって一緒にブレストをする
など。協働者から情報が降りてくることを待つのではなく、自ら情報をゲットしに行くことが「越境」と考えていました。
そこから2年経った今、私の「越境」は少し変わってきたと感じています。というのも、当時は「UIUXデザイナー」という肩書きだけだったのですが、今は「UXデザイナー 兼 運営チームメンバー」という立場になったからです。
2023年10月から兼務を開始して早3ヶ月、新しくやること・学ぶことが多く、noteの更新も忘れるほどがむしゃらに色々やってきました(笑)
がむしゃらに動きつつも「今後、新たに意識すべきこと」や「新たに学びたいこと」が見えてきたので、今回は自分の忘備録も兼ねてそれらを紹介しようと思います。
1. 「運営チームにヒアリングする」から「運営チームの目線で考える」
サービス改修や特設ページを作成する際、今まで「私はデザイナーとしてどう貢献できるか」という目線でいました。そのため、運営チームの担当者に「この改修・施策の目的は何か」をヒアリングし、その目的達成のためにどう動くかを今まで考えていました。
しかし自身が運営チームの一員となり、かつその施策の担当者となった今、考えるべきは「予算達成のためにすべきアクションは何か」になりました。
UXデザイナーとして「ユーザーが喜んでくれるUIUXは何か」を考えることは引き続き意識しつつ、今後はそこにプラスして「予算達成のためにこのサービスをどう運用するか・どんな施策が効果的か」も考えた上で、改修・施策の目的や目標数値を考えていく必要があると痛感しています。
正直、3ヶ月経った今でもここは個人的に苦手意識がある部分です。目標数値の妥当性が分からなくなったり、知らぬ間に論理的じゃない仮説になっていたり…など。
今はFigmaではなく、スプレッドシートやGoogleアナリティクスの前で頭を抱える日が増えました(笑)
2. 「完成したもの」ではなく「クオリティが低い”途中経過のもの”を何度か報告」する
UIUXデザイナーの時は、デザイナーの責務として「運営チームの目的が達成できる画面・方法はこれです」と、ほぼ完成したアウトプットを提出することを意識していました。
しかし私が現在、主に作っているのは今までほぼ作ったことが無い「改修・施策の目的は何か」という説明資料や「集計結果・レポート」といった報告資料です。
個人的に、まだ慣れていない&自分にとって未知のものは、1人で永遠に考え込んでしまう時がよくあります。「こんな状態で提出しても、レビューする人はきっと困るだろう」という考えが無意識に出てしまうのです。
しかし、初心者の時に大事なのは「質より量」だと、この3ヶ月間でのやらかし・失敗を踏まえて、忘れかけていたデザイナーに成り立ての頃のマインドを思い出しました(笑)
「初めてやる人が完璧な結果なんか最初から出せるわけないんだから、ここまでとりあえずやっただけ自分は偉いぞ」と考えるように、今後も意識していこうと思っています。
3. 「自分ができることを考える」から「自分の知見を活かしつつ、属人化しない方法も考える」
運営チームを兼務してから慣れないことは多いですが、一方で兼務だからこそスムーズな点もあります。例えば
「こういう方法なら、デザイナー・エンジニアの限られたリソースでも対応できるのではないか」という叩き台を自分でまず作ることができる
実際に簡単なUI画面をざっくり作った上で「こんなのどうですかね?」と運営チームやデザイナーに相談できる
デザイナーへの依頼前に「こういった情報があるとデザイナーは動きやすいだろう」という考え方ができる
など。このおかげで、運営チームのメンバーとしてはまだ至らない点が多くあっても、なんとかなっていると感じています(笑)
しかし、定期的に実施される特集記事の担当を私がした際、運営チームのリーダーから「今後どうなるか分からないけど、荒木さんが兼務を辞めた時に、他の運営チームメンバーや他のデザイナーが対応できる形にしておくようにお願いします」とフィードバックをもらい、この状態に甘え続けると属人化になってしまう…!と気付きました。
この3ヶ月は「UIUXデザイナーの私が運営チームで何ができるか」を中心に考えてきましたが、これからは「誰でも運用できる状態は何か」という、今後のチーム全体のことも考えて動くことを意識したいと思います。
まとめ ~具体的な”私が学びたい”こと~
以上、UXデザイナーの私が兼務という名の「越境」をした上での変化や気付きを紹介しました。そして最後に、とても具体的な「今年、私が新たに学びたいこと」を書いて終わろうと思います。
運営チームの一員となり、私が担当となったのは「ネットワーク広告の管理」と「SEO対策」です。SEOはデザイナーの時からなんとなく把握していたのですが、ネットワーク広告はまさに未知の世界で、広告用語などを覚えるだけでもう頭がパンクしそうです(笑)
しかし、ネットワーク広告だけでも「このサービスはどのように収益を得ているのか」という仕組みなどが分かり、理解が進むにつれて「ちょっと楽しいぞ」という気持ちに最近なってきました💪
引き続き実務をがむしゃらにこなしつつも、2024年は下記の本などを読みながら、ネットワーク広告とSEO対策を頑張っていこうと思います。
もし私と同じく「ネットワーク広告とSEOについて学びたい」という方は、下記の本を読んでみてください。個人的に初心者に分かりやすい良書だと思ったので、おすすめします^^