遺書No.705 悪魔組曲『夫婦』。
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2006.6.12
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欲求不満てのは人間にだけあるモノだよね。
そう考えるとさ、欲求不満というか欲求って、
人間を人間たらしめる重要なピースであり、
すごく大事な事なんじゃないかなと思う。
そして欲求不満になるって事は、
人間としての証明書を手にしてる瞬間であり、
生物学的な誇りを感じるべき瞬間じゃなぃか?
であるなら、ストレスを感じてる場合じゃない。
逆に欲求不満を十分に味わおうじゃないか。
お、ここで素敵な一句が出来ました。
「夜なのに 僕が見るのは あおいそら」
こんばんわ、みーくんです。
さて、今日は久々にやって参りました、
その場の思いつきだけで書き殴る、
この遺書でも第何弾になるか分からない程の、
もはや恒例の完全インスタント小説。
その名も、悪魔組曲。
長年その人生を共にした老夫婦が織りなす、
愛の語らいの描いた感動的なワンシーン。
今回のタイトルは、『夫婦』だ。
男が意識不明の重態になって数ヵ月、
たまに意識は回復するものの、
ずっと寝たきりである。
しかし、
彼の妻は、一日も欠かさず、
ベッドのそばで彼を看病をし続けた。
ある日、
彼が意識をとりもどし
妻を手招きした。
妻が近づくと、
彼は目に涙をいっぱいにためて、
こう囁いた・・・。
「お前は私がつらい時は、
いつも側にいたよな。
私がクビになったときも、
一番近くで支えてくれた。
ビジネスが失敗したときも、
私が撃たれたときも、
家を失ったときもそうだ。
私の健康が悪化しても、
それでもお前は私のそばにいた。
…なあ、お前、、」
男は、静かに視線を妻に向けた。
「なあに?あなた…」
妻は、優しくたずねた。
彼女の胸はいっぱいになり、
笑みがこぼれた。
そして男は、
再び妻から視線を外すと、
目を伏せながら呟いた。