遺書No.502 聖戦:ジハード〜2匹の獣編〜
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2005.11.22
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何の変哲もない日常に、
不意に走馬灯が見えることがあります。
こんばんは、みーくんです。
ひどく懐かしい戦いを思い出したので、
また忘れる前に、書いておこうと思う。
――――five years ago.――――
あれは忘れもしない5年前の夏。
照りつける太陽に、
景色がゆらぐ程の炎天下の一日。
そんなある休日の夕暮れ時に訪れた戦いだった。
事の発端は、
俺が部屋の掃除をしていたからだ。
当時の俺は、
夜逃げした直後で金が無かった事もあり、
4畳半で敷金礼金ゼロの古い部屋に住み、
一日置きに徹夜という殺人的なスケジュールで
日々を過ごしていた。
それでも、
非日常の生活環境を抜け出し、
ようやく真っ当な人生を歩みだそうとしていた俺には、
全てが真新しく、
活気に満ち溢れた毎日でもあった。
その部屋も、
俺にとっては唯一安らぐ事の出来る、
たった一つの城だったと言える。
・・・だが、その戦いは不意に訪れた。
慢性的な睡眠不足に陥っていた俺だが、
さすがにそろそろ掃除をせねばなるまいと、
重い体をひきずり、
部屋の掃除の為に窓を開け放って気合を入れた。
無論、窓は網戸である。
よし、洗濯だ―――――――。
俺の城は、構造上の理由から洗濯機がドアの前、
いわゆるアパ-トの入り口脇の廊下にあった。
そして、そこからホースを引っ張って
ユニットバスの水道から水を供給するという、
エヴァンゲリオンさながらのシステムだったんだ。
だからどうやってもバスのドアを少し開けつつ、
隙間を作っておく必要性があった。
そこが問題だ。
・・・ヤツは、そこから侵入してきた。
ここで火曜サスペンス劇場の音楽を、
頭の中で流しても良い。
そう、そんな空気だ。
侵入してきたヤツは、
ご存知、
夏のギャングこと、
モスキート・ベイベー(蚊)だ。
不快な音を放ちつつ、
気持ち良さげに、
部屋の中を飛び回ってやがる・・・
・・・いいかい?
この部屋はね、
俺が散々苦しい思いや大変な事件を乗り越え、
幾つも悲しみや傷跡を作った上で手に入れた、
たった一つのお城なんだよっ!
汗を書いて手に入れた金で、
家賃や光熱費、その他諸々を払って、
権利を勝ち取って住んでるんだよっ!
そこに、家賃も払わねえどころか、
許可もなく人様の血液を奪っていくよなやつを、
置いておく訳にはいかねえ~でしょうがっ!!
ゴルァァァァ━━━━━((゚Д゚))━━━━━ !
・・・ふ。
後悔させてやるぜ!!(☆_☆)キラン
こうして、
4畳半の部屋に2匹の獣が解き放たれた!!
スピードVSパワー。
大方の予想通り、
序盤からこの構図でした。
だが、
敵も中々どうしてっ!
一向に捕らえきれない。
ついに俺は、
『連邦のモビルスーツは化け物か!?』
などと、赤い彗星シャアのセリフをパクリ、
(本当に)口走ってしまうものの、
ヤツはスキを見せたりはしない、、、
いよいよ持って勝負は膠着状態だ!
そこで俺は考えました。
罠を張ろう。(・∀・)ニヤッ
Tシャツを脱ぎ捨て、
モスキート・ベイベーがとまるのを待つ。
名づけて!!
『私、待つわ いつまでも待つわ
byあみん』 作戦!!!
ヤシマ作戦以来の危険度MAXな作戦だぜ。
ヤツはまんまと引っかかりやがったよ。
俺の左腕にとまりやがった。
バカがっ!!((゚Д゚))クワッ!!
くらえ!!
必殺!!
北 斗 剛 掌 派 !(バチッ)
・・・殺った!!(終わった・・・)
楽しかったよ・・・.
お前は最高のライバルだったぜ・・・
右手を離してみる。
な、なにぃっ!!Σ(・Д・|||
いねえ・・・
(残ったのは『かゆみ』だけだ。(‘A`)・・・)
ヤツはまだ生きている!
だが、次に俺の視界に入った時に、
お前はジ・エンドだぜ!!
(そして、その時は意外とすぐにやってきた…)
俺の上空をのんびり飛んでやがる。
そろそろケリつけようや・・・
『お前は既に死んでいる(゜ω゜)クワッ!』
俺はまっすぐヤツに向かっていく。
効きもしないフェイントをいれながら、
やってもいない猛特訓を思い出しながら、
迷わず、いく。
モスキートよ、天に還る時が来たのだ!
剣聖奥義っ!!(※誰が元ネタわかんだよ
マキシマム・タイフーン・バスター!!
(両手でパンッ!)
・・・手ごたえあり。(・∀・)ニヤリ
ゆっくり手を開いてみる。
ふっ・・・・。
敵将、討ち取ったりぃ!!!
だから言ったろ?
後悔させてやるってな・・・。(*´―`) フッ
最後にモスキート・ベイベーはこう言った気がした。
「天を獲れ・・・!」
死力を尽くした2匹の獣にしか分からない、
そう、そんな言葉で・・・
ある真夏の夕暮れの死闘でした。
・・・悲しむ事はなぃ。