アラスカに行きたい
アラスカに、途方もなく惹かれている。
新婚旅行なるものの機会があれば、ハワイでもモルディブでもなく、どうしてもアラスカにいきたい。
特に白夜のアラスカに行って、ほの明るい夜の山を、どこまでもどこまでも歩き続けたい。
突然「アラスカ」というものがイメージをともなってわたしの中に入ってきたのは、1年半前のこと。
恵比寿で偶然やっていた星野道夫の写真展にふらっと入り、そこに広がっていた壮大で迫力溢れる大自然に圧倒された。
春の大地を駆け抜けていくカリブーの群れ、
月明かりの中クジラ漁に出ていくエスキモー、
真っ直ぐにこちらを見つめる本物のホッキョクグマ。
有名企業の宣伝部で日々怒涛のCM制作に忙殺され、周囲からの「すごいね、やりがいある仕事でいいね」という言葉と、「もうこれ以上は頑張り続けられない」という自分の心身の悲鳴との板挟みになっていた中で、突如、考えたこともなかった大きな世界が目の前に現れた。
「いつか絶対ここに行こう」と思った。
生きる意味とは、自分の世界を広げることなんじゃないか、と思った。
まだ見たことのない景色、感じたことのない感情、知らなかった知識、そういうものを日々集めて、少しずつ自分の世界を広げて、もっといろんな世界が見えるようになる。
そのために生きているのかも。
良いことも悪いことも、全て自分の世界を広げる材料にしよう。
挫折しても、三日坊主でも、いろんなことに触れて触れて、世界を広げよう。
なにかを踏ん張って長く続けた先にしか見えない新しい世界もあるだろう。そんな世界も見てみたい。
そんなふうに思った。
あれから1年半、転職をして、今はまったく新しい環境にいる。
ストイックでプロ集団として鎬を削るような前の会社もかっこよくて好きだったし、みんなに思いやりがあり人の幸せを願うあたたかな今の会社も素敵だと思う。
はじめての転職は、大きく自分の人生を広げるきっかけになった。
新しい会社に入って9ヶ月。
そろそろこの新しい世界にも慣れてきて、いよいよアラスカに進出したい今日この頃です。
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